2013年10月27日
安曇野市一乗寺で筆供養塔
【長野】10月27日、安曇野市一乗寺(千野泰信住職)境内に筆供養塔が建立された。千野住職の親戚である千野秀濤さんが代表を務める書道団体「白峨会」の願いでもあった。建立に際しては、檀信徒に関わらず、白峨会の関係者およそ30名が参列していた。
供養塔の隣には「丸山濤石顕彰碑」「井上秋濤顕彰碑」が共に建立された。長野県を代表する書家であった井上秋濤氏は若くして亡くなられたが、その筆跡は丸山濤石氏をはじめとした弟子たちが広めていくこととなった。顕彰碑にはその功績を後世に伝える意も含められているという。
供養塔の建立には千野住職を導師として修法による魂入れが行われ、幕引きには白峨会所属の子供たちの手によって行われた。筆と硯のレリーフの側には古くなった筆を預ける場所を設け、同寺行事内のお炊き上げの際に共に供養するという。
住職は挨拶の中で「今ではあまり使われなくなってきた筆にも魂が宿ります。生活の必需品では無くなりましたが、感謝の意をもって供養しましょう」とその場に集まった人々に語った。秀濤さんは「供養塔は私の願いでもありました。一乗寺には様々な行事がありますが、これからは小さくても良いから筆供養を行っていってほしい」と、思いを込めていた。