日蓮宗新聞

2010年11月10日号

日蓮宗加行所入行会

前日の台風14号が関東の南海上を抜けた11月1日、千葉県市川市の大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)で平成22年度の日蓮宗加行所が始まった。今回は166人の僧侶が入行。境内には全国各地から多くの人々が参集。緊張した面持ちの入行僧を囲んで家族や友人、檀信徒が100日間の別れを惜しみ、さまざまな思いを胸に行僧を見送った。

台風の余波の小雨が降る午前8時、清浄衣に身を包んだ剃髪姿の行僧が集まり始め、家族、友人、檀信徒とともにしばしの別れを惜しみながら思い思いの時間を過ごした。  午前9時、入行僧は常修殿へ。入行僧の背中に声援を送る者、目を閉じて合掌する者とさまざまだが、来年2月10日の無事成満を祈る思いは同じ。
入行会は祖師堂で加行所伝主・新井日湛貫首を導師に営まれ、堂内は入行僧の力強い読経の声が響きわたった。
挨拶に立った渡邊照敏宗務総長は伝道教団日蓮宗の中で修法は布教の一翼を担う大きな力であり、修法師の育成は宗門において大きな任務と認識していると述べ、世界三大荒行のひとつともいわれる壱百日の苦修錬行を終え、伝道宗門の先駆者としての活躍を期待。「立派に壱百日の修行を乗り越え一段と逞しく成長し、一日千秋の思いで待っている師僧や寺族の方々、檀信徒がいることを忘れてはなりません」と入行僧に激励の言葉を贈った。
新井伝主は行堂清規遵守を強調し、無事成満を迎えることを祈念した。太田順道加行所伝師が挨拶に立ち、再行以上の行僧には志念力の増進と修法道の奥義を修めることに期待し、初行僧には苦しいことを覚悟の上での入行であることを確認。「自分たちの意志で志願したことを最後まで忘れずに日々修行を重ねてほしい」と入行僧を激励した。「本日只今より各聖の社会的地位、名誉、自由を鬼子母大尊神さまの前に預けます」と宣言し、瑞門をくぐることを許可した。
また赤羽浩教千葉県北部宗務所長、工藤堯幸全国修法師会連合会会長からも祝辞が述べられ、最後に全堂代表の斉藤芳伸師(北海道妙慶寺住職)が「行堂清規を遵守し、不自惜身命の決意を持って、本日より寒壱百日間苦修錬行に精進することを加行僧一同とともに誓います」と力強く宣誓した。
 雨も上がり晴天となった正午過ぎ、加行僧166人は行列をして奥ノ院を参拝。総門を経ていよいよ瑞門へ。行列する行僧と共に歩き別れを惜しむ人や、「行ってらっしゃい」「頑張って」と声をかけ、涙ながらに合掌する姿が見られた。
午後3時前、瑞門が閉められると、父親を見送り泣きだす子どもやハンカチを握りしめる檀信徒など、境内には別れの悲しみが溢れていた。入行僧は来年2月10日までの100日間、わずかな睡眠の中、1日7回の水行と読誦行の苦修錬行に励む。

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2010年11月1日号

第64回 日蓮宗布教院開催 「高座説教」体得のため

第64回日蓮宗布教院(佐野前暁院長)が9月1日から15日まで、福岡県福岡市日蓮聖人銅像護持教会(主管=佐野院長)で開催され、僧侶22人が受講した。
聴衆より一段高く設けられた席で儀式に則り、講談のように中啓ちゅうけいや笏しゃくなどを使って祖伝(繰り弁)を語る「高座こうざ説教」。布教院は日蓮宗に継承されてきたこの「高座説教」を体得するための教育機関で、明治期の開設以来、多くの説教師を輩出してきた。
今回は佐野院長をはじめ、副院長に松尾周学師(福岡県龍潜寺住職)、主任講師に平野譲山師(静岡県法蔵寺住職)、講師に三大寺聡温師(愛知県妙感寺住職)らが就き、指導にあたった。
最終日に行われた閉院式では、渡邊照敏宗務総長の名代として塩崎望巳教務部長が祝意を示すとともに「布教院で学んだことを宗門運動に活用してほしい」と激励。佐野院長は「これからが本番。ますますの精進を」と院生にエールを送った。

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全国法華和讃発表会 伊東市本山佛現寺で

日蓮宗宗務院主催・日蓮宗全国和讃連絡協議会(林昌壽会長)後援の平成22年度全国法華和讃発表大会が9月30日、静岡県伊東市本山佛現寺(板垣日祐貫首)で開催された。全国から15団体・550人が参加し、和讃の奉詠と太鼓が堂内に響きわたった。
和讃は仏さまの功徳や経典、各宗派の祖師などをほめたたえた仏教讃歌の一つで、日蓮宗の和讃はほとんどが日蓮聖人ご一代の教化弘通きょうかぐずうが詠まれ、日蓮聖人のみ心が表されている。
同大会は前回まで、東京の立正大学石橋湛山記念講堂で行われていたが、今回から全国の教区をまわっての開催となり、その第1回として本山佛現寺が会場に選ばれた。
関谷泰教伝道局長を導師に厳修された開会式では、参加者全員が「日蓮聖人奉讃歌題目」の伊豆法難の場面などを奉詠。続いて板垣貫首が挨拶で伊豆法難750年の節目の年に、佛現寺で日蓮聖人に報恩の和讃を奉詠できる慶びを伝えた。
発表では、各団体が持ち味を活かし、鍛錬の成果を披露。兵庫県西部から参加した寺庭婦人や檀信徒合同の播磨和讃会の谷口万亀子部長は「和讃で所作を覚えると本堂の掃除などにおいて、仏さまの威厳を保たなければならないという責任感が生まれてきました」と和讃を通してメンバーの信仰が深まっていく実感を語った。
閉式後、参加者からは感激の言葉がもれ、「作法などの違いを参考にしてこれからも研鑚していきたいとの声が聞かれた。
林会長は大会を通して「参加者一人ひとりが信仰に根ざして和讃を奉詠する姿に感動しました。今後は地方に伝わる独自の和讃を発表してほしい。また全国で開かれる大会に、和讃を知らない人たちに足を運んでいただければ、どんどん和讃が発展していくのでは」と述べ、和讃の普及と発展の足がかりに手応えをつかんでいた。

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新年のご挨拶。

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