2011年5月10日号
佐野市本山妙顕寺で第49世齊藤日軌貫首の晋山式
開創から720有余年の歴史を有する由緒寺院・栃木県佐野市本山妙顕寺で4月13日、第49世の齊藤日軌貫首の晋山式が営まれ、僧侶檀信徒約150人が参列した。
中老僧美濃阿闍梨天目上人が開山された同寺は北関東の名刹の一つ。天目上人の母は熱原法難で知られる熱原神四郎の娘。下野国(現在の栃木県)で布教していたとき、唐沢城主及び家老の若田部源五郎光盛が帰依し一宇を建立したことが同寺のはじまりとされている。
式に先立ち行われた入山行列では同寺の檀信徒のほかに、齊藤貫首の自坊であった北海道富良野市から駆けつけた本要寺の檀信徒とともに、ゆっくりと練り歩いた。
晋山式では法灯継承の証として歴代譜に判を加えた後、仏祖三宝へ奉告文が言上された。式典後、総本山身延山久遠寺総務、全国潮師法縁長でもある井上瑞雄師は、学識豊富で数多の教学論文を発表している功績を称え「伝統ある妙顕寺でもその手腕を発揮し、宗門の興隆に尽力してほしい」と語った。檀信徒からは総代で若田部家の子孫である若田部久吉氏の歓迎の言葉が寄せられた。
齊藤貫首は「この身に余る光栄を生涯忘れることなく、本山の復興、教学を研鑽し、宗祖の願業の一天四海皆帰妙法の実現に邁進していきたい」と決意を述べた。