2013年6月20日
ないと困るが、降り続いても
ないと困るが、降り続いても心配なのが雨。崖崩れなどの大災害とはならないまでも、身の回りにもたらす雨や湿気の害は見過ごすわけにはいかない。特に梅雨のこの時期、作物にとって大切な雨だとわかってはいるが、ジメジメムシムシの中、作物ばかりかカビや食中毒の菌までが繁殖しては、やっかいきわまりない▼大切な法衣も黒いカビにやられそうになったが、風を通し陽に当てて何とか事なきを得た▼虫干しまたは土用干しともいい、夏の土用の頃に衣類を乾す習慣があるが、からりとした晴れ間に、湿気った衣服を乾すだけで気持ちよく日々を送れるとは、先人の知恵はさすがだと思う▼風に当たり、陽光を浴びることにより爽やかになる。これは衣服ばかりではなく、私たち自身にも言えることではないだろうか。いつも同じところで同じように時を重ねるだけでは、心を外気に触れさせることもなくなってしまう。淀んだ空気の中で心の動きも停滞し、まるでカビが生えたかのように、心のハリが失われかねない。心に風を通し陽に当てることも時に必要なのではないだろうか▼「妙とは蘇生の義なり」と宗祖のお言葉にあるが、法華経お題目の風に当たり、教えの光に心の隅々まで照らされることによって、湿った心が再生するというのだ。菩提寺の行事や信行会などで、外の空気と陽光をたっぷり取り入れてはいかが。(直)