日蓮宗新聞

2007年11月20日号

檀信徒青年会の全国組織化へ

全国檀信徒青年会管区代表者会議開く

 将来の宗門と寺門を支える檀信徒青年会の育成と組織化を重要課題としている日蓮宗では10月20、21日、日蓮宗宗務院主催、全国檀信徒協議会(江守幹男会長)協力のもと、9回目となる全国檀信徒青年会管区代表者会議を東京大田区の宗務院と大本山池上本門寺で開催し、僧侶檀信徒約60人が出席した。
はじめに奥田正叡師(京都市常照寺住職)が「法華信仰のエネルギー~江戸時代の若衆文化に学ぶ~」と題し講演を行い、京都町衆の法華信仰の様子を紹介。日像上人の京都弘通以降、教線を拡大したため山門(比叡山)と対立し寺院が焼討ちされた天文法難など、様々な迫害を受けたが、町衆の強い団結と継続的な信仰が京都での基盤を築いたことを話した。
また本阿弥家の信仰の継承についても語り、母・妙秀の篤い信仰を受け継いだ光悦も洛北鷹峯で信仰生活を送り、寺院の建立をするなど、芸術の根幹に法華信仰があるとした。
その後は、「ふれ合いと発見」をテーマに日蓮宗伝道推進委員の西山文生師を司会に奥田師、楠山泰道伝道推進委員長、江守檀信協会長、河崎俊宏全国日蓮宗青年会会長、茨城県四恩結社教導の小林貫誠師、同結社「はすの会」会長の堀田三男氏でパネルディスカッション。楠山委員長は奥田師の講演に触れ「受け継がれてきたエネルギーを活動にいかしてほしい」、江守会長は昨今の世情を憂い「心を救える、心の豊かさを求める社会貢献を行い、若者のための宗教が必要」と話した。
また河崎全日青会長は講中の根幹には相手を尊重する但行礼拝の念があったことを紹介。堀田氏は慰問活動の様子を話し「回数を重ねることに交流が深まっていく」と継続の大切さを語った。
最後に参加者から「毎年参加しているが内容が変わっていない」などの意見に対し、「来年はいのりんピックでパネル展示などの活動報告をしたい」と返答がされ、今後の会議の充実を約束した。また「青年会を立ち上げるためのポイントは?」との声には小林師が「はじめから年齢制限を設けず、会の内容を文章化し目に見える形で報告を行うことが大切」と話し、西山師は「目的を明確に楽しくやることが一番」とアドバイスした。
翌日、池上本門寺に参詣し大堂で酒井日慈貫首を導師に法味を言上。酒井貫首は「私たちが日夜唱えている法華経は“法乳”と言われています。その教えは人間を愛し、人間を大切にすることです。私たちはその教えに基づいて法乳を心として日々過ごしていきたいですね」と話した。
続いて梶山寛潮伝道部長を導師に唱題行。参加者は心を落ち着かせ、一心にお題目を唱えると、終了後には清々しい顔をしていた。
宗務院に戻って行われた質疑応答では「信徒青年会の全国的な組織を作るべきで、地方によって環境や状況が違うのでもっと話し合いをしないといけない」と会の発展に向けて積極的な意見が出されるなど参加者の意識の高さが窺えた。

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2007年11月10日号

法華一乗会第2回総会 初代幹事長に逢沢一郎氏

次世代に向け法華経と日蓮聖人の教えを基調とする健全な社会の発展を目指すことを理念として、今年3月に国会議員と宗門関係者で結成された法華一乗会(堀内光雄会長)の第2回総会が10月3日、東京・千代田区のホテルニューオータニで開催された。この総会には国会議員13人(代理出席者含む)と小松浄慎日蓮宗宗務総長ほか内局役員らが出席した。
武見敬三事務局長の開会宣言に続いて、堀内会長が挨拶。国会会期中という多忙な時期に出席した会員に謝辞を述べた。また12人の議員で発足した同会に5人の新規会員が加わったこと。さらに入会を検討中の議員もいて、同会が発展途上にあることを報告した。
次いで宗門を代

