2013年2月1日
世界的に携帯電話の普及が
世界的に携帯電話の普及が進んでいる。会話だけでなく情報入手も手軽になって、革命や民主化のきっかけになることもある。一方で犯罪に利用されるというデメリットも併せ持つ▼日本で電話機が一般家庭でも使われるようになったのは昭和30年代である。裕福な家が、電話線架設の費用を負担していた。電話機のない人はそのお宅まで行って借りるのだ。電話がかかって来たときにはわざわざ呼びに来てくれた。電話が済んだ後で井戸端会議になることもある。町内が一つの家族のような時代だった▼あれから五十余年。電話機は個人がポケットに入れて携帯するものになった。科学技術の進歩を有難いと思う反面、恐ろしささえ感じる。壁掛け式電話機の発電機を自分で回してカーボンマイクに向かって声を張り上げていた時代からダイアル式黒電話に。そしてプッシュホンへと少しずつ進歩してきたがそれは経済の発展とリンクしていたし、使う側の知識もそれなりに進歩していた▼機械の仕組みは知らなくても良いのだろうが、功罪について考える時間もないまま振り回されているのはどうか。気がつけば、すぐ横にいる友人や家族、時には乳飲み子までを無視して携帯の画面に熱中する社会になっていた。電車の座席に一列になって座る乗客が全員、携帯電話をいじっている風景は異様だ。目と目を合わせる会話のない生活が良い社会をつくるはずはない。(寮)