日蓮宗新聞

2011年3月20日号

第102定期宗会開く

「立正安国・お題目結縁運動」第二期「育成活動」4年間への議論

第102定期宗会が3月8日から11日まで、東京都大田区の日蓮宗宗務院で開催された。
宗会は全国の住職・担任の中から選出された宗会議員が、日蓮宗の宗制や予算など宗務に関することを決める機関。今宗会には45人の宗会議員全員が出席し、「立正安国・お題目結縁運動」の第二期「育成活動」4年間がはじまる来年度に向けた議論などがなされた。

 議会初日の開会式では内野日総管長猊下を導師に法味を言上。内野管長猊下は社会状勢が多岐にわたり混迷し、人々の心が荒廃している現状がまさに末法濁世であるとし、このような時代にこそ伝道教団である日蓮宗の存在性が求められると述べられた。そして「宗門最高立法機関としての責務を全うして、闔宗の負託に応えられんことを切望いたします」と教旨を結ばれた。その後、川久保昌耕議長(山口県妙法寺住職)が奉答文を言上し本会議へ。
はじめに渡邊照敏宗務総長が施政方針挨拶を行った。まず渡邊総長は宗門運動第二期育成活動が4月から展開することに関して“「安穏な社会づくり」のための社会活動”と“「人づくり」のための次世代の育成”を活動項目としたことを伝えた。具体的には合掌礼を通じた信仰心の涵養、僧侶の資質の向上、またNPO、NGOなど各種団体との連携した社会活動の展開などをあげた。
さらに過疎地域寺院対策、祖山霊蹟の顕彰、日蓮宗事典の改訂やインターネットを媒介として布教伝道なども提言。
また国内開教による一層の教線拡張。海外布教に関してはアジアの宗教であった仏教が世界から注目されていることに言及し、これを追い風として国際布教を展開する必要性を述べた。
一昨年宗門が取得した鎌倉辻説法跡地隣接地の有効活用に関することについて、鎌倉は年間約二千万人が訪れる観光地、宗門にとっても大事な聖地である。この地で檀信徒だけではなく未信徒、観光客にも日蓮聖人、日蓮宗を周知してもらう布教拠点を建設するための設計士を交えた「鎌倉布教拠点建設部会」の設置をお願いした。
今宗会で決議された中には鎌倉辻説法跡地隣接地の建設費用についての議案があった。これは同地の建設事業費を日蓮宗の基本財産から捻出するというもの。その他にも時代に相応した布教を行うための理論の研究や技術などを学ぶ布教研修所の入所年齢制限の引き上げが決定し、より多くの僧侶に門戸が広がったことなど多岐にわたった。
その他、各所管の現況報告、同心会の小林順光会長、明和会の張田珠潮会長による代表質問、通告質問などが4日間にわたり熱心に議論された。
閉会式で内野管長猊下の名代として導師をつとめた渡邊宗務総長は挨拶の中で全教師が一丸となって宗門運動に鋭意に取り組み、真の世界平和「立正安国」を目指すと述べた。同日午後2時46分に宮城県沖で発生した大地震に対し「早急に被害の情報を収集し、宗門として対策を講じたい」と宣言し終了した。

illust-hitokuchi

東日本大震災 日蓮宗寺院も甚大な被害

 

 

11日に発生した東日本大震災の被害は日を追うごとに拡大。警察庁のまとめによると死者・行方不明者を合わせて1万人以上に達している(16日午前0時現在)。
 渡邊照敏宗務総長は12日、震災に対し声明を発表。また、全国寺院・教会・結社・檀信徒に義援金の歓募を呼びかけることを決めた。津波被害の大きかった宮城・岩手の沿岸では日蓮宗寺院にも流失・焼失など大きな被害が及んでいる模様。交通・通信が寸断されている中、連絡のとれない寺院も多く、宗門では被害状

況の把握に奔走している。

日本を襲った巨大地震と津波、

原発事故-。広域にわたる今回の震災は日本列島に大惨事をもたらした。
日蓮宗寺院・教会・結社にも各地で大きな被害が相次いでおり、被害状況の把握、安否確認が行われている。
岩手県内では、大槌町にある蓮乗寺(木藤養顕住職)の本堂と庫裡が焼失、特に大津波に襲われ壊滅状態となった陸前高田市妙恩寺(風間文静代務住職)が津波にのまれ流失した。蓮乗寺の木藤住職、寺族は無事で大槌高校に避難、妙恩寺は無住だったため難を逃れたと報告されている。また、境内に被災者が避難し、炊き出しが行われている寺院もある。
罹災から5日、梅澤宣雄宗務所長は「いまだ安否も含め被害状況が把握できていない」と話している。
宮城県でも石巻市・塩竃市・仙台市など沿岸を中心に被害は甚大な模様。日野教恵宗務所長が寺院をまわり調査を行っている。

