日蓮宗新聞

2010年5月20日号

第52代 日蓮宗管長に内野日総猊下  “愛される日蓮宗”目指す

日蓮宗第52代管長に総本山身延山久遠寺の内野日総法主猊下が管長推戴委員会の満場一致によりご推戴を受け、「就任奉告式」が5月10日に東京大田区池上の日蓮宗宗務院で、翌11日には「祖廟奉告式」が山梨県身延町の総本山身延山久遠寺の祖廟で行われた。
日蓮宗はさらなる発展に向け、内野猊下ご統理のもと新たな出発を迎えた。
◇   ◇
「就任奉告式」は10日午前11時から宗務院講堂で行われ、管長推戴委員会をはじめとする宗務顧問、本山貫首、宗会議員、宗務所長ら僧侶約150人が参列した。はじめに渡邊照敏宗務総長が「内野日総法主猊下におかれましては、管長推戴委員会の推挙により、第52代日蓮宗管長にご就任賜りましたこと、為宗まことに慶賀に堪えないところでございます。今般ご勇退なされます第51代日蓮宗管長酒井日慈猊下には、4年満期にわたり宗門を統理され、法華経に示される“いのちの大切さ”を広くご教導賜りましたことは周知の如くであり、その法功に衷心より感謝申し上げる次第であります」と式辞を述べ、続いて管長推戴委員会の小林順光委員長(東京都妙源寺住職)が管長推戴までの経過を報告し、内野猊下に推戴書を奉呈。次いで渡邊宗務総長から管長印璽の授受と特別大法功章の奉呈がなされた。
内野猊下は挨拶で「私は法主就任に伴い“愛される身延山”を掲げて参りましたが、このたびより“愛される日蓮宗”を目指そうと思います。そのためにはまず第一に、“ご本仏の思いはどこにあるのか、宗祖の思いはどこにあるのか”を念頭におき、為すべきことを成していきたいと思っております」と述べられた。続いて酒井猊下が「日ごろ遙かに拝しております猊下は、温容篤実にしてまことに誠実で、几帳面なお人柄でいらっしゃいます。その上、抜群の実行力に富んだご日常は、まさに僧門の鏡というべきお方でありましょう。そうした猊下を宗門の象徴とも言うべき管長職に戴くということは、日蓮宗の威光をますます輝き渡らせることになりましょう」と祝意を述べられた。
その後、川久保昌耕宗会議長、井出存祐第二部審査会会長、望月本暎山梨県第一部宗務所長が祝辞を述べ、閉式した。
◇   ◇
 翌11日、身延山久遠寺・御廟所前では、渡邊宗務総長以下宗務院内局、井上瑞雄身延山総務以下身延山内局、管長推戴委員会正副委員長、地元宗務所長・宗会議員などが見守る中「祖廟奉告式」が営まれた。
内野管長は奉告文の中で「今日の世相は著しき仏法の衰微あり、功利の風雨に曝されて世界の平和、人類の共存共生の和合を失す」と懸念を表し、「沙門日総、慎んで宗門統師の大命を拝受し、大勇猛心を奮い精進せんことを御廟において誓いたてまつる」と固い決意を述べられた。
続いて久遠寺本堂で法味言上がなされ、世界中にお題目が弘まり平和な社会となること、そして全国の檀信徒が法華経の教えにしたがい安穏に暮らせるよう、現世と後生の幸福がご宝前に祈願された。
最後に水鳴楼で内野管長が「ご報恩の一分でもできれば幸い。皆さまの叡知とご協力を賜ってその使命を全うし、祖意にお応えできるようにご助力をお願いします」と挨拶され、つづき渡邊宗務総長が「“愛される日蓮宗”を胸に置き、常精進します」と覚悟を述べ、井上総務が「法主猊下が管長の職務を全うできますよう、ぜひお支えいただきたい」と今後の協力を求めた。

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新年のご挨拶。

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