日蓮宗新聞

2013年3月10日号

大本山北山本門寺で「富士」の写真展

「心の支え、信仰育てる山々」

富士山の山号を冠する同市大本山北山本門寺(旭日重貫首)で、2月21日から25日まで「富士」と名の付く全国の山の写真展が開催された。全国23道県から28の山々の写真が展示され、子ども連れなど多くの参詣者が訪れた。
昨年の初開催に続き2回目となった同展覧会は、6月に決定される富士山の世界遺産登録への一助とするために開かれた。また同展覧会のテーマ、「富士」の名が付く山は全国に約200あると言われている。展示されたのは地元の人たちが心の拠り所となるような存在感のある「富士山」の写真ばかりだ。
 訪れた地元の参拝者は「全国各地の“富士”はまた違った良さがあり、山頂に雪が積もっている写真はそっくり」と笑顔を浮かべた。別の参拝者は「全国にこれだけの“富士”と名の付く山があるのは、富士山が見たくても見られない方たちの憧れがあったからでしょう。やはり雄大にそびえる富士山は日本の象徴であり、見ているだけで心の支えになる」と語った。静岡県と山梨県では平成20年から「富士山」というご当地ナンバープレートを発行するほど、地元の人たちの登録への期待は大きい。確かに同市から眺める富士山は、見上げてしまうほどの大迫力で雄大だ。旭貫首が「山は信仰心を育てる」と述べていたが、その言葉の意味がとてもよく分かる。参拝に訪れた際は、ぜひ間近に迫る富士山をゆっくり眺めてほしい。

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2013年3月1日号

日蓮宗加行所成満会 129師、苦修錬行の壱百日

秘法を相承し、人びとに福徳力を授けるため、昨年11月1日から百日間の苦修錬行が続けられてきた平成21年度日蓮宗加行所が成満を迎え、2月10日、千葉県市川市の大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)で成満会が営まれた。色とりどりの成満旗が立ち並ぶ中、全国各地からのたくさんの寺族・檀信徒が129師の加行僧を出迎えた。
日の出前の午前6時、加行所の「瑞門」が開いた。厳しい修行に耐え抜いた精悍な顔と、ひび割れた痛々しい足をした加行僧が続々と門をくぐると、待ちわびた出迎えの人びとが加行僧の名前を呼び、涙ぐむ姿も。
午前8時、加行所伝主である新井貫首を導師に成満会が祖師堂で営まれ、全加行僧の壮絶な百日間の証ともいえるしわがれた大音声のお経が堂内にとどろいた。
法要中、新井伝主から成満の許証、佐野前暁伝師から各行代表へ感賞状を授与。また渡邊照敏日蓮宗宗務総長から日蓮宗修法師の任命や、2月28日から3月2日まで行われる沖縄修法布教団の辞令交付などが行われた。
渡邊宗務総長は挨拶で「本年は宗門運動である『立正安国・お題目結縁運動』が1期4年目に入り、全国に流布してきたお題目の種が芽を出す、大変重要な年であります。この年にあってこそ、行僧各上人には本宗独自の布教手段である修法により、檀信徒のみならず未信徒の方たちへの教化活動の原動力となるものと、信じて疑いありません」と期待を込め、祖願達成に取り組んでいくことを要請。
新井伝主は『上求菩提 下化衆生(上を向いては悟りを求め、下を向いては衆生の救済に精進する)』の言葉を加行僧に贈った。
 また佐野伝師は第一線での活躍を加行僧に求め、「よくやった。こんなにうれしいことはない。入行の時に預かった社会的地位と名誉をお返しする」と感極まりながら成満を称えた。
最後に全堂代表の佐々木信教師(北海道誠諦寺住職)が謝辞で「恩に報いるため、全世界の平和と社会に寄与いたします」と誓い、成満会は締めくくられた。
初行で入行した田中潮順師(福岡県妙正寺修徒)を迎えようと、前日に久留米市を出発した同寺檀信徒の一人は「私たちのために〝頑張って参ります〟と言ってくれたお上人の姿を見て、涙が出るほど感激しました」と合掌せずにはいられなかったという。
何かを確かめるように、修行場である常修殿から最後に一人で出てきた佐々木全堂代表。佐々木師は「何よりも人に恵まれました。身心ともに負けないように、健康管理や精神的なものに神経を注いだことで、全員で修行に打ち込み、全員で成満できた。本当にいい修行だった」と加行所を振り返った。

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新年度、宗門内行事は盛りだくさん

小松原法難七五〇年宗門法要・日向上人第七〇〇遠忌 ほか

 

