2013年1月10日
調子の悪い父を連れて病院へ
調子の悪い父を連れて病院へ。診察室に入ると「どうされました?」と先生。私が症状を話し出すと、パソコン画面のカルテにひたすら打ち込んでいく。こちらを見る暇などない様子。レントゲンなどの検査結果もデータで送られ、先生は終始パソコンの画面とにらめっこだ。程なくすると「はい、お薬だしておきますね」なんと、患者に指一本触れることなく診察は終了▼驚くべきことにこういう医師が増えているという。検査技術が発達し、患者に触れることなく診断ができる時代になったとはいえ、一抹の寂しさが残る。これではロボットに診察してもらっているのと同じだ。患者としては、先生が体に触れ、目を見て話を聞いてくれるだけで気持ちが軽くなる。気持ちが軽くなれば回復も早い▼科学の進歩で心がどこかに取り残されてしまった現代。お寺も人々の心に寄り添うことができているか反省しなければならない。上手にお経が読めればいいならCDを流せばいいし、綺麗なお塔婆なら機械にだって書ける。良い悪いではなく、そこにどれだけ気持ちを込められるか。そこに心がなくなってしまってはお寺の機能は無になる▼娘がシモヤケを作って帰ってきた。薬を塗ってみたが、まだ痛いと泣いている。そこで奥の手。赤くなった手をさすり、「痛いの痛いのとんでけ~」するとさっきの痛みはどこへやら。人のぬくもり、心のぬくもりは一番の特効薬だ。(蛙)