福島県は中田本庸所長によると「いわき市などの沿岸地域は規制があり立ち入ることができず、管内の詳細な情報は把握できていない」。東京電力福島第一原子力発電所近くにも2ヵ寺あり、確認が急がれる。
11日以降も、信越地方で強い地震が相次ぎ、15日夜には静岡県富士宮市などで震度6強を観測するなど、東北地方以外にも大きな被害が及んでいる。栃木県塩谷郡の妙顕寺(芝沼顕修住職)では本堂と庫裡が全壊、その他、諸堂・庫裡の損壊や墓地の倒壊といった被害はほとんどの寺院でみられた。
日蓮宗では渡邊照敏宗務総長を本部長に災害対策本部の活動の実動に入り、速やかな情報収集と救援対策にあたるなかで「被災寺院の状況は現在調査中ではあるが、すでに倒壊、半壊や損壊、また津波に流された寺院などがあるという情報を受けている。宗門として、この災害に全国寺院・教会・結社・檀信徒をあげて物心両面にわたる救援に当たらねばならない」として14日、義援金の勧募を行うことを決定した。(3月16日現在)

illust-hitokuchi

2011年3月10日号

本山妙法寺貫首に小倉光雄師

「宗門、歴代先師のお力をいただきながら精進」

「小室山」の通称で信仰を集める山梨県増穂町の本山妙法寺に、小倉光雄師(長野県円乗寺住職)の就任が認証された。

妙法寺は日蓮聖人が身延山在山中の代表的な直創寺院。もとは真言の名刹だったが当時の住持・善智法印が日蓮聖人に帰伏し改宗、聖人を開山に仰ぎ自ら二世となった。
小倉師は昭和12年生まれの74歳。立正大学仏教学部宗学科卒。平成5年をはじめに宗会議員に5回当選し、宗務院庶務部長、護法伝道部長、総務部長などの要職を歴任。宗政宗務に尽力したことに対し一級法功章、管長表彰状を授与されている。
住職辞令伝達式が3月1日、東京都大田区の日蓮宗宗務院で行われた。渡邊照敏宗務総長は小倉新貫首に「全国日蓮宗青年会の会長にはじまり、言説布教でも修法でも活躍されてきた小倉上人が本山に入られることは、宗門としてもうれしい限り。健康に留意し護持丹精にお努めください」と祝辞。小倉新貫首は「はからずも歴史ある妙法寺の法灯をお預かりすることになりました。宗門、歴代先師のお力をいただきながら精進してまいります」と抱負を述べた。
富士山が杉の木立の間から姿を見せ、初夏には約二万株のあじさいが咲き誇る妙法寺。初夏に“あじさい祭り”、秋には“ゆずの里まつり”が開催され、多くの観光客でにぎわいを見せている。小倉新貫首は「境内の維持・整備については、長期的にどのように進めるべきかしっかり見極めたい。また、地域の町おこしとタイアップしながらあじさい祭りやゆずの里まつりを広げ、団体参拝の増加に努めていきたい」と話している。

illust-hitokuchi

side-niceshot-ttl

写真 2023-01-13 9 02 09

新年のご挨拶。

過去の写真を見る

全国の通信記事

  • 北海道教区
  • 東北教区
  • 北陸教区
  • 北関東教区
  • 北関東教区
  • 千葉教区
  • 京浜教区
  • 山静教区
  • 中部教区
  • 近畿教区
  • 中四国教区
  • 九州教区

ご覧になりたい
教区をクリック
してください

side-report-area01 side-report-area02 side-report-area03 side-report-area04 side-report-area05 side-report-area06 side-report-area07 side-report-area08 side-report-area09 side-report-area10 side-report-area11_off side-report-area12
ひとくち説法
論説
鬼面仏心
購読案内

信行品揃ってます!

日蓮宗新聞社の
ウェブショップ

ウェブショップ
">天野喜孝作 法華経画 グッズショップ
">取扱品目録
日蓮宗のお店のご案内
">電子版日蓮宗新聞試読のご登録
">電子版日蓮宗新聞のご登録
日蓮宗新聞・教誌「正法」電子書籍 試読・購入はこちら

書籍の取り扱い

前へ 次へ
  • 名句で読む「立正安国論」

    中尾堯著
    日蓮宗新聞社
    定価 1,365円

  • 日蓮聖人―その生涯と教え―

    日蓮宗新聞社編
    日蓮宗新聞社
    定価 826円+税

書評
正法
side-bnr07
side-bnr07