日蓮宗新聞

2012年3月20日号

第104定期宗会開く 東日本大震災復興支援へ

日蓮宗の宗制や予算など宗務に関することを決議する第104定期宗会が3月6日から9日まで東京都大田区の日蓮宗宗務院で宗会議員参集のもと開催された。今宗会では「あんのん基金」の規程制定や災害救援基金積立金の増額(期限付)、災害対策本部内に「災害対策会議」を常設する規程改正などが慎重に審議された。また最終日には「東日本大震災復興支援に関する声明文」が宗会議員一同の署名で発表された。
「国際協力基金」を前身とする「あんのん基金」は、国内外の「環境・平和・いのち」に関する社会活動や震災復興などに取り組む一般のNGOやNPO、市民団体などへの幅広い支援を視野に入れた基金。宗門関係者以外にも基金の拠出を明示するために支援内容と金額が宗門のホームページ上に掲載されているが、さらなる基金の透明性をはかるための制定でもある。
川久保昌耕宗会議長と遠藤是秀宗会副議長の辞任に伴い、開会に先立ち議長・副議長の選挙が行われ、新議長に駒野教源議員、新副議長に藤原円俊議員が選出された。開会式では内野日総管長猊下が御臨場され、「生きとし生けるもの全てが“共に生き共に栄える”世へと導かれますことを切望いたします」と教旨を発せられ、駒野宗会議長が奉答文で「立正安国の礎」を築くことを言上した。
本会議に入り渡邊照敏宗務総長は施政方針挨拶で、宗門運動第二期育成活動の方針に触れ、「大震災による被災や経済活動の衰退、人口減少などによって激しく変動する社会に対しても、大きな意味を持つ活動であると確信しており、この方針を堅持し、宗門内外に広く浸透させることこそが、私どもの歩むべき道であります」と述べた。さらに日蓮聖人御降誕800年に向けての準備を検討するための部会を宗門運動本部企画推進会議に組織することや、ハワイ日蓮宗別院が今年で創立100年を迎えることなどを報告した。
その後、所管よりの議案説明があり、各所管委員会に議案が付託された。また宗会議員会派同心会の小林順光会長、明和会の張田珠潮会長の代表質問や出席議員よりの通告質問も行われた。
付託された議案は一部修正があったものの、全て可決。齊藤憲一伝道局長が代表で謝意を表し、「本年は東日本大震災復興元年として、身と心の救済が求められている。異体同心の祖訓を体し、祖願成就に向けて進んでいくべき」と挨拶を締めくくった。

「東日本大震災復興支援に関する声明文」
東日本大震災発生から一年を迎えるに当り、被災物故者諸霊位の冥福を祈り、次のように表明します。
一、 かけがえのない大切な家族や家を失い、苦難の只中にいる方々に寄り添い、今後も心のケアをはじめ、物心両面の支援を継続します。
二、 被災地の復興が、全国的な支援と協力の下に、安全かつ速やかに推進されることを願い、すべての人々にとって、安穏な社会が訪れるよう、立正安国の実現に向けて尽力します。
三、 福島第一原子力発電所事故の早期の収束を祈り、将来に向けて、原子力発電にたよらない持続可能なエネルギーによる社会の実現をめざします。
合掌
平成二十四年三月九日
日蓮宗第百四定期宗会 宗会議員一同

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2012年3月1日号

大本山中山法華経寺 日蓮宗加行所成満会

156師 寒壱百日間の苦修錬行

日蓮宗の布教伝道の一翼を担う相伝の秘法である修法を授かるために、11月1日から千葉県市川市の大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)に開設される日蓮宗加行所(太田順道伝師)。2月10日、寒壱百日間の苦修錬行を積んだ僧侶156師が晴れて成満を迎えた。この日を待ちわびていた寺族・檀信徒約5,000人が見守る中、平成23年度日蓮宗加行所成満会が祖師堂で営まれた。
日の出前の午前6時。太田伝師に続き、第5行の全堂代表・藤浩一師(愛知県浄蓮寺住職)が東日本大震災犠牲者と銘が記された白木の位牌を抱きかかえて結界修行の境界である瑞門をくぐった。今年度の加行所は人々へ福徳力を授けるための修行に加え、震災犠牲者の冥福を祈る修行ともなった。
 成満会では、凛とした立ち姿の加行僧が力強い読経と修法の木剣を堂内に響かせた後、渡邊照敏宗務総長と加行所伝主である新井貫首が挨拶。渡邊総長は「檀信徒のみならず未信徒への教化活動、更には日蓮聖人の誓願である一天四海皆帰妙法の原動力となることを期待します」と述べた。また太田伝師が加行僧を労い、「入行時に預かった社会的地位・名誉・自由をお返し致します」と宣言し、最後に藤師が「社会の第一線でこの恩に報い、人のために尽くすことを自分の悦びとする」と誓った。
再行を成満した吉村是修師(山梨県鏡圓坊住職)を出迎えた総代の佐野謹三さんは「住職は単身で修行をしたけれど、心は私たち檀信徒も一緒に修行をしていました。住職の代わりにお寺を守ることに苦労もしましたが、今ははればれとした気持ちです。まずはご苦労さまと声を掛けてあげたい」と笑顔で語った。

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「東日本大震災犠牲者一周忌慰霊法要」を厳修

追悼と早期復興を祈念

総本山身延山久遠寺(内野日総法主)仏殿で2月21日、「東日本大震災犠牲者一周忌慰霊法要」が厳修され約500人が参列した。大導師は内野法主猊下が務め、副導師は久遠寺の井上瑞雄総務と被災3県の宗務所長の阿部是秀師(岩手)、日野教恵師(宮城)、小林智英師(福島)が務め、震災犠牲者の冥福を祈った。
横内正明山梨県知事の追悼之詞に続き、井上総務が久遠寺を代表して挨拶。震災以後に取り組んだ被災地支援活動や内野法主猊下自らが被災地激励に回られたこと、作製中の悲母観世音菩薩像などについて報告。参列者に対する謝辞とともに被災地早期復興と原発事故収束工事の無事円成を祈った。
 この日は、法要に先立って法喜堂玄関に安置された荒彫りの悲母観世音菩薩像に鑿入れが行われた。午前9時に内野法主猊下、井上総務、各執事が鑿入れと記帳を行い、受付開始の後に来賓や一般参列者が続いた。鑿入れを行う者は、その一打一打に犠牲者への慰霊の思いと被災地早期復興の祈りを込めた。鑿入れの記帳簿は完成前に像の胎内に納められる。
この悲母観世音菩薩像は、東日本大震災で子を亡くした親や親を亡くした子の悲しみを癒そうと身延山大学(井上瑞雄理事長、浜島典彦学長)が建立計画を立て久遠寺が後援して製作中のもので、明年迎える東日本大震災三回忌法要正当に岩手県陸前高田市妙恩寺(風間文静代務住職)に建立開眼が予定されている。

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新年のご挨拶。

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