日蓮宗新聞
2012年12月10日号
3年に1度の仏教讃歌発表大会 11組が歌声捧げる
日蓮宗宗務院主催の全国仏教讃歌発表大会が11月26日、東京・品川区の立正大学石橋湛山記念講堂で開催され、11組の団体が仏さまや宗祖の徳を讃える仏教讃歌を奉唱した。
3年毎に開かれている同大会。今回が初舞台のため緊張の面持ちで立つ出場者の姿や美声で会場を魅了するパフォーマンスなどバラエティーに富んだ内容で、各団体は日頃の練習の成果を発揮した。
初出場の蓮昌寺女子会コーラス部(新潟県=鈴木是妙住職)は、結成して約1年半。尼僧の鈴木師は「女性が集まるお寺を」という思いからコーラス部を住職就任後に立ち上げた。
鈴木師は「女性はフットワークが軽く、ネットワークも強い。周りをぐいぐい引っ張ってくれるので、お寺が活性化する」と話す。また“お寺の役員は男性”というイメージが強いが、部の創設以来、女性の力も加わり、お寺が活気に満ちた“集いの場”になったと語り、さらに部員からの「とにかくお寺に行くことが楽しい」という感想や、多くの檀信徒から「お寺が明るくなっていいね!」との声がよせられているという。来年、同寺は開創700年を迎える。その慶讃法要では、仏教讃歌を取り入れた音楽法要を予定しており、練習に余念がない。
仏教讃歌や和讃など、女性主体の活動は明るさがあり、年齢の幅も広い。男性の活躍に、勝るも劣らない女性のパワーが今後の寺院活性化には必要不可欠となりそうだ。
内野日総法主猊下御親教 福岡2ヵ寺で1200人参列
総本山身延山久遠寺内野日総法主猊下による九州御親教法要が11月15日福岡県うきは市本佛寺(佐野前延住職)で、16日に福岡市日蓮聖人銅像護持教会(佐野前暁主管)で厳修された。本佛寺には同寺の檀信徒を中心に約500人が参列、日蓮聖人銅像護持教会には九州教区各地から約700人の檀信徒が集まった。
鎮西身延山本佛寺御親教法要が11月15日、福岡県うきは市本佛寺(佐野前延住職)で営まれた。
法要に先立ち、総本山身延山久遠寺(内野日総法主)の僧道実修生らを中心にした約30人がうきは市内約3キロを唱題行脚し、お題目の声を筑後路に轟かせた。また法要前には吉村明悦師(久遠寺布教部長)が本堂に集まった檀信徒に御前講を行った。吉村師は、この日の参列者のために内野法主猊下が色紙に揮毫された「共生共栄」に込めた思いを話した。
法要には式衆として行脚隊の30人が出仕、総本山の朝勤を思わせる荘厳なものとなった。最後に佐野住職が挨拶に立ち、「この法要は総本山を仰ぎながら、檀信徒やそのご先祖さまと一体となり、努力精進した証。今日が本佛寺の新しい歴史の1ページとなった」と話し、檀信徒とともに喜びを分かち合った。
翌16日には福岡市日蓮聖人銅像護持教会(佐野前暁主管)で御親教法要が営まれた。法要に先立ち、布教隊30人が銅像前で唱題しながら内野法主猊下を迎えた。到着後内野猊下は銅像前で恭しく拝礼された。
法要は九州各地から集まった檀信徒で埋め尽くされた本堂で行われた。御経頂戴の後に挨拶に立たれた内野猊下は参列者一人ひとりのお題目を唱える姿に敬意を抱いたと話され、「法華経の行者として一層の精進に期待します」と結ばれた。また最後に挨拶に立った佐野主管は参列者らに謝辞を述べ、堂内の全員と共に起立し「日蓮聖人万歳」の三唱で締めくくった。
佐賀県から参列したという70代の女性檀信徒は「遠く九州まで法主さまがおいでくださったのはありがたいこと。今度は自分たちが身延山に参拝にいかなくては」と身延山総登詣に思いを馳せていた。
2012年12月1日号
池上本門寺で先師追悼法要 諸先師の増円妙道祈る
お題目弘通に尽力し遷化された僧侶に供養を捧げる先師追悼法要が、11月21日に東京都大田区池上本門寺(酒井日慈貫首)で営まれた。遺族や関係者約170人が参列する中、内野日総日蓮宗管長猊下(総本山身延山久遠寺法主)を導師に、昨年の10月1日から今年の9月30日までの1年間に宗務院へ遷化の届出があった123師の増円妙道を祈念した。
式中、渡邊照敏宗務総長が日蓮聖人ご遺文『報恩抄』の一節から「咲いた花は根にかえり、果実の真実の味が土にとどまるように、法華経に身命を捧げてきたその功徳は遷化上人の御身に集まるであろうと述べた。