日蓮宗新聞
2013年4月10日号
大覚大僧正650遠忌
東日本大震災犠牲者を悼む
京都市妙顯寺・妙覺寺・立本寺で法要営む
延文3年(1358)、帝都・京の大旱ばつの際、妙実上人祈雨の功により、朝廷から妙実上人に大僧正の位を、日朗・日像両上人に菩薩号、日蓮聖人に大菩薩号を賜った。師の日像上人が播いた帝都弘通という祖願を結実させ、さらに教線を西国にまで伸ばし宗門史に偉大な足跡を残した大覚大僧正妙実上人。その報恩と遺徳を偲ぶ六五〇遠忌法要が京都市の大本山・本山で営まれた。
大本山妙顯寺(和田日佑貫首)では六五〇遠忌慶讃とその報恩事業の大本堂屋根平成大改修落慶の伎楽大法要を4月3日に営んだ。この法要には三笠宮彬子女王殿下がご臨席されたほか、渡邊照敏宗務総長や由縁の僧侶、本堂に入りきれないほどの大勢の檀信徒が参列した。
法要の始めと終わりに二座の伎楽演舞が天理大学雅楽部伎楽隊によって行われた。この日のための創作「龍華 大覚大僧正 祈雨請願 降雨の奇跡」と「請祈 四海泰平 佛法興隆(獅子奮迅)」で、大覚大僧正役は奈良朝時代の法衣をまとった藤井照源師(京都府第一部宗務所長)が務めた。また式中には妙顯寺と縁の深い表千家の千宗員若宗匠による献茶の儀が厳かに行われた。和田貫首は最後に挨拶で、改めて大覚大僧正の功績に触れるとともに、改修事業にあたって多くの浄財を寄せた檀信徒・寺院に感謝の意を述べた。
前日の4月2日は本山妙覺寺(及川日周貫首)で大覚大僧正第六五〇遠忌報恩一部経読誦会法要が、及川貫首を導師に約100人の僧侶檀信徒が参列し営まれた。午前10時から約6時間かけて一部経八巻を読誦して、報恩の誠を捧げた。
7日には本山立本寺(上田日瑞貫首)で、遠忌と遷地300年法要が営まれた。
2013年4月1日号
震災三回忌法要 身延山 久遠寺
山梨県総本山身延山久遠寺(内野日総法主)は3月11日、東日本大震災犠牲者第三回忌慰霊法要を仮仏殿で営み、全国から大勢の僧侶檀信徒らが参列した。
堂内は供養の思いを込めたたくさんの塔婆で囲まれた。大導師を務められた内野法主猊下はじめ参列者は、犠牲者の無念さを思いながら追悼の読経と唱題を行った。また内野法主猊下が回向を捧げられ、被災地の早期復興を祈念された。
地震発生時刻の午後2時46分を迎えると、鐘楼の鐘が3度撞かれ、参列者は被災地の方角を向き、合掌・黙祷した。鐘を撞いた身延山大学在学で同寺で修行する在院生の宮本龍司さんは「身延山久遠寺には被災されたたくさんの方たちが、参拝に訪れています。その方たちの顔を思い浮かべ、被災地の町の復興のみならず、被災者の心の復興も願いながら撞かせていただきました」と語った。
法要には福島から山梨へ避難している人たちも招待され、「いつ戻れるのかまったくわからない状態なので、不安は大きいです。ですが、初めての身延山で温かく迎えてくれた皆さまと手を合わせ、祈ることができました。このご縁を大切にしたい」と語った。
植樹式
東京都大田区馬込に完成した立正大学付属立正中学校・高等学校(中原健次校長)で3月5日、内野日総総本山身延山久遠寺法主猊下による「しだれ桜植樹式」が営まれ、僧侶や関係者ら14人が参加した。
この桜は、身延山久遠寺境内にある樹齢四百年と伝わるしだれ桜の種子から育てられたもの。式では古河良●立正大学学園理事長が謝辞を述べ「この桜が毎年花開き、キャンパスを美しく彩ることを楽しみにしています」と挨拶。続いて内野法主猊下が植樹され「誠におめでとうございます。末長く、桜を可愛がってください」と話された。
式を終えた一行は、屋上へ案内され新校舎からの眺めを堪能した。発育途上にある生徒がのびのびと学習できるような環境の整備として建設された馬込キャンパスからは、北側に東京タワー、南側に同区大本山池上本門寺五重塔を望むことができる。内野法主猊下らは、広大な土地と生徒重視に設計された施設を視察した。最後に多目的ホールとして使用される「行学ホール」へと場所を移し、お題目を三唱した。充実した教育が期待できる真新しい校舎に、みな終始笑顔で完成を喜んだ。
今回植樹された桜は二本。新校舎で学ぶ生徒たちの成長を見守る。