ひとくち説法
2013年5月20日号
いのちと信仰の相続
「おじいちゃん、お家のお墓には、大きいのや小さい石(石塔)が沢山あるのはどうしてなの」
「昔は、お父さんやお母さんのために、子供がそれぞれ石を建てたんだよ。大きい石を建てたご先祖さまと小さい石しか建てられなかったご先祖さまでは、どちらが偉いと僕は思う?」
「それは大きい石を建ててあげたご先祖さまの方が偉いに決まっているでしょう」
「そうだね、誰でも大きな石を建ててご供養してあげたい気持ちは同じだね。でも小さい石しか建てられなかったご先祖さまは辛かっただろうね。しかし、そのご先祖さまが一所懸命がんばって生きたから、いのちが繋がって、お爺ちゃんがいて、お父さんがいて、僕がいるんだよ」
「なるほど、小さい石しか建てられなかったご先祖さまが頑張ったからお家があるんだね」
「ご先祖さまを大事にしお家の教えを守り、南無妙法蓮華経とご挨拶することが大事なんだよ」
埼玉県布教師会長 廿樂 勝純
2013年5月10日号
広いようで狭い世間
娘の仕事の関係でサンフランシスコで、シリコンバレーや3回WBC準決勝を観戦しました。
日本に帰る前、夫婦でコイト塔を見学した時、一人旅の日本の青年と会いました。「どこから来たの」と聞くと「横浜の日大の学生」と答えました。親戚寺の孫もその学校に行っているので、名前を言うと、友達だというのです。驚きました。
寺を出た孫で、困ったとき以外は連絡もありません。昨年、一浪して合格したが、明日中に、入学金を払わないと無効になるとの相談で、入学手続きをしたので知っていました。27回忌も近い伯父達の引き合わせかと。その後、日本に帰ってきた友達から電話があり、電話口に出た孫の「頑張ります」との声は泣いているようでした。
世間は広いようで狭いものです。人と人とはどこかで仏縁につながれています。不思議な縁、仏縁はいつか、どこかで花が開きます。良い種、良い縁を植えましょう。
千葉県北部布教師会長 加藤 雅章
2013年5月1日号
世界が法華経の教えを待っている!
きわめて毒性の強い大量の放射性廃棄物を出す原子力発電を続けることは生命維持装置である地球(母なる大地)を殺す所業と言っていいでしょう。
福島原発事故は「母なる大地」からの警告だと受けとめるべきでしょう。
チャップリンは映画「独裁者」の中で「我々は考えすぎて感じることが余りにも少ない。我々が必要としているのは機械よりも人間の愛であり、利口さよりも優しさと思いやりである」と言っています。
すべての分野にわたって感性と知性のバランスのとれた“人づくり、社会づくり”が必要とされています。
それぞれの存在とその違いを認め、調和することを基本とする法華経の教えを世界が必要としています。歴史の流れは平等と統一にゆるやかに向かっていると信じます。
千葉県南部布教師会長 野坂 法行