日蓮宗新聞

2010年11月20日号

第3回良縁の集い(九州編)

後継者や伴侶求め北海道からも

お寺の後継者や人生の伴侶を求める人の良縁成就を応援する「良縁の集い」が10月2日、福岡市中央区のホテルニューオータニ博多で開かれた。
少子化、晩婚化、人口の地域格差などを社会背景に、日蓮宗内でも結婚相手や後継者に出会う機会が少ないという悩みを抱える寺院は少なくない。この集いは、出会いを求める人たちが実際に会って話をする機会を作ろうと日蓮宗総合相談所が開催しているもので、参加者から好評の声が広がり今年で3回目を迎えた。
参加したのは男性20人、女性28人。九州地区から20余人、九州地区以外にも北海道や関東など広域からの参加となった。
午前11時、参加者は「寺院後継者になりたい男性」「寺院後継者が欲しい女性」「結婚希望の男性」「結婚希望の女性」の条件が明示された名札を胸に開会。はじめの1時間は“5分トーキング”として、自己紹介表を参考に全参加者と対面。続いて立食パーティーの形で自由に交流を深めた。
1時間にわたるフリートーキングを経て、参加者はより交際を深めたいと思った相手を第一希望から第三希望まで用紙に記入。一般的なお見合いパーティーのように会場での意志交換はせず、午後1時半に解散した。
後日の集計で、記入表上の意志が合致した男女は8組。今後、個人の僧籍地や家族構成等が詳細に記された紹介資料が交換され、成就への歩を進めていく。
参加者に行ったアンケートでは、7割を超える参加が今回の集いを有意義だったとし、次回も参加したいと答えていた。会場やスタッフの対応、進行などに対する満足度も高く、「いろんな人と話せて楽しかった」「自分の認識を変える話ができた」「回を重ねるごとに改善されていて良かった」など喜びの声が多く聞かれた。なかには「ゲームを取り入れては」「話す時間をもう少し長くとってほしい」「男女の人数を合わせてほしい」など今後への要望もあがり、総合相談所ではアンケートの意見を考慮しながら、来年も開催を予定している。
この集いに参加するには同相談所が平成15年から行っている「後継者及び結婚相談システム」への登録が必要。相手に求める細かな希望条件を登録し、それが一致した場合のみ紹介するというシステムで、現在約130人が登録している。

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高明寺参拝と御巣鷹に慰霊登山

日蓮宗人権推進委員会(前田幸廣委員長)は10月28日から1泊2日で現地研修を行い、差別戒名墓石の供養を行っている長野県佐久穂町の高明寺(坂手善正住職)を参拝。また、昭和60年に日航機が墜落した群馬県上野村の御巣鷹山に登り犠牲者にお題目を捧げた。

人権推進委員会は、教育、布教、制度について研究を行い行学布教の発展に資するために日蓮宗が設置する13の委員会の一つ。委員は、識見を有する僧侶から宗務総長が任命・委嘱を行い、人権推進に関する調査研究を行う。
現在は前田委員長、石田良正副委員長をはじめ専門員2人、委員6人の計10人で構成されており、信行道場・学寮など宗門教育機関での講義、各地での講演活動、人権シリーズの作成、日蓮宗新聞への執筆など多岐にわたる活動を通し、差別の撤廃、人権意識の啓発に努めている。
3回目となった今年の現地研修は、委員会8人、宗務院教務部の塩崎望巳部長、職員2人が参加して行われた。
28日、はじめに高明寺墓地にある差別戒名墓石供養塔を訪れ、供養にあたっている坂手住職から話を聞いた。
差別戒名とは、被差別部落の人に対し非人間的扱いの字句を使ってつけたものや、その人たちの職業や蔑称を織り込み身分がわかるように付けられたもの。この供養塔は、高明寺に確認された差別墓石を供養するため平成8年に境内地に立てられ、その後、現在地に移された。差別墓石の檀家はいずれも、近年になって他宗派からの転宗であることが判明しており、供養塔には現在13人が日蓮宗の戒名を授けられ静かに眠っている。一行は供養塔前に香を手向け読経した。
その後、差別墓石が確認された共同墓地、そして高明寺を参拝。宿泊先では委員会を開催し、終了後には翌日御巣鷹山に捧げる千羽鶴を全員で作製した。
台風14号が接近し荒天が予想されていた翌29日はおだやかな秋晴れとなった。一行は520名が犠牲となった御巣鷹山へ。勾配の厳しい登山道を踏みしめて進むと、左右の急斜面には犠牲者の数え切れない墓標が並び、一行はその一つひとつの前で足を止め手を合わせていた。
1時間半をかけて機首の追突地点に立つ「昇魂之碑」に到着。委員と宗務院の職員が祈りを込めた千羽鶴を手向け、塩崎部長を導師に慰霊法要を行った。
切っても切り離すことのできない命と人権。委員は犠牲となった一人ひとりの命を目の当たりにし、さらなる人権推進に向け取り組む意を新たにした。

