日蓮宗新聞

2007年11月1日号

総本山身延山久遠寺 五重塔が来年秋に復元

130年ぶり宮大工の伝統的工法

平成20年秋の竣工をめざして進められている総本山身延山久遠寺(内野日総法主)の五重塔復元事業は、三層部分を組み立てている最中で、10月6日、報道関係者などを対象とした建立説明会と現場見学会が行われた。説明会では事業の全体像と特徴が発表され、明治以降の境内伽藍復興整備の総仕上げに向け、久遠寺では全身全霊をこめた一大事業が進められている。
久遠寺の歴史上、五重塔は江戸時代初期の1619年(元和5)と幕末の1860年(万延元)の二度建立されているがともに焼失。平成14年91世藤井日光猊下によって発願された五重塔再々建は、最初に建立された元和の塔を根幹に、材料・工法・意匠にわたって当時の姿を再現しようという「復元の塔」。来年秋、約130年ぶりに宮大工の伝統的工法と平成の建築技術の粋を結集した全長39mの五重塔が出現することとなる。
6日、報恩閣で行われた説明会では、五重塔奉賛会の小山信正事務局長、池上宗和棟梁、(財)文化財建造物保存技術協会の澤田拓氏、大成建設(株)の高橋清一作業所長らが、身延山の歴史、復元事業概要、五重塔の工法や意匠などについて説明を行った。
小山事務局長は挨拶の中で、五重塔が「お題目広宣流布のシンボル」になることを期待、澤田氏は設計上の特徴を解説し、再建が国指定重文の整備に準ずる高い文化的価値を持つ事業として注目を集めているとした。
また五重塔の付帯工事について、西谷駐車場から本堂脇までを結ぶ斜行エレベーターを設置すること、誰もが参拝できるよう境内にカート道を設けバリアフリー化を進めることが発表された。
さらに久遠寺では、竣工・落慶に向けて、行政・メディア・旅行代理店・広告代理店などとともに、観光事業や産業振興にもかかわることを行う「イベントチーム」の結成を検討しており、説明会参加者に事業への協力が呼びかけられた。
見学会では、池上棟梁や高橋作業所長の案内で建築中の五重塔が公開され、ヘルメットを着けた参加者は五重塔を取り囲む足場から、作業部分を見下ろした。完成後には目にすることができない内部の木組みを見学し、参加者からは感嘆の声が上がっていた。
来年3月14日に上棟式、11月上旬に竣工式、21年5月13日から17日の5日間にわたり法要を主体とした厳粛かつ盛大な落慶式を予定している。

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第4回日蓮宗スタディーツアー   若者が孤児院などの子供達と交流

 IT産業などの躍進から著しい経済成長を遂げる一方で、“持つ者”“持たざる者”の格差が広がり貧困問題が深刻化するインド。人として最低限の人権すら認められない子供たちが溢れるコルカタ市を、次代の宗門を担う若者が訪れ、孤児院などの子供たちと交流を重ねた。与えられた機会を最大限に生かそうと懸命に生きる子供たちから、多くの優しさを与えられた参加者は、一見豊かに見える日本人が失いつつある“共生する心”を学び、自分自身の可能性を考え直す気づきの旅となった。

日蓮宗宗務院(小松浄慎宗務総長)は、将来日蓮宗の国際協力活動・海外布教活動の担い手となる人材を発掘・養成することを目的に、9月3日から10日まで、第4回スタディーツアー体験の旅を開催。30年近くにわたりストリートチルドレンを支援し、子供たちの国籍取得にあたっている北鳳満師を団長に、10代・20代の宗門子弟や檀信徒19人が参加した。

 スタディーツアーは、日蓮宗国際開教対策委員会(石井英雄委員長)が海外開教・国際交流の振興をはかり時代に適応する活動を検討する中で、宗門への啓発と後継者の育成を目的に、現地での社会に根ざしたプロジェクトとして立ち上げたもの。第1回から3回にわたってBAC仏教救援センター(伊藤佳通理事長)の協力を仰ぎ、参加者はラオスで現地の人々と触れ合いながら小学校建設に汗を流した。
4回目を数える今回初めて場所を移し、インド共和国コルカタ市(旧カルカッタ)を訪問。スラムや路上で暮らす女性や子供たちを対象に支援活動を行っているNGO団体カルカッタ・ソーシャル・プロジェクト(CSP)の催行によって、CSPが開設している孤児院や路上・公園学級、職業訓練校などに通い、子供たちと心の交流を行った。
宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」基本目標の一つに掲げられる「心の平和、社会の平和、世界の平和」。国際開教対策委員会では、宗門内外で活躍する国際的視野を持った日蓮宗関係の各団体・個人の相互理解と協力、人材育成を主眼とした「日蓮宗国際ネットワーク(NIN」を発足させた。今回、ストリートチルドレンたちをとりまく劣悪な環境に戸惑いながら、「自分にできること」を探った若者の模索は、世界に羽ばたく第一歩として大きな実りとなった。

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日蓮聖人のご命日偲ぶ「お会式」

 弘安5年(1282)、日蓮聖人は病を癒すため身延の地を常陸の国へ出立され、武蔵野国池上に逗留、10月13日入滅された。以来700有余年、10月から11月にかけて全国の日蓮宗寺院では日蓮聖人の命日を偲ぶ「お会式」が営まれてきた。
入滅の地、東京・池上本門寺(酒井日慈貫首)では726回目の命日を迎え、12日のお逮夜には午後6時頃から深夜まで28万人の参拝者がかけつけた。全国から集まった百講中約3000人による万灯練供養が行われ、纏を振る講中の熱気とお囃子、参拝者の歓声が池上の街を包んだ。

ご入滅ご正当の13日、池上本門寺で臨滅度時法要が営まれた。午前7時から「結願特別説法」と題して深沢友遠師(愛知県最経寺住職)が高座説教。日蓮聖人のご一代記を臨場感たっぷりに語り、大堂は聖人往時の情景に包まれた。
 続いて、酒井日慈貫首を導師に臨滅度時大法要が厳粛に営まれた。日蓮聖人ご入滅時に弟子の日昭上人が打ち鳴らされたという故事にならい、酒井貫首が臨滅度時の鐘を打ち鳴らすと、堂内いっぱいの参列者は深く頭を垂れて合掌しお題目結縁への誓願を新たにした。
法要後、出仕僧侶らは境内の日蓮聖人御廟所などを参拝。本門寺信行会の団扇太鼓に迎えられ、石野日英千葉県本山弘法寺貫首を導師に法味を言上した。

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新年のご挨拶。

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