日蓮宗新聞

2013年10月20日号

 本山藻原寺で日向上人 700 遠忌法要   内野法主猊下ご親修で感謝捧ぐ

_MG_8278千葉県茂原市本山藻原寺(持田日勇貫首)で、同寺第二祖日向上人(1253―1314)の700遠忌報恩音楽大法要が10月3日に、内野日総猊下(総本山身延山久遠寺法主)を大導師に執り行われた。茂原に生まれた日向上人は身延山久遠寺の第二祖でもあり、久遠寺や藻原寺をまとめ身延門流(日向門流)を形成した。参列した約350人の僧侶檀信徒は、初期の教団の基礎づくりに尽力した一人、日向上人に感謝の誠を捧げた。

_MG_8310大堂に日蓮聖人から日向上人に授与されたご真蹟の曼荼羅ご本尊(弘安2年=1279・宗宝)と日向上人像が安置されるなか、参列者は恭しく内野法主猊下の入堂を合掌で迎えた。式中、持田貫首は誓願を行い、「いまだ一天四海皆帰妙法の祖願達成あたわず」と世界の紛争やテロなどの凄惨たる現状を悲嘆に述べた。さらにその原因として、「人との間の差別と富の不平等、国家間の為政者の対話不足、これらを放置する宗教の怠慢」にあることを指摘し、「自ら行うべきことを行い(自利)、他のためになさねばならぬことを成すこと(利他)に精進する」と仏祖三宝に誓った。藻原寺では遠忌に合わせ、茂原市民会館で5日に東京大学大学院の蓑輪顕量博士などを招いた講演会、6日に黛敏郎作曲「オラトリオ日蓮聖人」の公演会(次号詳細)を開いた。また平成33年の日蓮聖人ご降誕800年までに、境内の山上に日蓮聖人銅像を建立する予定だ。彫刻家で日本芸術院会員の川崎普照氏に32歳頃の日蓮聖人像のデザインを依頼。台座12㍍、像丈20㍍で、山上の12㍍の高さを合わせれば44㍍となり、ビル12階の高さに相当する。

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     法華経に示された      地涌の菩薩の一人として

日蓮宗の月例金曜講話
10月4日「月例金曜講話」から要旨摘録
up用私の家は熱心に法華経を信仰していました。その縁で私は小学5年生のときに得度し、お寺で修行を始めました。母に置いて行かれた時は、気持ちの整理もつかず、寂しくて毎晩布団の中で泣いたものです。そんなとき師匠から「自分を信じ、みんなを信じ決して疑いの心を起こしてはならないよ」と教えてもらいました。
私たちが拝読します『法華経譬喩品第三』で、仏さまが私たちに教えを導いても、それを信じ受けとめようとしない姿が説かれています。では「信じる」とは何でしょうか?
日蓮聖人は疑うということは、根本的な迷いであり、反対に信じることは、迷い・煩悩を破る仏智になるとご指南されています。わかりやすく言うと、日蓮聖人は「信心」のみによって仏さまになれると教えてくださっているのです。信心をもって本と為す「信心為本」ということなのです。
例えば、こんな話があります。昔、飛脚の親子がいました。父親の飛脚は、江戸と京都の往復を息子より一日早く着くことができました。息子がなぜ一日早く着けるのか聞いたところ「街道に七色に輝くきれいな石がある。その石を心に思って踏まないように歩くと早く着くことができる」と答えました。息子は父親の言った七色に輝く石を一心に思い、ひたすら街道を行きますと、なんと一日早く着くことができたのです。その実態のない七色に輝く石を信じ思うことは、お題目を信じることに重なるのです。法華経という教えは仏さまの一番深い教えです。そして「絶対なるもの」「正しいもの」を信じていれば仏になれるということを日蓮聖人はお教えくださいました。絶対なるものとは仏さまのこと、法華経の心・仏さまの心です。仏さまを信じて生きるとは、お題目を唱えることなのです。
それでは、なぜお題目を唱えるのでしょうか?
生活する上で、私たちには毎日、難問題が起こります。それらの試練を乗り越えていく力をいただくために唱題行をするのです。
お題目によって命が磨かれ、お釈迦さまを本仏として、大導師の日蓮聖人をいただく。日蓮聖人がいらっしゃらなければ、どのように修行をすればいいのかわかりませんでした。日蓮聖人が地涌の菩薩としてあらわれたことで、お題目を唱えることを教えてもらったのです。
私の寺の檀家さんで白内障を患ったMさんがいます。だんだんと目が見えなくなる病気で、今ではすっかり見えなくなってしまいました。目が見えなくなる前、Mさんの娘さんは、夜な夜な友達と遊んでいました。ある時、娘さんが大事故に遭い瀕死の状態となってしまいました。Mさんは来る日も来る日も看病を続けました。幸いにも回復した娘さんは、そんな母の姿に心を改め「お母さんに迷惑かけないように頑張るから許してね」と謝ったのです。その後、Mさんの白内障は進行し、目が見えなくなってしまい、今度は自分の生活が荒れてしまいました。
私はそのとき「お題目は心を磨くもとになるとお祖師さまが申されています。このお題目を信じて生きる。心の目を開くことが大事、きっとできますよ」と祈る気持ちでお伝えしました。Mさんもお題目にすがるしかないと思い、一生懸命唱えました。すると、かつて横道にそれていた娘さんの姿は今の自分の姿だと思ったそうです。Mさんは自暴自棄になっていた自らを深く懺悔し、これからは縁ある人たちとともにみ仏のもとで生きていきたいと誓われました。Mさんの家の仏壇はいつもピカピカです。目が見えなくても心の目があるからです。今は娘さ
んが目になってくれていると語るMさんの姿に、私は地涌の菩薩そのものだと感じています。地涌の菩薩として日蓮聖人は諸々の闇を滅する
光明を投げかけてくれました。私たちは日蓮聖人を手本として、法華経への強い信心をもって不安な社会を生き抜き、地涌の菩薩の一人として精進してまいりましょう。

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2013年10月10日号

お会式桜に込める報恩感謝の真心

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10月13日は日蓮聖人がご入滅されたお会式の日です。
お会式桜をつくったことはありますか。白やピンクの紙を折り、中心を止め、紙を開くと美しいお会式桜ができあがります。お会式桜は日蓮聖人がご入滅されたときに、桜の花が咲いたという故事によります。
この時期になると、全国の寺院教会結社では檀信徒が集まり、皆で世間話などをしながらつぎつぎとお会式桜を咲かせていく風景がよく見られるようになります。「美しくできた」「これはちょっと花が揃ってないかな」など、一つひとつの個性が揃い堂内は鮮やかな桜で埋まります。花の形はさまざまですが、開いた花一つひとつの形は一人ひとりの日蓮聖人への真心です。
一年に一度、堂内や境内などが桜色で染まる素晴らしい日蓮宗の行事、「お会式」にぜひ参加しましょう。

 

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新年のご挨拶。

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