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2010年11月10日号

全国檀信徒青年会管区代表者会議

「次代に信仰を繋げていくことが宗門や国の活力に」

平成22年度第12回「全国檀信徒青年会管区代表者会議」が10月16、17日に東京都大田区の日蓮宗宗務院で開かれ、全国から檀信徒の代表者59人が参加した。

宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」の第1期重点項目である青少年教化活動を目的に「一寺院一信徒青年会づくり」が提唱されていることを受け、全国各寺院の檀信徒青年会で活動する管区の代表者が現況報告と情報交換を行うために同会議を毎年開催している。
初日の開会式では宗務院の駒野教源総務局長を導師に法味言上が行われた後、挨拶で「明日の宗門を担う人づくり」と「地域社会に求められる寺づくり」を参加者に願った。続いて全国檀信徒協議会の江守幹男会長が壇上に立ち、「私たちにある宗教心が日々努力する心を生む」と次代に信仰を繋げていくことが宗門や国の活力になると語った。
スクリーンの映像で日蓮聖人や法華経の教えを学んだ後、古河良晧伝道部長が「みんなと共に行う宗門運動」と題して講演。「少子化や核家族化が進み、孤独死に代表される実態が“無縁社会”を浮き彫りにしている」と説明し、「慈悲心や他の人のために行いをなす、利他の精神を持つ人を育てることが私たちの目標」だと述べた。また相手を常に敬う「但行礼拝」の精神で社会活動に取り組むことが安穏な社会づくりへの道だと締めくくった。
5つのグループに分かれてのディスカッションでは、「寺院での奉仕活動を通して青少年を教育」、「相談室やフリーマーケット、コンサートなど地域社会への貢献」などの活動内容を一人ひとりが報告。また檀信徒青年会の新しいモデルとして、宗務所や檀信協の下部組織である管区の「檀信徒青年会」が結成された経緯の報告がなされ、管区檀信徒青年会がある宮城県は組織化の利点に「横の繋がりを持つことで、行事やイベントのノウハウを持った人材派遣が容易になる」ことを挙げる。同じく大阪市では「檀信徒青年会があるのは管内3ヵ寺のみ。管区で青年会をもつことで(僧侶の)日蓮宗青年会の行事に参加できる」と僧侶檀信徒一体で活動できることを強調。伝道推進委員会はこういったモデルに関して「是非、全国の管区に普及してほしい」と期待した。
2日目は大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)を参拝した後、宗務院で噺家・露の団姫氏が法華経にちなんだ落語を披露し、参加者を笑わせた。
最後に伝道推進委員会の大西秀樹委員長が、教誨師として少年院を訪問し、友人を殺害してしまった少年とのエピソードを紹介。大西委員長は「誰もがいい子なのに、ただ命の尊さを知らないだけなんです。知らない罪と教えない罪があるなら、教えない罪の方が重い」とあらゆる人びとに命の大切さを伝えなければならないと語り、「人のよろこぶ顔を見るのが好きなのが法華経の行者。私たちがどう社会を変えていかなければならないのか考えていかなければならない時代」と結んだ。

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新年のご挨拶。

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