日蓮宗新聞

2008年6月10日号

ミャンマー・サイクロン、中国・四川大地震

日蓮宗宗務院 復興願い第一次支援

今年5月2日から3日にかけてミャンマー中南部を直撃したサイクロンは、死者・行方不明者13万人超、被害者約200万人という甚大な被害をもたらした。さらに5月12日には、中国・四川省を震源とするマグニチュード7.8の地震が発生、多くの犠牲者を出した。相次ぐ大災害の被害は今もなお拡大し、復興に向けたより多くの支援が急務となっている。
日蓮宗宗務院(小松浄慎宗務総長)では、被災によって亡くなった多くの方々の冥福と追善を祈るとともに、早期復興を願い日蓮宗国際協力基金の中から250万円を拠出し、各団体への第一次支援を行った。
ミャンマーサイクロン被害へは、特定非営利活動法人ブリッジ・エーシア・ジャパン(BAJ)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の支援活動にそれぞれ50万円、全日本仏教会の救援基金に50万円を寄付。
また、四川大地震への支援として、全日本仏教会の救援基金に100万円を寄付した。
長期的支援が必要な状況であり、宗務院伝道部では今後も継続して募金を呼びかけていく。

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世界開教師会議開く

“一天四海皆帰妙法”のため世界各地で布教に邁進する僧侶が東京大田区の日蓮宗宗務院に集い、5月12日から14日、平成20年度世界開教師会議を開催した。今回は北米、ハワイ、ブラジル、ヨーロッパ、東南アジア、韓国で活躍する開教師18人と海外在住僧侶六人、後援団体、国際開教対策委員ら約20人が参加し、現況の報告や要望、今後の課題などについて話し合いが行われた。
現況報告では北米開教区、ハワイ開教区の人事や事業計画などを報告。また各師が自身の活動と信徒の様子を語り、日曜学校や法要、法華経講義、唱題行などの信行会を開催し、様々な行事を行っていると述べた。
・塚本観登師(イギリス新開教地)仏教を知らない人が多く通仏教を教えることから始め、徐々に法華経や日蓮聖人の教えに触れてもらおうと活動中。北欧などでもセミナーを開いているが紙芝居を使うと反応がいい。
・タラビーニ勝亮師(イタリア新開教地)各地に点在する信徒を一堂に集めることが難しい。一人で回るのも限界があり、電話やメールで対応しているが経費がかかる。
・野田寛行師(東南アジア新開教地)日曜日に働いている人も多いため、平日の夜にも法要を行っている。他を助けるという慈善精神を高めていければと思う。
・シュテフェンス祥馨師(ドイツ大聖恩寺)国際宗教対話会で講演するなど諸宗教対話の波及に努めている。お題目を唱える新興宗教団体の信者への対応方法を検討している。
・熊倉祥元師(ニューヨーク大聖恩寺)他宗は教会の前などに宗旨を掲げている。日蓮宗を知ってもらうために宗旨の英訳看板を作成したいので、宗門で検討して欲しい。
などの意見が出され、欧米では信徒が広範囲に渡るため、インターネットを活用した布教活動が効果的であるとの声が多くあった。また法華経や日蓮聖人の教えを英語だけでなく、ドイツ語やイタリア語など諸言語での翻訳本発行、学識経験者による講演開催などの要望が出された。
開教布教センター(米国ロサンゼルス)の平井智親センター長は、完成した英語経本『DHARMA』を参加者に配布し、大本山中山法華経寺から寄贈された復刻本『立正安国論』を広く貸し出すことを報告。また今後の活動として広報活動、出版事業の継続と僧侶の研修会、檀信徒のためのワークショップの開催と、海外で奮闘している僧侶、信徒のためにできる限りの支援をしていくことを述べた。
国際開教対策委員の三田村昌鳳師が国際関係宗門運動について発表。三田村師は国際活動経験者法話行脚の予定や宗門運動の仕組みを話し、「宗門運動の精神は“切なる願いの心”“できることの一歩”“心にのこる声”です。この精神をもって活動すれば、それぞれが宗門運動に関わることができ、大きな力となるはず」と話をまとめた。
ディスカッションでは来年行われる『立正安国論』奏進750記念事業で、意義を込め世界へ発信するためにも諸外国語で法要や辻説法を行ってみてはどうかとの意見が出された。また京都での日蓮聖人展にあわせての団参企画もあげられた。
今年度は6月22日にハワイ日蓮宗別院でハワイ開教区宗門運動発願大会を、ブラジルのサンパウロ恵明寺で移民百周年法要、南米法華経寺で祖師像開眼式を開催することが報告された。
また会期中には中尾堯文師が「日蓮聖人のお曼荼羅本尊」と題し、講演を行った。中尾師は「お題目の偏や画をながく伸ばすのは、法華経の信仰によって光りあう生命を表すため。そしてそのお題目に向かい、四菩薩をはじめ多くの善神、人師が合掌し、お題目を唱える、法華経信仰の世界を表現したものである」と話し、仏と信者を結ぶ絆となるお曼荼羅本尊の大切さを述べた。
この会議は海外で奮闘する僧侶たちが一堂に会し、意見交換、意識の確認など有意義な時間となった。参加者は各国での布教活動に戻るが、異体同心であらたなる一歩を踏み出す。

