2009年8月10日号
第5回全国布教スピーチコンテスト
「優秀賞」に坂井是真師
パーソナリティー賞もダブル受賞
日蓮宗布教専修師会(高田恵尚会長)は第5回全国布教スピーチコンテストを6月29日、東京都大田区の日蓮宗宗務院で開催し、僧侶6人が法話を発表、約50人が聴聞した。
このコンテストは、僧侶にとって大切な使命は「仏教を伝える」ことにあると再確認し、言葉で伝えるための「技術」と「内容」の研鑽を積もうと4年前から開催されている。今回は過去4大会で入賞歴のある者に発表者が限定され、6地域から6人を選抜。さながらチャンピオン大会を思わせるハイレベルなコンテストとなった。
今回の課題は「“今”を見る」。混沌とした現在、さまざまな事件・事象が起こっている。目の前にある“今”を見つめ、そこにある問題を示し「仏教を伝える」ことを目的に、発表者は法話を作成した。例年通り学生など一般未信徒10人と僧侶が審査員を務め、洞察力、構成力、説得力、表現力、提示力、宗教性の6項目についてそれぞれ6段階の点数形式で評価を行った。持ち時間は20分間。
全員のスピーチ終了後、審査結果が発表されるまでの約30分間は、出場した6師と一般審査員10人との質疑応答の時間が設けられた。一般未信徒の仏教に対する素朴な疑問への応対は、双方にとって有意義な時間となった。
一般審査員から最高得点を得た者に与えられる「優秀賞」には「寸心」をタイトルに話した坂井是真師(福井県妙智寺住職)が選ばれた。坂井師はことわざの紹介にはじまりテンポのいいスピーチで聴衆を引き込み、「特に個性・ユーモア・勢いを感じた」者一名に与えられる「パーソナリティー賞」も同時受賞した。僧侶審査員から最高点を得た者に与えられる「会長賞」を受賞したのは「身を忘れる」をタイトルに、他人を救うという正しい知見について話した鶏内泰寛師(京都府法性寺内)。
最後に特別審査員の山田恵淳師(秋田県妙倉寺住職)が講評に立ち、各発表者のスピーチに高い評価を与える一方で、「ボードなどを上手に利用していたのは現代風だが、スピーチそのものが本道であることを忘れないように」とアドバイスを送った。