2011年4月10日号
今、私たちができることを
「被災者の一助になれば」
日蓮宗宗務院は「いのりの日」にあたる3月28日、東京都大田区のJR蒲田駅前で東日本大震災の義援金募金活動を行い、渡邊照敏宗務総長をはじめ宗務役職員約30人、東京都南部日蓮宗青年会(田村完浩会長)の僧侶7人が参加した。「今、私たちができることを」と渡邊宗務総長が先頭となり募金を呼びかけ、通勤や家族連れの大勢の人より協力があった。
渡邊宗務総長は「早く被災地を訪れ、被災者のお力になりたいが、今は街頭に立ち少しでも被災者のための一助となれば」と語り、募金者に感謝の言葉をかけていた。
参加した青年会の僧侶は「一つひとつの善意が大きな力となって、一刻も早く被災者の心が安まり、被災地が復興に向かうことを祈っています」と述べた。
今回の街頭募金で集められた総額550,810円は日本赤十字社を通じて被災地に送られる。
総本山身延山久遠寺-全山あげて支援活動へ
総本山身延山久遠寺(内野日総法主)では東日本大震災の被災者への長期的な支援活動を行うため「東日本大震災支援本部」(本部長=井上瑞雄久遠寺総務)を3月31日に設置
。また身延山福祉会(理事長=井上総務)の特別養護老人ホームみのぶ荘等の各施設や、身延山の信徒研修道場など、県の要請に即座に対応できるよう被災者・避難者の受け入れ体制を整えるなど、全山をあげて支援活動を展開している。
その他、日本赤十字社に義援金を1,000万円寄付したほか、内野日総法主猊下の1,000万円はじめ山内関係者の義援金を合わせた1,300万円が宗務院に寄託された。
また朝勤では震災翌日から、被災地早期復興祈願や犠牲者追善菩提の回向を捧げ、震災の初七日となる17日には奥野本洋法務部長を導師に「東日本大震災犠牲者追悼法要」を営んだ。地震発生時刻の午後2時46分には時の鐘を合図に黙祷が捧げられた。
27日には義援金勧募唱題行脚を吉村明悦布教部長を隊長に行い、浄財約104万円を集め全額を山日YBS厚生文化事業団に寄託。さらに28日には仮設住宅に使用するための杭丸太など身延山内の檜間伐材約350本を南部町森林組合に提供した。
また4月4日に
は吉村布教部長ら4人が被災地に入り、被害が大きかった各管区宗務所を訪れた。義援金が手渡され、被災状況の確認とその後の支援などが話しあわれた。
身延山では募金箱を設置するなど参拝者にも支援活動の協力を呼びかけている。
日蓮宗で初七日忌の法要 宗教を超えて追悼
東日本大震災により亡くなられた方々を、宗教を超えて追悼し、被災地の復興を祈ろうと「祈りと追悼 被災者とともに~生を祈り、死を悼む~」が呼びかけられ、地震発生から7日目にあたる3月17日、宗教、宗派を問わず全国各地の寺院・神社・キリスト教会などで祈りと追悼が捧げられた。
日蓮宗では山梨・総本山身延山久遠寺(内野日総法主)、東京・大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)、本山瑞輪寺(井上日修貫首)などで初七日忌の法要が営まれた。
池上本門寺では午後2時半から法要を厳修。地震発生時刻の午後2時46分に合わせ梵鐘をならし、導師の酒井貫首をはじめ、池上山内寺院、東京南部管内寺院の僧侶や、この日同寺を訪れていた参詣者らが一体となって、犠牲となった方々を悼み、被災された方々の心の安寧を祈った。
また、毎週木曜日午後2時半から、大堂で、7日ごとの法要が営まれている。
この他、池上本門寺では、甚大な被害が及んだ東北4県(青森・岩手・宮城・福島)宗務所に計1,100万円、日蓮宗に義援金500万円を送った。