2013年4月28日
第46日蓮宗三重県宗務所立正平和祈願会
【三重】去る四月二十八日、三重県四日市市三重北勢地域地場産業振興センター(『じばさん三重』)において『第四十六日蓮宗三重県宗務所立正平和祈願会』が開催された。
毎年、三重県宗務所が主催し県内各寺院を会場に法話や講座、唱題行を檀信徒と共におこなうこの大祈願会。県内外から約二百名が参加し、唱題行などの仏道修行に打ち込まれた。
午前十時三十分より、宗務担当事務長 浅井教幸上人(三重県松阪市法久寺住職)と三重県宗務所長 田中正法上人(三重県伊賀市上行寺住職)による挨拶で開会。
第一講義は、三重県社教会会長 加藤英明上人(三重県桑名市圓妙寺住職)による講話がおこなわれた。加藤上人は『認知症』事を主題に、認知症サポーター養成講座、現在二一〇万人から増加の一途をたどる認知症患者の現状を解説。多くのデータや例を話され、「家族が認知症になってしまっても恥と感じて内に籠もるのではなく、表に出て認知症という病気と向き合う姿勢でいることが大切です」と話された。
第二講義は、布教師会会長 冨田啓暢上人(熊野市本乗寺住職)による『合掌』と題しての法話がおこなわれた。
冨田上人はまず参加者に対して今週一週間を振り返ってもらい、どのような時に合掌をしたのか質問された。仏壇の前で、ご飯を食べるとき、願掛けをするとき…、様々な場面で合掌をする機会はあるが、お題目の世界の合掌ばかりではない。ここで冨田上人は御遺文『崇峻天皇御書』の一節「一代の肝心は法華経、法華経の修行の肝心は不軽品にて候なり、不軽菩薩の人を敬いしは、いかなる事ぞ、教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ」を読まれ、『ただするだけ』の合掌ではなく、具体的な日々の実践こそが大切なのですと話さた。
第三講は日蓮宗三重県青年会による唱題行がおこなわれた。唱題行の導師をつとめたのは青年会会長の鷲阪仁昭上人(三重県名張市良薬堂結社担任)。この唱題行が、会長任期中における最後の行事となる。
午前の最終講は三重県伝道センター、西片元證上人(三重県四日市市安楽寺住職)が、現在伝道センターで行われている伝道活動と教箋について解説。本年も「法華百葉」シリーズの新作をテキストにし、西片上人は法華経についての解説をされた。
午後からは三重県宗務所長 田中正法上人導師のもと、平和祈願法要がおこなわれた。県内僧侶による回向、ならびに修法師による国内・世界平和祈願のための修法がなされ、檀信徒の読経の声と、木剣の張りつめた音が『じばさん三重』の会場内に響き渡っていた。