日蓮宗新聞

2010年6月20日号

『いのりんぴっく2010 in さいたま』

いのりのメッセージ
渡邊宗務総長

 私たちは祈ります。全ての人々が、生きとし生けるもののいのちの尊さを知り、感謝と敬う心で平和に暮らせる日々を。
今、私たちが生を営む社会は止むことなき戦争や紛争、文明・文化の発展に伴い、私たちが犠牲にしてきた環境破壊によるさまざまな問題、近年蔓延まんえんする殺傷事件や自殺者の増加など、見るに堪えない現状であります。
この様な世界に向かって私たち日蓮宗は、み仏の教えを説き弘め、すべての人々の心に、み仏の平和の種を植え、安らかな世界を実現しなければならないと、「立正安国りっしょうあんこく・お題目結縁けちえん運動」を展開しております。
この運動は、縁ある人から未だ縁無き人まで、すべての人々がお題目「南無妙法蓮華経」と縁を結び、立正安国の実現を目指す「社会をつくり、人をつくる」信仰運動であります。
その合言葉は「いのちに合掌」です。
合掌とは、右と左の二つの手を合わせることであり、皆を生きとし生ける物を大切にする気持ちをカタチにしたものです。
私たち一人ひとりがお互いを敬いあい、いのちの尊さに気づくことこそが、仏さまの教えの根源であります。「いのちに合掌」を合言葉に、皆で安穏あんのんな社会をつくっていきましょう。
願わくば、この大宮ソニックシティ「いのりんぴっく2010inさいたま」より皆様方と心を同じくし、世界平和の祈りを込めてご一緒にお題目「南無妙法蓮華経」をお唱えしましょう。
南無妙法蓮華経

『いのちに合掌』合言葉
7500人が集まる

 好天に恵まれた6月5日、埼玉県宗務所(三枝泰英所長)主催・日蓮宗後援の「いのりんぴっく2010inさいたま」が、さいたま市の大宮ソニックシティで開催された。いのりんぴっくは「環境・平和・いのち」を統一テーマに全国各地持ちまわりで催される宗門行事。この日会場には約7500人が訪れ、予想を上回る人出を記録した。
小ホールで法華一乗会ほっけいちじょうかい会員の佐藤ゆかり氏ら来賓を招いての開会式の後、イベント広場で盛大なオープニングセレモニーが行われた。セレモニーでは渡邊照敏日蓮宗宗務総長が来場者に「いのりのメッセージ」を発信。三枝泰英大会委員長が力強く開会宣言した後、来場者とともに世界平和を祈ってお題目を三唱した。
「人と共に…環境・平和・いのちを守ろう」をスローガンにイベント広場、小ホール、展示場の3ヵ所では万灯行列、韓国・百済文化芸能の公演などさまざまな催しが繰り広げられ、老若男女が初夏の一日を楽しんだ。
 このイベントには檀信徒だけではなく、会場の立地条件や入場無料ということもあって多くの一般の人も参加。地元さいたま市の人で買物帰りに小学校3年生と一緒に立寄ったという30代の女性は、「親子で楽しめた。主催者がお坊さんたちと聞いてびっくりした。仏教のイメージが変わりました」と話していた。

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2010年6月10日号

第57回全国檀信徒協議会総会開く

渡邊総長挨拶 『次代を担う青年の育成 宗門にはありがたい』

 全国檀信徒協議会(江守幹男会長)は5月26日、東京都大田区の日蓮宗宗務院で平成22年度第57回日蓮宗全国檀信徒協議会総会を開催し、全国74各管区の檀信徒の中から選出された会長、代表者67人が出席した。
開会式では渡邊照敏宗務総長を導師に法味言上。続く渡邊宗務総長の挨拶では、昨年度の各地での「『立正安国論』奏進750年」記念行事、本年5月12日に伊東市佛現寺で行われた「伊豆法難750年」の宗門法要が、多数の檀信徒の参加と協力で無事に円成したことを報告し、謝意を表した。また檀信徒協議会が推進する「一寺院一信徒青年会」づくりに関して「次代を担う青年の育成は宗門にとって大変ありがたいこと」と語った。
江守会長の挨拶では同じく信徒青年会に関して、「現在、約120の団体ができました。しかし少なくとも3、400の青年会を作っていかなければ、日蓮宗の将来が厳しくなってしまうのでは」と危惧し、信徒青年会の結成を加速させていくことを呼びかけた。また「次代を輝かしいものにするために、日蓮聖人の大きなお力を借りながら、来年度に迎える宗門運動の第二期育成活動に向けて私たちも本腰を入れて展開していかなければならない」と結んだ。
総会後に今回初めて、大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)を参拝。大堂で酒井貫首から縁起を聴聞し、寺宝を護持する霊宝殿で日蓮聖人ご真筆の曼荼羅御本尊などを拝観した。
◇   ◇
全日程終了後、今回の会則改正に関して江守会長が思いを語った。
「どんどん若い人たちに全国檀信徒協議会の会長・副会長のポストに就いてもらい、宗門や宗門運動を活性化させていくことを目的に会則が改正されました。宗門内外で活躍している若い人たち、日蓮宗に対して強い思い入れを持っている人たちを次代のリーダーにしていかなければなりません。もちろんリーダーを育てるためには日蓮聖人のお言葉をきちっと咀嚼し、解釈できる若い僧侶もいないといけない。また私たち檀信徒協議会も『葬式は必要』などと世間に知らしめ、若い人たちの宗教離れを食い止める展開をしていくことも重要です」。
江守会長は育成活動に向けて、新たな挑戦を続けていくことを誓った。

