2013年10月1日
今年も敬老の日を迎えた。
今年も敬老の日を迎えた。65歳を過ぎて聞く敬老という言葉の響きは複雑だ。まだ現役であることに疑いを抱かずこの調子なら80歳は間違いないと確信していたはずが、様子が違ってきた。立ち上がるたびに腰や膝の存在が気になる。いつか役所から届くであろう敬老会への招待状に恐れおののく▼高齢者を敬うという考えに異論を挟む余地はない。大いに結構だが、未だに現役で社会に出ている人も多い。何歳になったら敬老会というのではなく、いつでも年上の人たちを敬う気持ちを持つというのが良いのではないか▼年忌法要の後、お斎の席に呼ばれて座った。私の右隣には90歳、左隣には80歳の男性が席に着いた。お二人ともなかなかの酒豪で、話題も豊富だ。そのうちに90歳の方が80歳の方にこう言われた。「若くてええのお」▼誰も人生のなかで「今」が一番良いに違いない。腰が張る膝が痛いといって健康な若者をうらやむのではなく、今ならまだこれができるというプラス思考で生きた方が良い▼ところで日本ではよく見かける、腰が曲がったお年寄りが一人で歩いている姿は外国の人には奇異に感じられるらしい。そんなお年寄りを一人で歩かせるなんてとんでもないということらしい。私の母親は86歳になった今も毎日自転車でデパート巡りをしている。元気なうちはお年寄り扱いしない方が良い。 (寮)