日蓮宗新聞

2009年12月1日号

管区寺庭婦人会代表者会議 開かれたお寺づくり

管区寺庭婦人会代表者会議が10月29、30日、京都市のホテル京阪京都と本山本法寺(大塚日行貫首)で開かれ、開かれたお寺づくりに向けた寺庭婦人の役割と可能性について72人が研修と意見交換を行った。
はじめに齊藤憲一伝道部長が挨拶に立ち「檀信徒や地域とのコミュニケーションは寺庭婦人にかかっていると言っても過言ではない」と激励。続いて「開かれた寺院づくりのために」と題し、青少年教化・寺子屋・ビハーラの活動に携わる僧侶3人が提言を行った。
日蓮宗青少年教化ネットワーク事務局長の大西秀樹師は、日本人の劣化・幼稚化を指摘した。「日本人の劣化を食い止めるのが青少年教化。お題目に触れていない多くの未信徒・青少年に意識を向けることが必要」とし、ある神父を訪ねたエピソードを紹介。神父はキリスト教が日本で広がらなかったのは日本人が持つ先祖崇拝の心にあるとし「その思想では両親、先祖の命すべてが死なずに自分の中に含まれている。その素晴らしさに日本人は気づいていない。昔は〝先祖に合わせる顔がない〟と叱っていた。これをなぜ僧侶が説かないのか」と諭したという。大西師は「宗教道徳を養うことが宗門運動の根幹。今始めなければ手遅れになる」と危惧した。
全国日蓮宗青年会(全日青)の光岡潮慶会長は、地域密着型寺子屋活動を紹介。光岡会長の地域では信徒・未信徒にこだわらず子どもを集め、神仏への祈りの心を育むため先祖に感謝の手紙を作成したり、日本の文化を伝えるお茶会を実施。その活動に「何か手伝いたい」というボランティアや金銭的・物質的支援の申し出が多数あがり、お寺が世代を超えたコミュニティーの場となっている実体験を語った。また「寺子屋を行う上で、保護者や地域との連携を図るには女性の心配りが必須。寺子屋が和み、子どもが安心する。育児や家庭問題などの相談を受けることもあり、僧侶と寺庭婦人が二人三脚で取り組むことが大切」とまとめた。
日蓮宗ビハーラネットワーク世話人の奥田正叡師は「ビハーラとは安心して悩める場所。今、宗教者に求められているのは、安心して話を聞いてもらえる場を提供すること」とし、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の詩こそ苦しみを負った人に寄り添うビハーラの原点と紹介。「話を聞いて認めてあげる。それができるのは寺庭婦人の力に期待するところが大きい。住職と両輪の輪でがんばって」と述べた。
続いて、「開かれた寺院づくり」をテーマにしたパネルディスカッションが、寺庭婦人5人をパネラー、北山孝治伝道推進委員をコーディネーターに行われた。はじめに北山委員が「公共性を持った活動を考えていかなければ、檀家制度に立脚したやり方は近い将来通用しなくなる」と問題を提起し、パネラーを中心に参加者が管区や寺院単位で行われている活動を発表。若い母親への「子育て応援」、葬儀の席に出かけての「和讃奉唱」、檀信徒や地域住民の特技発表の場となる「お寺の文化祭」、小学校で「茶道の指導ボランティア」、月に一度の悩み事相談「心のクリーニング」、年代別に分かれて礼儀作法やお経を学ぶ「婦人会」など多彩な活動が紹介された。なかには、地元のラジオ番組に出演し神仏やお寺の話を発信している例や、お経をあげたお花を自由に利用できるように設置したところ墓参が倍増した例もあり、行動力と豊かな発想に感心の声が寄せられた。
「身延山で行われていた寺庭婦人研修道場を復活してほしい」という要望もあがり、「資質が向上する」「お寺に嫁いだ自覚を得るためにも必要」と賛同が相次いだ。
翌日は本山本法寺で宝物館を拝観。日蓮仏教研究所の都守基一主任から京都国立博物館で開催中の特別展「日蓮と法華の名宝」の見所を聞いた後、特別展を拝観した。

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新年のご挨拶。

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