日蓮宗新聞

2009年2月20日号

ビハーラ活動実践講座 宗務院で開催

「平成20年度ビハーラ活動実践講座(社会教化事業講習会)」が1月22、23日、東京・大田区の日蓮宗宗務院で開催され、僧侶30人が受講した。
ビハーラ活動とは、医療や福祉や地域社会との連携のもと病気や障害、高齢化に悩む人たちと苦しみを共にし、精神的、身体的な苦痛を取り除き、安心が得られるよう支援する活動のこと。
この講座は平成8年度の第1回を皮切りに毎年開かれており、受講修了者の多くが病院や施設など、様々な場所でビハーラ活動を展開している。
◇   ◇
22日は古河良晧師(東京都常圓寺住職)による「仏教経典に見るビハーラ精神」、山口裕光師(東京都妙経寺住職)による「日蓮聖人のビハーラ精神」、奥田正叡師(京都府常照寺住職)による「ビハーラ活動の歴史と現状」の三講を受けたあと、渡部公容師(東京都長久寺住職)が講義「ビハーラ活動とカウンセリング」に続いて実習「ロールプレーイング」を行った。
翌23日は村瀬正光師(愛知県大光寺修徒)による「終末期に於ける医療と宗教」、柴田寛彦師(秋田県本澄寺住職)による「お見舞い・千代見草」の二講に続き、老人介護事業を専門に扱う有限会社「妙徳ビハーラ」代表取締役の今田忠彰師(東京都妙徳教会担任)が「ビハーラ活動の実践を通して」と題して講義。介護現場の問題点などについて話し「社会性のない仏教はいずれ滅びる。“日蓮宗僧侶の活動はすべて、立正安国の顕現につながる”との自覚をもち、活動をはじめてほしい」と受講者に呼びかけた。続いて看護師でもある林妙和師(愛知県道心寺修徒)による実習「看護・介護の実践」では、重荷やサポーターをつけての高齢者疑似体験やDVDを使用しての認知症疑似体験を行った。「徘徊などの行動には必ず原因がある。認知症への偏見を捨てて生活歴から原因を探り、慈悲の眼で肯定的なコミュニケーションを」との林師の講義を実感として学んでいた。
最後に藤塚義誠師(長野県大法寺住職)が「グリーフケア」と題して講義。グリーフとは愛する人を失うことで生ずる悲しみのことで、悲しみを受け容れ、再出発までに必要な作業をグリーフワーク(喪の作業)と呼び、周囲が援助することをグリーフケア(悲嘆援助)と称する。
藤塚師は「僧侶は不用意な慰めの言葉をかける第三者ではなく、悲しみに寄り添う伴走者であるべき」との言葉を紹介し「グリーフワークの目でご遺文を拝すると大慈大悲、深い共感を感じる。日蓮聖人は嘆き悲しむ人の伴走者だった」と話した。
閉講式では日蓮宗ビハーラ・ネットワーク(NVN)の柴田寛彦代表が「ビハーラ活動とは、本来仏教が行ってきたことを再発見し光を当てて、新たな活動に結びつけていくこと。明日から自坊や地域を中心に活動をはじめてください」と受講者に語りかけ、講座は終了。最後にNVN事務局長の近澤雅昭師(栃木県妙唱寺住職)が、お見舞いグッズと全国への講師派遣要請の受付を行っている旨を説明した。

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