◇小松原法難七五〇年
4月からの新年度には宗門各所で、さまざまな行事がある。千葉県鴨川市本山鏡忍寺(原日透貫首)では日蓮聖人が遭われた大きなご法難の一つ、小松原法難七五〇年のご正当を迎え、11月11日に内野日総管長猊下(総本山身延山久遠寺法主)を大導師に宗門法要が営まれる。
小松原法難(文永元年=1264)は、日蓮聖人が安房国長狭郡東条郷(現千葉県鴨川市)で地頭の東条景信に襲われたご法難。しかし日蓮聖人はこのご法難によって、「法華経の信仰のために迫害を受けるのは、勧持品に説かれる“我不愛身命 但惜無上道”(命を惜しむことなく、法華経を弘めること)を実践しているからである」とますます法華経の行者の自覚を強められたことから、宗教的意義が強いご法難として後世に語り継がれている。また「自覚」をテーマに掲げる小松原法難七五〇年奉行会の原貫首は、ご法難で殉教した日蓮聖人の弟子・鏡忍房と檀越・工藤吉隆公を末代信徒の鑑として、自らを地涌の菩薩として自覚することが肝要と述べている。

◇大覚大僧正第六五〇遠忌
大覚大僧正妙実上人の第六五〇遠忌法要が、京都市本山妙覺寺(及川日周貫首、4月2日)や大本山妙顯寺(和田日佑貫首、4月3日)、本山立本寺(上田日瑞貫首、4月7日)で執り行われる。大覚大僧正ははじめ真言宗の僧侶であったが、宗門で初めて帝都弘通を果たした日像上人の説法に心打たれ、法華経に帰依した。熱心な布教によって「備前法華と安芸門徒」の言葉で有名な備前法華の礎を築き、祈雨の効験で朝廷から日蓮聖人に「大菩薩」号、日朗上人と日像上人に「菩薩」号、大覚妙実上人に「大僧正」号が与えられた。

◇日什上人生誕七〇〇年慶讃
NHK大河ドラマ「八重の桜」の舞台である福島県会津若松市にある本山妙國寺(伊藤日耀貫首)で日什上人の生誕七〇〇年慶讃法要が4月19日に営まれる。日什上人は天台宗の僧侶として出家。後に日蓮聖人ご遺文に感銘を受け改宗し、下総、相模、遠江、京都とお題目を弘通した。

◇悲母観音像の開眼法要
5月11日には岩手県陸前高田市妙恩寺(風間文静代務住職)で、内野法主猊下を導師に迎え身延山大学学園制作の悲母観世音菩薩像の開眼法要が営まれる。未だ手を合わせて犠牲者を供養する施設などがない被災地。同像の建立は多くの人の期待が寄せられている。

◇佐渡銅像が十周年
佐渡島で金色に輝く日蓮聖人銅像の建立から今年で10年となる。これを記念して5月12日に佐渡銅像十周年記念法要が営まれる。

◇日高上人の七百遠忌
5月17日には大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)で同寺第二祖、日高上人の第七〇〇遠忌法要が営まれる。日高上人は日蓮聖人が身延に隠棲されていたときに、給仕していた僧侶。また国宝の『立正安国論』が同寺に恪護された時の貫首。

◇日向上人の七百遠忌
9月1、3日には日向上人第七〇〇遠忌法恩大法要が身延山久遠寺で営まれる。六老僧の一人日向上人は、日蓮聖人ご入滅後、同寺の第二祖として寺門興隆、僧侶檀信徒の教化に努めた。10月3日には千葉県茂原市本山藻原寺(持田日勇貫首)でも遠忌法要が営まれる。

◇オラトリオ日蓮聖人再演
日向上人の遠忌を記念して藻原寺は、黛俊郎氏作曲の「オラトリオ(宗教的音楽劇)『日蓮聖人』」を10月6日に茂原市市民会館で、10月19日に東京都墨田区すみだトリフォニーホールで演奏する。日蓮聖人第七〇〇遠忌以来の再演に向け、現在合唱を含め、練習中である。

◇初いのりんぴっく in 四国
「環境、平和、いのち」をテーマに開催されている「いのりんぴっく」が11月30日、四国に初上陸する。香川県高松市さんぽーと高松で開かれるいのりんぴっくは、俳優の美輪明宏さんの講演や、書道家の矢部澄翔さんの書道パフォーマンスなどが予定されている。

◇中央檀信徒研修道場
日蓮宗中央檀信徒研修道場は5月24日から26日まで山梨県身延山信徒研修道場で、8月31日、9月1日には神奈川県藤沢市本山龍口寺(本間日恩貫首)で開催される。

その他全国各地で遠忌法要などが営まれる。

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新年のご挨拶。

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