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2008年6月1日号

正力松太郎賞に野坂法行師―千葉県妙嚴寺住職

春・夏の「山寺留学」で青少年に仏教情操教育 活動初めて26年

青少幼年教化活動や仏教精神に基づいた文化・社会活動に長年寄与、業績をあげている個人・団体に贈られる第32回正力松太郎賞(主催・財団法人全国青少年教化協議会=全青協)が4月23日に発表され、日蓮宗千葉県大多喜町妙厳寺住職の野坂法行師が受賞した。

野坂師は、「南無の会」の道場のひとつとして昭和58年から「大多喜南無道場」を開設、春・夏の「山寺留学」を通じて、全国から集まる青少年に仏教情操教育を施す活動を続けている。
さらに、この活動の一環として、不登校の子ども等をお寺で預かり、長期にわたるお寺での生活を通じ、悩みの解決へ導くといった活動にも力を入れてきた。現在まで、お寺という空間で、自然体験、生活体験、宗教体験をしながら、生きることの意味を子どもたちに考えてもらおうという理念のもと、さまざまな活動を展開。広大な広場や書院を含む境内全域は、青少年団体の合宿等にも開放している。
平成18年、正力松太郎賞奨励賞を受賞。長年にわたり青少年教化という課題に実践的に取り組み、成果をあげてきた実績が高く評価され、今回の本賞受賞に至った。
□   □
表彰式と祝賀会が5月15日、東京都港区の東京プリンスで行われ、小松崎和夫報知新聞社社長、選考委員の渡邉宝陽立正大学名誉教授、日蓮宗から小松浄慎日蓮宗宗務総長名代の梶山寛潮伝道部長、野坂師が執事として勤務する大本山池上本門寺酒井日慈貫首名代の富沢錬真執事らが出席した。
表彰式で表彰状と副賞を授与された野坂師は、「活動を始めてから今年で26年目。これまで続けることができたのは、大勢の人がスタッフとして支えてくれたからです。今回の受賞は強い激励の意味が込められていると思っています。さらに充実させ、継続していきたいと思います」と挨拶した。
梶山伝道部長は「日蓮宗から野坂法行師が選出されましたことは誠に栄誉なこと」として野坂師の活動を讃え、さらに「立正安国・お題目結縁運動」をあげ、「スローガンを“いのちに合掌”として、未だ仏縁なき人々にまで法華経お題目の素晴らしさを伝え、又、社会に法華経信仰の重要性を広めるべく邁進しております。皆さまと共に異体同心して、命の大切さ・尊さを青少年をはじめとする社会に広め、世界平和・仏国土顕現へと邁進していく次第であります」と小松宗務総長の祝辞を代読した。
次に富沢池上本門寺執事が酒井貫首の祝辞を代読。「極めて堅実で実行力に優れており、理論家でありながらそれを議論ではなく行動で示し自ら積極的に実践されている」と野坂師の人柄を紹介し、「功績は本門寺の布教部としても名誉なこと」と讃えた。
直接的な指導だけでなく、指導者育成としてボーイスカウト大田第17団の団委員長も努める野坂師。今後について「主軸となる若手を育てることも必要と思う。これからは後を担ってくれる次の世代にバトンタッチできるよう配慮していきたい」と語っている。
第32回正力松太郎賞は、野坂師のほかに岐阜市の栽松完道氏(臨済宗妙心寺派裁松寺住職)、佐賀県嬉野市の熊谷靖彦氏(浄土宗本應寺住職)の二氏、今回から新設された青年奨励賞を東京港区の浄土真宗本願寺派光明寺仏教青年会(松本圭介代表)が受賞した。

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新年のご挨拶。

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    日蓮宗新聞社編
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