日蓮宗新聞

2011年11月20日号

特別展「鼠山感應寺 八年で消えた幻の大寺院」

池上本門寺霊宝殿で27日まで開催中

特別展「鼠山感應寺 八年で消えた幻の大寺院」が東京都大田区の大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)霊宝殿で開催されている。
「長耀山感應寺」は江戸幕府の11代将軍徳川家斉公の発願により天保5年(1834)、雑司ヶ谷鼠山(現豊島区目白周辺)の地に池上本門寺第48世日萬上人を開山として建立された。家斉公の子女や大奥女中らが盛んに参詣し、隆盛を極めたが、家斉公没後の天保の改革によって幕府から突然に“お取り潰し”の命が下され、廃寺となった。この間わずか8年であった。全ての建物は直ちに解体させられたが、一部の建物は池上本門寺や神奈川県本山妙本寺に移築された。現在は太平洋戦争で全て焼失してしまっているが、本堂内にあった宮殿が現在の妙本寺祖師堂の宮殿として、解体された木材は総本山身延山久遠寺の祖師堂の再建(明治14年)で使われるなど、建物の一部分は各地に散らばりながら、今も生き続けている。
同展で特に目を引くのが、神奈川県本山妙本寺の祖師堂下から発見された高さ2.1メートル、幅4メートルもある巨大な感應寺本堂の懸魚(屋根の切妻にある棟木や桁の木口を隠す装飾板)。この懸魚の大きさから当時の本堂がどれほどの規模(戦前の池上本門寺の大堂を凌ぐ)を誇ったかが容易に推測でき、さらに天保年間に書かれた『東都本化道場記』や雑司ヶ谷付近の地誌『櫨楓』から大伽藍が形成されていたことを伺い知ることができる。
霊宝殿学芸員の本間岳人氏は「感應寺について俗説はあるが、それについての正式な資料はない。分かっているのは、わずかな期間にできあがった大伽藍と廃寺後辿った建築材の数寄な運命。ぜひご来場を」と語っている。
“幻”の感應寺に初めて焦点を当てた初の展覧会では、古文書や建築資料などが一堂に公開され、短くも大寺院の歴史を物語っている。27日まで。
◇場所 大本山池上本門寺・霊宝殿(大田区池上1―1―1)
◇時間 10時~16時
◇期間 11月27日までの金・土・日・祝日
◇拝観料 300円
◇図録 2,000円
※問い合わせ、図録の購入は池上本門寺(電話03-3752-2331)まで。

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