全国宗務所長会議開く

『立正安国論』奏進750年　僧侶壇信徒一体で記念法要

平成21年度の全国宗務所長会議が4月21日から23日まで、東京都大田区の日蓮宗宗務院で行われ、全国74管区の地方宗務を統括する宗務所長が出席した。今年は『立正安国論』奏進750年に当たり、特に宗門法要や関連事業の説明が行われ、各管区に記念大会や記念法要の開催が呼びかけられた他、各部・各団体から現況報告や実施計画説明などが行われた。

開会式では酒井日慈管長猊下から「宗門の目指す大道は熟知の通り『立正安国・お題目結縁運動』の実践です。教師一人ひとりが法華経宣布の心を持って、下種結縁の浄行を達成せねばなりません」とお言葉があり、宗歌斉唱、読経に続いて、日蓮宗新聞を全寺院が購読している14管区に皆読表彰が行われた。
議事に入り、議長に兵庫東部の清水教信所長、副議長に山梨一部の望月本映所長を選出。小松浄慎宗務総長が挨拶に立ち、今年度、寺院・教会・結社の負担額が増額改定され、歳入歳出23億5769万円が、3月の宗会で承認されたことを報告。全国宗務所からあった多くの要望の中で、度牒交付式と住職担任認証式への旅費の片道分を、今年度から宗門負担とするとした。さらに今年を「立正安国・お題目結縁運動」4年第一期の節目とし、6月に鎌倉市本山妙本寺と大本山中山法華経寺での宗門法要、立正大学大崎校舎での立正安国論シンポジウムを開催するとし、各宗務所にはご正当の7月16日を中心に、管区の独自性を発揮し僧侶檀信徒一体となった記念大会・記念法要の実施をお願いするとした。また、「日蓮と法華の名宝ー華開く京都町衆文化ー」（10月10日から京都国立博物館）の会期中に京都市内で「いのちのシンポジウム」も企画していることを述べた。
続いて各部・各団体が現況報告。総務部は各宗務所に設置される災害対策支部の連絡会議と防災研修を9月8日に初めて開催すること、伝道部は第13次中国訪問使節団を8月27日から9日間の日程で派遣し、鳩摩羅什三蔵法師生誕の地クチャで初の顕彰法要を行う予定であること、宗立堀之内学寮は4月1日付で伊東泰樹師（横浜市常照寺内）が新たな寮監に就任したことを伝えた。
日蓮聖人門下連合会は「日蓮と法華の名宝」展について、長亮行宗務総長室長が開催概要と構成、観覧料金について説明し、6月1日からチケット販売を開始する予定であるとした。
全国檀信徒協議会の江守幹男会長は、3年前から同会が提唱する「一寺院一青年会づくり」がはかばかしい成果を見せていない現状を危惧。一寺院で青年会を作れないのならせめて一管区一青年会を結成し、青少年の寺離れに対応する必要があると訴えた。
宗務事務などに関する質疑には、9人が登壇。各管区の現場の事情に添っての要望も含め活気ある質疑応答がなされた。
最終日には総本山身延山久遠寺の井上瑞雄総務から挨拶があり、五重塔落慶式典への参列が呼びかけられた。
その後、「立正安国・お題目結縁運動」管区支部長会議を開催。「日蓮と法華の名宝」展の目標入場者数を一日2500人、会期全体で10万人とすることや、重点6項目中の祖山総登詣について、登詣者が6万人を超えたことなどが報告された。

各地で花供養開催

◆市川市本山弘法寺　花供養会

　好きな花を一輪持ってくれば誰でも参加できる「花供養会」が4月18日、千葉県市川市本山弘法寺（石野日英貫首）で開催された。都古流宗家内田一孝家元による献花、雅楽の調べに乗せて舞う「舞学」、そして真心のこもった石野貫首の「花のお話」。花への感謝をこめたこの法要は、集う人の心に温もりと感動を呼んだ。

◆京都市常照寺
第57回吉野太夫花供養

　京都春の風物詩・「第57回吉野太夫花供養」が4月19日、京都市常照寺（奥田正叡住職）で開催された。すっかり有名になった太夫道中、境内地に設えられた茶席、太夫による胡弓の演奏や舞など、好天に恵まれたこの日、参列者は法華信仰に生きた伝説の名妓を偲びながら、雅やかな古都の春を楽しんだ。