日蓮宗新聞

2009年4月1日号

中国・四川省大地震に指定寄付

日蓮宗全国社会教化事業協会連合会(以下社教会=村上佼正会長)は昨年五月に起きた中国四川省での大地震に対する指定寄付義援金を2月18日、東京大田区の日蓮宗宗務院で世界保健機関(WHO)の関係者に手渡した。
今回、寄託された義援金50万円は、昨年6月に開催した総会で海外の災害に対する指定寄付義援金の一つとして設立し全国に呼びかけ寄せられたもの。社教会では確実に現地に届け、有効的に活用する方法を検討していたところ、モンゴルやミャンマーで支援活動を行う無憂花基金の代表を務め、同会副会長の齋藤堯圓師(東京都春慶寺住職)から親戚で夫人が信徒でもあるWHO委員の押谷仁東北大学医学部教授の紹介を受け、今回の寄託に到った。
当日は多忙な押谷教授に代わり、共にアジアにおける平和活動を行っている妻の祐子さんが来院。齊藤憲一伝道部長、村上会長から齋藤副会長、高鍋隆孝同会会計同席のもと、祐子さんが義援金を受け取った。
齊藤部長は「どうぞ現地の人のために役立てて下さい」と述べ、祐子さんは「ここで頂いた貴重な義援金を有効に活用させて頂き、必ず現地の人々のために使います」と力強く話した。
村上会長は「社教会では海外の災害に関して義援金を募るという初めての試みでした。困っている人のためピンポイントに活用したいと思っていたところ、このような縁をいただき嬉しく思います。少しでも早い復興に役立てて欲しい」と話し、また齋藤副会長は「国連に実績のある団体を通じて支援ができることは画期的なこと。精度の高い援助の道ができた」と語った。
今回の義援金の使い道は、国連機関での四川省大地震災害に関する調査の結果、現在一番必要とされている医療面で使われる予定だという。

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カンボジアに小学校完成

アジア仏教国の支援活動をしているNPO法人T・M良薬センター(小野文珖理事長)の和田龍昌師(大阪府寳樹寺住職)は、昨年カンボジア国タケオ州アントマイ村に小学校を建てることを発願し、現地の小学生と住民等で地鎮式を行った。
今年3月5日、お寺の境内地に真新しい校舎がまぶしいアントマイ・サッダルマ・リピサーラ小学校(=妙法学校)が完成。小学生と村人約1000人が参列して落慶式が営まれた。
朝10時、首都プノンペンから車で約2時間をかけて到着した和田師一行を、笑顔の子どもたちがカンボジアと日本の国旗を手に出迎えてくれた。乾期のカンボジアは38度と猛暑で、校庭に張られたテントで式典が執り行われた。カンボジア僧侶が読経し、校舎正面でのテープカットでは、和田師を導師に法楽加持を行うと、参列者は昨年の地鎮式以来の和田師の力強い木剣に見入っていた。
その後、各教室で待つ子どもたちに、日蓮宗大阪寺庭婦人会(有吉克子会長)から制服が贈られた。同会では平成9年からバザーを行い、浄財でラオスの子どもたちなどへの支援活動を行っており、今回は昨年現地に同行した和田夫人のカンボジア小学校支援の意向に賛同し、同校に通う約400人への制服寄贈を決めた。
有吉会長は「寺庭婦人として次世代を担う国内外の子どもたちへ支援活動を行ってきました。今回はカンボジアの子どもたちに意義ある手助けができ、会員一同喜んでいます」と語っていた。
子どもたちはうれしそうに真新しい制服を着け、「オックン・チュラ(どうもありがとう)」と和田師にその姿を披露していた。
夕方、和田師ら一行は宗教省ミン・キン大臣と会見。「これからも日本と同じ仏教国であるカンボジアの子どもたちのために支援活動を続けていきたい」と語ると、大臣も「今後もよろしくお願いします」と応えていた。
小学校校舎の正面には「日本仏教 日蓮宗 寳樹寺 T・M良薬センター アントマイ妙法学校」と、ローマ字とクメール語で書かれたプレートが掲げられている。
また3月7日には、群馬県藤岡市の小中高校生がT・M良薬センターの仲介によってタケオ州モハーリー村に建てた「群馬藤岡小学校」の開校式が行われた。同市の小中高生が平成17年からアルミ缶・プルタブなどリサイクル資源を回収した資金によって建立したもので、開校式には高校生代表が参加し、サッカー教室で交流を深めた。

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身延山五重塔 付帯事業四工事 竣工式

エレベーター完成で祖山参詣が思いのままに

身延山久遠寺では五重塔再建にあわせ、「参詣される方々が思いのままに参拝できるように」と境内環境の整備も進めており、これまで駐車場から境内までは長く急な坂道を徒歩で上らなければならなかったところに斜行エレベーターと駅舎を設置した。エレベーターは30人乗りが2両で、一般のエレベーター同様、無人で簡単な使い勝手。駐車場から境内までわずか1分20秒で、車両の窓からは身延山山頂を望むこともできる。一方、駐車場駅舎の新設工事に伴いせいしん駐車場を拡張して大型バスが5台駐車できるスペースを新たに設けた。
また砂利敷きの境内には、御影石の参道(総全長186m)が設えられた。この参道はエレベーター駅舎から五重塔、本堂、祖師堂、御真骨堂、仏殿へと続き、高齢者や車椅子の人も快適に参詣できる環境が整った。
さらに、奥の院思親閣行きのロープウェイ乗り場へは、本堂裏から急坂を下ってまた上る必要があったが、平坦な遊歩道を設置することで利便性を向上。樹齢数百年の木々の間を通り抜けるこの遊歩道は「南天の道」と名づけられ、心地よい散策ができる場となっている。
以上の環境整備は「身延山五重塔付帯事業四工事」とされ、昨年4月に着工。先月上旬に完了し3月14日、竣工式が営まれた。
式は井上瑞雄身延山久遠寺総務を導師、杉浦則雄身延山久遠寺法務部長を修法導師に、エレベーターの上之駅舎で営まれ、施工業者や工事関係者など約30人が参列した。法要後の挨拶で井上総務は、境内のバリアフリー参道は大阪府の篤信者夫妻の寄進により実現したことを紹介して、「身延山がさらにすばらしいお山になりました」と喜び、内野日総法主猊下が就任当初から掲げてきた“愛される身延山”を念頭に寺観整備が進められた旨を説明した。
◇   ◇
日蓮聖人がご遺文に、「吹く風も、ゆるぐ木草も、流るる水の音までも、この山には妙法の5字を唱へずということなし」としたためられた棲神の地・身延山。その聖地としての自然を感じられるよう、環境に配慮した環境整備も完了した今、いよいよ5月の落慶法要を待つのみとなった。

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新年のご挨拶。

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