日蓮宗新聞

2009年5月20日号

第5回スタディーツアー インドのコルカタで開催

ストリートチルドレンと交流
“生きる”を考える機会に

日蓮宗伝道部主催の第5回スタディーツアーが2月6日から14日までの9日間、インドのコルカタで開催された。今回はレインドロップ(北鳳満代表=京都府大本山本圀寺修徒)と現地NGOカルカッタソーシャルプロジェクト(以下CSP)協力のもとストリートチルドレンとの交流を行い21歳から30歳までの男女10人が参加した。
スタディーツアーは平成16年度から「本宗の国際協力活動、海外開教活動の担い手となる人材を発掘、養成すること」を目的として4度開催され、昨年度からは宗門運動の一つとして位置づけられている。
期間中参加者は、ストリートチルドレンの施設を訪れ、子供たちと一緒に授業を受け、ピクニックにでかけるなど共に時間を過ごした。短い期間であったが参加者はインド社会に身を置き、子供たちとの交流を通し、日本では感じとることのできないことを経験した。また路上で生活するストリートチルドレンの現実に触れ、自分たちの甘さを実感し、考え方が大きく変わったようだった。
参加者の一人は「子供たちが支援や教育によってその品格を新しく得るのではなく、まるで取り戻していくかのような姿は、皆が本来持っている“仏性”を光り輝かせていく姿と同じです。私たちの仏性は日々の生活の中で心の塵や埃にまみれ輝きを失ってしまうこともありますが、信仰により輝きを取り戻すことができる。インドの地で有難い譬えを見せていただきました」と正しい信仰の大切さを感じていた。また別の参加者は「子供たちの生命力に触れて、 ただ一生懸命に生きること、何があっても生き切らなくてはいけないことを学びました」と“生きる”ということについて考える機会となった。
参加者はスタディーツアーの経験を生かし、今後宗門の担い手となるよう第一歩を踏み出した。

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伊豆法難750年前会法要

【静岡東】日蓮聖人四大法難の一つ、伊豆法難が来年、750年のご正当を迎えるのを前に、5月12日、法難の地である静岡県伊東市川奈蓮慶寺(田中智海住職)で「伊豆法難750年前会法要」が行われた。
導師には霊跡本山佛現寺貫首で、伊豆法難750年報恩奉行会総裁である板垣圭祐師。副導師には、望月本映山静教区長をはじめ、静岡東部宗務所(星野是高所長)管内の役職各師。式衆には同管内の僧侶総勢30余人が出座し、500人の参加者とともに、伊豆法難750年を期して、宗祖に対しての報恩感謝の誠を捧げた。檀信徒・未信徒に伊豆法難を通じて、知恩報恩の大切さ、最終的には、お題目を受持してもらえるよう、全僧侶一丸となっての運動がいよいよ本番を迎えた。
当日は雲一つない晴天。午前9時、日蓮聖人が川奈の地で30日余り船守弥三郎夫婦のお給仕を受けられた海岸近くの御岩屋を、田中住職を先頭に聖人像を乗せた御輿が、蓮慶寺総代役員達にかつがれて川奈港まで移動した。
そして、そこから船に乗せ、俎岩(まないたいわ)に立つ聖人像を遥拝。同時に参加者達も別の船に乗って俎岩の日蓮聖人に手を合わせ、声をかぎりにお題目を唱えていた。
のべ23艘の船で、参加者500人全員が俎岩へ大聖人をお迎えに行くことができた。ある参加者は「私は船が弱いので波が高かったら、残念ですがやめようと思っていました。だけど今日は湖のように静かな海でありがたいです」と涙を見せていた。
蓮慶寺本堂での法要は午前11時から営まれ、堂内外に一杯の参加者。聖人へ報恩感謝の唱題の声は、約1キロ離れた川奈の浜にも届いていた。
静岡東部宗務所では昨年9月、「伊豆法難750年報恩奉行会」を結成。総務・企画・広報・会計の5部と総裁室の6つの担当に分かれ、総勢70余人の僧侶が核となって、本年から通算3年間の活動を盛りあげる計画。
4月6日には、管内修法師会(新谷智覚会長)の総会が伊東市・本山佛現寺本堂で開催され、会員30余人が出席。伊豆法難750年報恩奉行会の3年間の活動の目標達成を仏天に祈る法華経総要品読誦会を行った。力強い声と澄みわたる木剣の音に、必ず奉行会の活動が実りあるものとなることを予感することができた。
その後、市内旅館に会場を移動し、会議と懇親会が行われた。
管内撃鼓伝道隊(森川秀文隊長)では、3年間に管内全寺院・教会・結社をすべて唱題行脚する計画を発表するなど、伊豆半島全域では、お題目の輪が大きく、そして力強く広がり始めた。

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2009年5月10日号

掉尾を飾る授賞伝達式 日蓮宗綜合財団賞・奨励賞

 日蓮宗綜合財団(伊藤通明理事長)は4月22日、東京・品川のホテルパシフィックで第26回日蓮宗綜合財団賞と第18回日蓮宗綜合財団奨励賞の授賞伝達式を行い、全国の宗務所長ら約200人が出席した。
布教伝道助成のために設立された日蓮宗綜合財団は、昨年12月の国の制度改革によって公益法人に関する新しい法律が施行され、特例民法法人となった。現在はその保有する基金を日蓮宗に移行するなど解散の作業が進められており、日蓮宗綜合財団賞および奨励賞の授賞式は、今回が最後となる。
今年度の綜合財団賞受賞者は四師。布教伝道部門は高橋堯昭師(静岡県富士市妙法寺住職)、法器養成部門は星弘道師(東京都新宿区戒行寺住職)、社会教化部門は野澤文立師(栃木県さくら市慈久結社教導)、学術研究部門は望月海淑師(山梨県南巨摩郡樋澤坊院首)が、それぞれ受賞した。
奨励賞は一団体と一個人に輝いた。布教伝道部門は日蓮宗東京都南部青年会、社会教化部門は野坂法行師(千葉県夷隅郡妙厳寺住職)が受賞した。
はじめに伊藤理事長が受賞者を紹介。恒例のごとく、一度もメモを見ることなく滔々と語った。小松宗務総長は「今回は財団賞を閉じるにふさわしい方々の受賞。伊藤理事長には長年の尽力に感謝状を贈りたい」と財団の名残を惜しんだ。
伊藤理事長から賞状と副賞の楯が贈られた後、受賞者が挨拶した。以下は受賞者の言葉。
高橋師「私は他宗派の方々も読む一般の新聞紙上で、人々の中にある仏性をくすぐる程度のことをしただけ。今日いただいたこの立派な額を持って、日蓮聖人に直指したい」。
星師「若い頃は悪筆で、仏さまに差し上げるのに、もう少しましな字を書きたくなって書道を始めた。現代書道展には、何点か必ず法華経の文言を書いたものを出品していて、それを恩返しと考えている」。
野澤師「お題目の信仰は我々の心の豊かさをつくっている。これからも〈生ききる〉という言葉を大事にしていきたい」。
望月師「私の研究はサンスクリットの法華経を対象としているので、日蓮教学の立場とは出発点が違う。選考委員の方々の心の広さに感銘を受けている」
東京都南部青年会「この賞は、昭和50年の再発足以来、OB上人が行ってきた活動の賜物。これを機に、新たな気持ちで布教活動に邁進していきたい」。
野坂師「私のお寺は房総の山の奥。いのちの営みが充ち満ちている中で、青少年に自然・生活・宗教体験をしてもらっている。今後も与えられた環境を生かしながら、活動を続けていきたい」。

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新年のご挨拶。

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