2013年4月29日
第19回「いのりの日」
【千葉西】宗務所(土井了真所長)では、四月二十九日に第十九回「いのりの日」を開催し、僧侶、寺庭婦人、檀信徒、三百四十人が参加した。
早朝、各地区をバス九台で出発した一行は、まず日蓮聖人が出家得道し、立教開宗の霊場である千葉県鴨川市・大本山清澄寺(二宮日敬別当)へ向かった。
車中では、日蓮大聖人ビデオ浪曲御傳記の「清澄山の黎明」を上映。日蓮聖人への思いを深めた参加者は、涕涙石二キロ手前よりバスから下車し、団扇太鼓に先導され、旭が森までを唱題行進した。
旭が森では、日蓮聖人像を拝し、香を手向け、参加者はそれぞれ報恩感謝の思いを巡らせた。
宗務所を代表して土井所長が、「今から三百年の昔(江戸中期)茂原市實相寺(畠山慈浄住職)第十六世日満上人は、清澄寺境内にお題目の宝塔一基を建立されました。この宝塔には、建立に至る経緯を『止宿七年 所願満足』とあり、天津日澄寺の檀家総代四宮家に七年の間宿泊し、清澄寺に登詣しお願いし続けて念願成就したと刻まれております。お題目の法鼓が一歩も境内に入ることが許されなかった時のことです。幸いにして私達は、本年も声高らかにお題目をお唱えすることができます。新たにお祖師様へ報恩感謝の誠を捧げましょう」と挨拶した。
参加者は、千葉県西部宗務所謹製のお題目写経を行い、昼食後には、小松原法難で知られる霊跡本山鏡忍寺(原日透貫首)へ向かった。
鏡忍寺では、原貫首を導師に法味言上の後、椎津開宗師(茂原市大楽寺代務住職)が聴衆より一段高く設けた席で行う高座説教を披露し、操り弁では、『小松原法難の段』を演じ、「小松原法難から七百五十年が経った今、お題目でつながっている私達。信仰とは、人が人らしく当たり前のことに気がつく営みです。私達も共にお釈迦様、日蓮聖人の教えに人の振る舞いの原点を学ぶ時です。心と心の掛け橋をしっかりかけていきましょう」と語った。
参加者からは、「日蓮聖人が、腕をおられ眉間に傷を負い、さらには、鏡忍房(鏡忍房日曉上人)と工藤吉隆(妙隆院日玉上人)が殉教した情景が目に浮かびます。もっと多くの人に聞いてもらいたいです」といった声が聞かれた。