日蓮宗新聞

2007年11月10日号

日蓮宗加行所入行会 決意と覚悟の読経

 日蓮宗に伝わる祈祷法の伝授を受けるため、100日間にわたり苦修錬行を行う日蓮宗加行所が今年も大本山法華経寺(新井日湛貫首、千葉県市川市)内の大荒行堂で始まった。11月1日、平成19年度加行所入行会が営まれ、荒行に臨む150師の決意と覚悟が込められた読経の大音声が、雨天の予報にもかかわらず清々しく晴れ渡った秋空にこだました。

大本山法華経寺で大荒行始まる

法華経寺境内には早朝から生麻の清浄衣姿の入行僧と見送りの家族や檀信徒が次々と到着し、張りつめた空気の中にも入行前の挨拶を交わす穏やかな時間が流れた。午前9時、集合を知らせる鉦の音が鳴り響くと、一瞬の静寂に続き入行僧が足早に常修殿へ駆け上がった。家族や檀信徒はその後ろ姿を祈るように目で追い手を合わせていた。

9時半、見送りの参列者が幾重にもとりかこむ祖師堂で入行会が営まれた。祖師堂を揺らすような力強い読経と唱題の後、行僧へ委嘱状が渡され、小松浄慎宗務総長が挨拶。「伝道教団と呼ばれる日蓮宗の中で、最重要たる布教の一翼を担う修法は、わが宗門に大きな力を発揮し、修法師の育成は、宗門においても大きな任務であると認識しています。立派に壱百日の修行を乗り越え一段とたくましく成長し、尊厳にみちた姿を一日千秋の思いで待っている師僧や寺族の方々、多くの檀信徒がいることを忘れてはなりません」と入行僧に激励の言葉を贈った。
また、加行所伝主の新井日湛貫首も「荒行は自らが進んで入ったもので、人から勧められて入ったわけではありません。一にも二にも行堂清規をよく守って、2月10日にこの場でお会いできるのを楽しみにしています」と入行僧を激励した。
加行所を総括し修行僧の訓育に当たる佐野前暁伝師は「『立正安国・お題目結縁運動』が実動に入ってから1回目の入行会です。法華経は平和を実現する教えです。その教えの中には感化力があります。その感化力を使うのが行堂壱百日の結界の修行でございます。壱百日間の結界の中において魂魄を貫き、さらにその感化力の認識をもって出てまいります。私はただいまより行僧一同の地位、名誉すべてをお預かりします」と声高らかに宣言した。
続いて全堂代表の爪田栄成師(静岡県沼津市法華寺住職)がご宝前に進み、「行堂清規を遵守し、不自惜身命の責務を持って、今日より壱百日、苦修錬行に精進することを修行僧一同と共にここに誓います」と力強く宣誓した。
 入行僧150師はその後、行列で修法縁故の奥之院など諸堂を巡拝。午後2時過ぎ、「いってらっしゃい!」「がんばって!」という見送りの寺族・檀信徒の声援を背に、入行と出行の時以外には開かれない荒行堂の「瑞門」をくぐった。世間とのつながりを断ち読経と水行三昧を根幹に、入行数に応じてさまざまな行を積む壱百日の苦修錬行が始まった。

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新年のご挨拶。

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