2013年10月30日
お寺で吹奏楽を楽しむ
【長野】 平成二十五年十月二十日。長野県安曇野市の豊興山一乗寺(千野泰信住職)にて慈母観世音菩薩例大祭が行われた。昨年に引き続き、今年も音楽コンサート「ほうおん音楽会(おんがくえ)」を開催する運びとなった。本堂を会場にし、午前中の法要とはまったく違う堂内となった。
千野泰信住職も所属している長野県松本市を中心とした吹奏楽団体「松本ウィンズ・コンソート」並びに同団音楽監督の戸田顕さんの指揮で、NHKの連続テレビ小説「おひさま」「あまちゃん」のテーマ曲や、アニメ「ワンピース」の主題歌などを演奏した。他にも、戸田さん作曲の組曲「安曇野」や「菩薩」など、地域を題材にしたものや仏教に関わるテーマの曲も演奏され、堂内の聴衆は豊かな音楽で包まれていた。
吹奏楽と日蓮宗には近しい関わりがあり、神奈川県横浜市にある本牧山妙香寺は「日本吹奏楽発祥の地」とされているほどである。千野泰信住職が吹奏楽団に所属していることもさることながら、日本の吹奏楽の発祥がお寺であり、日蓮宗の寺院ということに強い縁を感じてこの度の開催に至った。
七十名ほどの聴衆と三十名を超える楽団員を前に千野泰信住職は「”ほうおん”と平仮名にしたのは様々な意味を込めました。恩を受けたり与えたりする「芳恩」、豊かな音としての「豊音」、人に感謝する「報恩」など、自分の中の様々な”ほうおん”を感じていただきたい」と語っていた。