表して小松総長が挨拶。ミャンマーの紛争に際しての日蓮宗声明文を内閣に取り次いでもらったことへの謝辞を送った。
議案審議に入り、議案である会則の修正は全会一致で承認。新たに幹事長職が設けられることとなり、初代幹事長に逢沢一郎衆議院議員が、これも全会一致で選出された。続いて逢沢幹事長が、日蓮宗が政府に申し入れたミャンマー政府に対する声明文について経過報告を行った。
審議終了後は、立正大学仏教学部部長・北川前肇教授が『立正安国論』について講話を行った。
北川師は『立正安国論』の構成や内容を概括的に解説するとともに、日蓮聖人が『立正安国論』を通して目指したものは、仏教による魂の救済にとどまらず、国家・社会の救済であるとした。安穏な社会を作るという、いわば政治の使命と直結する祖師の行動と思いに会員一同が大きくうなずく一幕もあった。
講話終了後は質疑応答。ともすればおざなりになりがちな質疑応答だが、中山泰秀外務政務官が質問。近年のキリスト教対イスラム教にみられるような、価値観と価値観、正義と正義のぶつかり合いで起きる戦争や紛争について、どうあるべきかを尋ねた。
これを受け北川師は、お曼荼羅ご本尊を見ても分かる通り、お釈迦さまを中心として天照大神や四方に守護の神様を配し、すべてをやさしく包み込むのが日蓮宗の教えとした。そして自分に誇りを持ち、かつ他者を認めるという姿勢のなかに解決のヒントがあるのではないかとした。
最後は勉強会の様相となった第2回の総会。閉会後、同会の会員で日蓮宗全国檀信徒協議会の常任委員でもある森英介衆議院議員は、「(政治家としても、檀信徒としても)勉強になる有意義な会合だった」と感想を話していた。

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日蓮宗加行所入行会 決意と覚悟の読経

 日蓮宗に伝わる祈祷法の伝授を受けるため、100日間にわたり苦修錬行を行う日蓮宗加行所が今年も大本山法華経寺(新井日湛貫首、千葉県市川市)内の大荒行堂で始まった。11月1日、平成19年度加行所入行会が営まれ、荒行に臨む150師の決意と覚悟が込められた読経の大音声が、雨天の予報にもかかわらず清々しく晴れ渡った秋空にこだました。

大本山法華経寺で大荒行始まる

法華経寺境内には早朝から生麻の清浄衣姿の入行僧と見送りの家族や檀信徒が次々と到着し、張りつめた空気の中にも入行前の挨拶を交わす穏やかな時間が流れた。午前9時、集合を知らせる鉦の音が鳴り響くと、一瞬の静寂に続き入行僧が足早に常修殿へ駆け上がった。家族や檀信徒はその後ろ姿を祈るように目で追い手を合わせていた。

9時半、見送りの参列者が幾重にもとりかこむ祖師堂で入行会が営まれた。祖師堂を揺らすような力強い読経と唱題の後、行僧へ委嘱状が渡され、小松浄慎宗務総長が挨拶。「伝道教団と呼ばれる日蓮宗の中で、最重要たる布教の一翼を担う修法は、わが宗門に大きな力を発揮し、修法師の育成は、宗門においても大きな任務であると認識しています。立派に壱百日の修行を乗り越え一段とたくましく成長し、尊厳にみちた姿を一日千秋の思いで待っている師僧や寺族の方々、多くの檀信徒がいることを忘れてはなりません」と入行僧に激励の言葉を贈った。
また、加行所伝主の新井日湛貫首も「荒行は自らが進んで入ったもので、人から勧められて入ったわけではありません。一にも二にも行堂清規をよく守って、2月10日にこの場でお会いできるのを楽しみにしています」と入行僧を激励した。
加行所を総括し修行僧の訓育に当たる佐野前暁伝師は「『立正安国・お題目結縁運動』が実動に入ってから1回目の入行会です。法華経は平和を実現する教えです。その教えの中には感化力があります。その感化力を使うのが行堂壱百日の結界の修行でございます。壱百日間の結界の中において魂魄を貫き、さらにその感化力の認識をもって出てまいります。私はただいまより行僧一同の地位、名誉すべてをお預かりします」と声高らかに宣言した。
続いて全堂代表の爪田栄成師(静岡県沼津市法華寺住職)がご宝前に進み、「行堂清規を遵守し、不自惜身命の責務を持って、今日より壱百日、苦修錬行に精進することを修行僧一同と共にここに誓います」と力強く宣誓した。
 入行僧150師はその後、行列で修法縁故の奥之院など諸堂を巡拝。午後2時過ぎ、「いってらっしゃい!」「がんばって!」という見送りの寺族・檀信徒の声援を背に、入行と出行の時以外には開かれない荒行堂の「瑞門」をくぐった。世間とのつながりを断ち読経と水行三昧を根幹に、入行数に応じてさまざまな行を積む壱百日の苦修錬行が始まった。

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新年のご挨拶。

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