オピニオン

2013年9月1日

広島、長崎平和宣言と立正安国運動

■核兵器は「絶対悪」
広島は8月6日、長崎では8月9日、それぞれ「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」が営まれた。
猛暑の中を大勢の人々が参加し、ルース米駐日大使を始め世界70ヵ国の代表が参列し、国連からはイェレミッチ総会議長が出席した。
式典では、原爆投下の時間に平和の鐘が鳴る中で、死没者慰霊の黙とうが捧げられる。
それに引き続いて、市長による「平和宣言」が読みあげられる。
今年の「広島平和宣言」の中で、特に私達の心に響いてきた言葉があった。
それは、「無差別に罪もない多くの市民のいのちを奪い、人々の人生をも一変させ、また終生にわたり心身を苛み続ける原爆は非人道兵器の極みであり、『絶対悪』です。原爆の地獄を知る被爆者は、その『絶対悪』に挑んできています」という一節である。
平和宣言で、核兵器を絶対悪と言い切ったのは今回が初めてであろう。
絶対悪の核兵器が、いつまでもこの人類世界に存在することを赦してはならない。
核廃絶への早急な行動を促す強い意思表示であったと受け止めることができた。
■被爆国としての原点に返れ
一瞬にして多くの死傷者を出して地獄の世界と化した広島・長崎の人々はもちろん、原爆の残酷性を経験した日本は、二度と再び核兵器が使われることのない恒久平和の世界を目ざして立ち上がった。
この世から非人道的核兵器を無くしていかなければならないと誓ったあの被爆と敗戦時の原点を忘れてはならない。
長崎平和宣言では、「忘れてはならない過去の誓いを、立ち返るべき原点を、折にふれ確かめなければなりません。日本政府に、被爆国としての原点に返ることを求めます」と訴えている。
更に日本政府に、その原点に返るために、先ず非核三原則の法制化に取り組み、北京アジア非核兵器地帯の検討を呼びかけ核廃絶へのリーダーシップを行動に移すことを求めている。
そして核兵器のない世界の実現のためには、国のリーダー達にまかせるだけではなくて、市民社会の私達一人ひとりが、日本国憲法の平和希求の原点に返って、それぞれの立場で努力していくことを勧めている。
広島にも長崎にも平和祈念式典に出席した安倍首相はその挨拶の中で、「我々には、確実に『核兵器のない世界』を実現していく責務があります。その非道を、後の世に、また世界に伝え続ける務めがあります」と述べている。この責務をぜひ実行に移してほしい。
■立正安国・お題目結縁運動
被爆68年の広島・長崎の平和宣言は、泰平の世に慣れて、世界恒久平和のことを忘れかけている日本人への警鐘のように思えてならない。
大量殺りくの絶対悪の核兵器の存在を赦していて、世界が平和である筈がない。
あの敗戦時に核廃絶と不戦を誓った原点に、改めて返れと天の声のように聞こえてくるのは私だけではあるまい。
時あたかも千年猛暑という暑さの夏であった。
日蓮聖人は、『法蓮鈔』の中で、「夫れ天地は国の明鏡なり」と言われている。
千年猛暑と言われるこの天地は、私達に何を伝えようとしているのか。
立正安国・お題目結縁運動を更に盛り上げよとの天地の諭しのように思えてならない。
(論説委員・功刀貞如)

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