2011年3月10日号
本山妙法寺貫首に小倉光雄師
「宗門、歴代先師のお力をいただきながら精進」
「小室山」の通称で信仰を集める山梨県増穂町の本山妙法寺に、小倉光雄師(長野県円乗寺住職)の就任が認証された。
妙法寺は日蓮聖人が身延山在山中の代表的な直創寺院。もとは真言の名刹だったが当時の住持・善智法印が日蓮聖人に帰伏し改宗、聖人を開山に仰ぎ自ら二世となった。
小倉師は昭和12年生まれの74歳。立正大学仏教学部宗学科卒。平成5年をはじめに宗会議員に5回当選し、宗務院庶務部長、護法伝道部長、総務部長などの要職を歴任。宗政宗務に尽力したことに対し一級法功章、管長表彰状を授与されている。
住職辞令伝達式が3月1日、東京都大田区の日蓮宗宗務院で行われた。渡邊照敏宗務総長は小倉新貫首に「全国日蓮宗青年会の会長にはじまり、言説布教でも修法でも活躍されてきた小倉上人が本山に入られることは、宗門としてもうれしい限り。健康に留意し護持丹精にお努めください」と祝辞。小倉新貫首は「はからずも歴史ある妙法寺の法灯をお預かりすることになりました。宗門、歴代先師のお力をいただきながら精進してまいります」と抱負を述べた。
富士山が杉の木立の間から姿を見せ、初夏には約二万株のあじさいが咲き誇る妙法寺。初夏に“あじさい祭り”、秋には“ゆずの里まつり”が開催され、多くの観光客でにぎわいを見せている。小倉新貫首は「境内の維持・整備については、長期的にどのように進めるべきかしっかり見極めたい。また、地域の町おこしとタイアップしながらあじさい祭りやゆずの里まつりを広げ、団体参拝の増加に努めていきたい」と話している。