日蓮宗新聞

2009年12月1日号

第98臨時宗会開く

教線拡張の一環  鎌倉の土地取得、承認

東京・大田区の日蓮宗宗務院で第98臨時宗会が11月10日に開かれ、神奈川県鎌倉市の土地購入議案が審議され、購入が決まった。
購入の土地は日蓮聖人が道ばたで布教をしたと言い伝えが残る、“辻説法跡地”に隣接する375.2㎡(113.49坪)の土地で、価格は約1億5千万円。
開会式では、酒井日慈日蓮宗管長を導師に法味言上が行われた。その後本会議に移り、駒野教源財務部長より議案の説明があり、「『立正安国論』奏進750年の慶年に教宣拡張の一環として“聖人ゆかりの地”に関わる土地を取得することで、布教拠点としての様々な活用が考えられる」と説明。委員会で慎重に審議した結果その目的が認められ、本会議で原案が可決、承認された。
同地近くには本山本覚寺や本山妙本寺をはじめ、多くの日蓮宗寺院があり、年、大勢の檀信徒や観光客が訪れる“信仰の拠り所”とされている有名な場所。今後、同地の有効な活用が期待される。

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大本山妙顯寺 全国檀信徒青年会管区代表者会議

「全国檀信徒青年会管区代表者会議」が10月24日から1泊2日の日程で、京都市大本山妙顕寺(南條日慈貫首)を会場に行われた。
この会議は、宗門が目指す「一寺院一檀信徒青年会づくり」を推進するため、管区の檀信徒青年会の代表が一堂に会し、宗門への理解を深めると共に、情報や意見を交換し横の連絡を取り合うことを趣旨に、平成12年から開催されている。
11回目の今回は「日蓮と法華の名宝」展に合わせ、500年前の信徒青年会であった「町衆」に学ぼうと、日蓮聖人から帝都弘通を遺命された日像上人が拠点とした妙顕寺を会場に行われ、34管区から檀信徒64人(うち女性9人)と僧侶4人が参加した。
開会式では齊藤憲一伝道部長と南條貫首が挨拶。全国檀信徒協議会の江守幹男会長は「若者に焦点をしぼり、僧侶と檀信徒が一体となって苗を植えていかなければ」と力強く語った。
次に奥田正叡師(京都市常照寺住職)が「町衆から信徒青年会へ」と題し、京都の町衆がいかに組織を作り社会貢献をしていったのかを語った。
奥田師は、日像上人の弘教活動と、酒屋や大工といった商工業者を源流とする法華町衆の篤い信仰について解説。日像上人は諸宗派から三度の追放を受け、拠点とした妙顕寺もたびたび破壊された。しかし、法華町衆の外護を受けその都度復興。室町期に入ると貨幣経済の発展と共に土倉(酒屋)が勢力をもち、法華信仰は拡大。21本山、末寺130ヵ寺の外護者は柳酒屋・本阿弥・小袖屋などの町衆であった。日蓮諸宗の僧侶や信徒は次第に法華一揆を結成し、延暦寺との対立(天文法難)や織田信長による弾圧(安土法論)など幾多の法難に遭いながらも篤い法華信仰で乗り越えてきた。
奥田師は町衆を「いかなる弾圧にも屈しない、不死鳥のような法華魂のエネルギーを持った集団」と紹介し、そうした背景の中、信徒の中から狩野派や本阿弥家、後藤家など多くの芸術家が近世日本美術の潮流を築いたとし、江戸時代初期の芸術的指導者である本阿弥光悦を取り上げた。
続いて4班に分かれ青年会の活性化に向けディスカッション。他県で呼び合い交流を深めている万灯講、ボランティア活動を行っている青年会、スポーツチームを結成している寺院、県で青年会を立ち上げた管区等、それぞれの活動が紹介される一方で、「若い人が都会に出てしまい跡継ぎがいない。地方は宗派に限らず深刻な事態に直面している」「お上人が忙しくコミュニケーションがとれない」「いつでも相談に行けるような雰囲気をつくってほしい」「組織ありきではなく信仰の部分を大切にしなければ。一緒にお題目をあげましょうという姿勢がほしい」など将来を危惧する声や寺院への要望があがり、問題に真剣に向き合う参加者の姿勢が感じられた。
ディスカッション後、日の沈んだ幻想的な本堂で唱題行が行われ、翌日は京都日蓮聖人門下連合会の藤井照源理事長(京都一部宗務所長)が「日蓮聖人展拝観のための予備知識」と題して講演。「宝物に息づく法華の心を受け止め、自らの心に刻むと共に周りの方に伝えていただくことも大事です」と述べた。閉会後、参加者は京都国立博物館で開催中の「日蓮と法華の名宝」展を拝観した。

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立正大学 日本一 初出場初Vの快挙

実を結んだ全員野球

各大学野球連盟の秋季リーグ戦の優勝校などから選ばれた11校によるトーナメント戦で、秋の大学野球日本一を決める第40回明治神宮野球大会が11月14日から20日まで東京・新宿区の神宮球場で開催され、立正大学が初出場初優勝の栄冠に輝いた。宗祖日蓮聖人が世に発した名句「立正」をその名に戴く立正大学。スポーツを通じ「立正」の二文字を世に高らしめた功績は大きい。

東都大学野球秋季リーグ戦で悲願の初優勝を果たし同大会に初出場した立正大は初戦で東北地区の雄・東北福祉大と対戦、2対1という接戦をサヨナラ勝ちで制した。日蓮宗に源流を発する立正大と法然上人の浄土宗を母体とする佛教大の伝統仏教宗派同士の対決となった準決勝ではエース南が佛大打線を完封して4対0で勝ち決勝進出。
決勝の相手は、準決勝で強豪明治大に打ち勝った強打の上武大。立正大は初回に二番荒木が2試合連続となるホームランを放ち先制、3回にも1点を追加し優位に試合を進めるものの再三のチャンスにあと1本が出ず緊迫の展開に。ここで踏ん張ったのが小石、菅井の4年生投手陣。伊藤監督の継投采配がズバリと決まり強打の上武大打線に三塁を踏ませぬ完封リレーで2対0で勝利した。
大会3試合を通じ失点はわずかに1点。少ない得点を投手力と鉄壁の守備で守り勝つという、東都リーグ戦から続く立正大らしい全員野球の勝利だった。
日蓮宗では立正大学の建学の精神を世に広めることを目的として、野球部に対して平成19年の東都リーグ二部時代から助成金の提供を通じて応援を続けてきた。今回の快挙はまさにそれが結実したものでもあった。

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新年のご挨拶。

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