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中央檀信徒研修道場開催 “お題目の心”身につけて

「平成22年度第1回日蓮宗中央檀信徒研修道場」が6月1日から3日まで、京都大本山妙顯寺(南條日慈貫首)で開催され、全国から31(うち女性13人)が行学の二道に励んだ。檀信徒研修道場は、宗門運動推進のため檀信徒の研修推進、信行者の養成を目的としておかれている。
京都では初めての開催となる今回、主任講師は鈴木浄元師(神奈川県蓮久寺住職)、講師は山本光明師(北海道龍王寺住職)が担当した。
開講式で関谷泰教伝道局長は「道場清規しんぎ(道場内でのルール)にあるように、社会のさまざまな垢を捨て去って謙虚な気持ちで修行に励んで下さい」と激励。南條貫首は「知識ではなく信仰心、“お題目の心”を身につけて下さい」と述べ、最後に大阪府清普寺檀徒が宣誓を行った。
仏前作法を学んだ後、鈴木師が法華経の基本を解説。山本師はご遺文、特に『立正安国論』について講義した。
南條貫首は法話で「人間はみな同等。だから私は精一杯真心を込めて自分の思いをお伝えします。法華経の方便品に“唯仏与仏”とあるように、私と仏とは一対一。真心を忘れてはいけません。自分の身体は永遠なる父母の連続を証明する祭壇なのです」と説いた。
 法座の時間には参加者の自己紹介があり、1日目の日程が終わった。
2日目は5時に起床。本堂で朝勤の後、原光司執事長の説明で妙顯寺宝物殿を拝観した。直に目の当たりにする文化財に、参加者からは驚嘆のため息がもれていた。
バスで比叡山・横川定光院(藤井照源主監)へ。約30分の山道を唱題行脚しながら、日蓮聖人のご遊学時代に思いを馳せた。
ご開帳の後、藤井主監が「日蓮聖人はこの地で12年間研修され、釈尊出世の本懐(釈尊がこの世に出現なされた真意)が法華経にあることを悟られました。延暦寺の根本中堂には1200年続く“不滅の法灯”があります。我々も“油断”せず、お題目の心を次世代につなげていきましょう」と挨拶し、唱題行が行われた。山深い静けさの中、それぞれの思いを込めた唱題の大音声がこだました。
午後は比叡山延暦寺で根本中堂を参拝。大講堂で法要の後、鈴木師が延暦寺から数々の名僧が輩出された歴史と背景を解説した。
妙顯寺へ戻り、山本師の高座説教。総本山身延山久遠寺の菩提梯が造られた経緯を述べ「正しい教えと心で正しい行いをすれば、必ずみごとな花が咲きます」と説いた。
最後の法座では、各自の体験や感想を語りあい、信仰をともにする仲間同士、親交を深めた。
3日目、京都本山本法寺(大塚日行貫首)でご開帳の後、大塚貫首の解説で宝物殿を拝観した。
閉講式で南條貫首は「もうあかん、という時にこそ法華経が世界を救います。その手助けをするのがあなたたちです」と今後の活躍を期待。鈴木師は「敬いの心で世界平和につながる生活をしていただきたい」と激励し、山本師は「我々は異体同心。ともに菩薩行を行じていきましょう」と締めくくった。
「お題目の心」がテーマだったといえる今回の研修道場。信仰をともにする仲間こそ、心の荒んだ現代に求められているのかもしれない。

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新年のご挨拶。

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    日蓮宗新聞社
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  • 日蓮聖人―その生涯と教え―

    日蓮宗新聞社編
    日蓮宗新聞社
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