2012年7月10日号
東日本大震災復興祈念・慰霊法要 心ひとつに
【岡山】東日本大震災の被災地へ思いを込めて、檀信徒・僧侶・寺庭婦人が「心ひとつ」になって復興を願い、犠牲者の菩提を弔う法要が6月12日、岡山市民会館)で営まれた(岡山県修法師会主催・宗務所後援)。
大震災の影響によるさまざまな爪痕や混乱を、全ての人々が「心ひとつ」になって乗り越えるべくお題目を唱え読経し、信仰を基に参加者それぞれが、さらにできることを考えさせられる大会となった。
修法師会(石川正之会長)は6月12日、岡山市民会館で東日本大震災復興祈念・慰霊法要『心ひとつ』を開催し、僧侶檀信徒約1300人が参加した。
まず大野玄秀宗務所長の挨拶で開会し、引き続き立川流真打ち立川志遊師匠による日蓮劇と落語の一席。日蓮聖人の伊豆法難の一場面「由比ヶ浜」を臨場感たっぷりに、そして被災地でもある仙台が舞台の噺「ねずみ」を演じ、会場の聴衆を軽妙な口調で引き込んだ。
休憩を挟んでコーラスと和讃の奉納。岡山県寺庭婦人会コーラス部によって、宮沢賢治「雨ニモマケズ」の詩とお題目が見事なハーモニーで歌い上げられ、続いて島根・山口からの参加者を含む約200人によって、東日本大震災追善和讃が厳粛な太鼓とともに会場を包み込んだ。
続いて被災地・岩手からの講師・西山文生師(遠野市智恩寺内)による講演が行われ、マスメディアからは伝わらない現地の様子、今後の復興への展望などが語られ、涙ながらに黙々と聞き入る参加者も見受けられた。
講演終了後、被災地を襲った津波等の映像が映し出される中、参加者全員による唱題が行われ、講演の西山師を含む管内の修法師・僧侶が出仕した東日本大震災復興祈念・慰霊法要が、大野所長導師のもと厳粛に執り行われた。ご宝前には、管内に配布し書写された水溶性のお題目写経用紙、約2万枚が納められ、石川会長修法導師のもと開眼修法が行われた。
当日会場のロビーでは社会教化事業協会(鎌倉文位会長)・立正青年会(平野泰淳会長)がそれぞれに行った被災地での慰霊法要や傾聴・復旧ボランティアの様子を写真パネル等で展示。また、復興支援Tシャツの販売や、支援金の呼びかけも行われた。なお、売上と支援金は後日、お題目写経と共に被災地に届けられる。