日蓮宗新聞

2007年7月20日号

平成19年度 第一回檀信徒研修道場

切磋琢磨した3日間深く心に残る修行

平成19年度第一回中央檀信徒研修道場が7月3日から五日、千葉県大本山清澄寺(岡﨑日泰別当)研修会館で開催され、日蓮宗檀信徒研修道場・教区檀信徒研修道場を修了した男女7人が参加した。

立正安国・お題目結縁運動
住職と邁進してください

梶山寛潮伝道部長は「皆さまは南無妙法蓮華経の七字の七人と思って、ご修行に励んでください」と激励した。
開校式の後さっそく、仏前作法を学ぶ講習から始まった。今回は日蓮聖人が修行された清澄寺での開催となり、その息吹に触れながら中村雅輝主任講師(福岡県實成寺住職)の法華経講義、平野譲山講師(静岡県法蔵寺住職)のご遺文講義や、写経・唱題行が行われた。
閉校式では、中村主任講師が参加者に修了証を手渡し、毎年参加している望月健さん(静岡県妙立寺檀徒)には「ずっと変わらずにがんばってください」等と、一人ひとりに声をかけていた。初日の朝3時に青森県から駆けつけた中村盛江さん(青森県弘法寺檀徒)は、参加者を代表して「それぞれ切磋琢磨した3日間は、私にとって深く心に残る感動的な修行となりました」と謝辞を述べた。
中村主任は「法華経の薬草喩品に“道を以て楽を受く”という文言があります。そのまま読むと“道楽”です。これは真理の道を求める者は真実の楽しみを得るという意味で、一般で使われるイメージとは違います。私たちは苦しい修行を乗り越えたときに、道を楽しむ心が生まれるのです。これは仏さまの道です。菩提寺の住職と一緒になって、立正安国・お題目結縁運動に邁進してください」と語った。
参加者の福本和郎さん(神奈川県大明寺檀徒)は「梅雨時なので、ご来光が拝めないかと思いましたが、二日目の朝、お題目を唱えていると雲間に一筋の朝日が差し込んだのが印象的でした」と話していた。
中村主任・平野講師と、参加者との和気藹々としたやりとりの中にも、参加者七人の力強い太鼓の音とお題目が旭が森に響き渡った。

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新潟・長野で震度6強

柏崎など本宗寺院にも甚大な被害

16日、新潟県中越地方を中心とした強い地震があり、同県柏崎市と長岡市、長野県飯綱町などで震度6強を観測した。17日午前10時現在、死者9人、行方不明1人、負傷者千人超、また建物の全半壊は多数にのぼり、時間の経過とともに深刻な被害状況が明らかとなっている。
柏崎市を管轄区に含む日蓮宗新潟県西部宗務所(池浦泰樹所長)では、被害状況を宗務院に報告すると共にさらに詳しい情報収集を行っている。以下宗務所から報告のあった各寺院の現状。柏崎市内の東城寺(齊藤憲一住職)、深光寺(高野晃史住職)、正平寺(海老要省住職)の三ヵ寺で本堂が全壊する甚大な被害に見舞われた。また、同市妙行寺(秋山文孝住職)本堂の壁落下、番神堂鐘撞堂の倒壊、福泉寺(山田存璋住職)土蔵の倒壊、長岡市大光寺(山口宏幸住職)では屋根瓦が落ち土台がずれ地割れが発生、刈羽村妙満寺(秋山文裕住職)では本堂と土蔵の壁が崩落するなど相次ぎ、ほとんどの寺院で墓石の倒壊や仏具位牌の落下があった。(次号で詳報)

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2007年7月10日号

本山岩本實相寺で宗門法要

 日蓮聖人が『立正安国論』の構想を練られた本山實相寺の一切経蔵に入蔵なされてから今年で750年を迎え、「日蓮大聖人ご入蔵750年報恩宗門法要」が6月14日、静岡県富士市の本山實相寺(豊田日穂貫首)で営まれた。日蓮聖人が乱れた世の中で人々の安寧を願って執筆された『立正安国論』。参列した僧侶檀信徒五百人は、当時の時代背景と重なる憂慮すべき現代に生きる者として、日蓮聖人がご入蔵なされた意義をあらためて再確認した。

僧侶壇信徒500人が参列

日蓮宗・山静教区・静岡中部宗務所・本山實相寺主催による「日蓮大聖人ご入蔵750年報恩宗門法要」は酒井日慈日蓮宗管長(大本山池上本門寺貫首)を大導師に営まれ、小松浄慎宗務総長、総本山内野日総法主名代の井上瑞雄総務(本山瑞輪寺貫首)をはじめ宗務内局、宗務所長、宗会議員、僧侶檀信徒約五百人が参列した。

 法要に先立ち本堂で記念講演が行われ、平野譲山師(全国布教師会連合会会長)が登壇した。講演の終了と同時に、静岡東部・西部青年会による唱題行脚隊が玄題旗を先頭に山門前から一切経蔵に向けて出発。唱題行脚隊が到着するのを待って、一切経蔵では静岡県中部修法師会による祈願法要が行われた。日蓮聖人が2年間にわたって籠もられた経蔵を行脚隊が囲み、そぼ降る雨のなか力強い唱題と打ち鳴らすうちわ太鼓が響き渡った。
祈願法要終了後、行脚隊は本堂前に戻り玄題旗を奉安。法華和讃振興会「修範」と實相寺和讃講中による和讃奉詠に続き、午後2時から「日蓮大聖人ご入蔵750年報恩宗門法要」が、富士駿河雅楽会の雅やかな演奏にのって厳かに始まった。
酒井管長は敬白文で「正法の興隆なくんば世界の平和あらざるなりの信念のもと、我等異体同心の祖訓を奉じ宗門法要を献じる。時正に宗門は『立正安国・お題目結縁運動』の起年、我等僧俗一体となりての宗門運動は大聖人御入蔵より発するものと心得たり。運動をして円満成就なさしめ給わんことを」を奉告すると、堂外に設けられたモニター画面を祈るように見つめる檀信徒、瞑目して合掌する檀信徒の姿が見られた。
挨拶に立った小松宗務総長は「一切経格護の霊岳にご奉安なされし安国論草稿のご尊像を仰ぎ往時をおしのびいたしますと『立正安国論』の一言一句が現代を生きる私どもの心により響いて参ります。『撰時抄』にお記しになされますようにこの書は、まさに如来使日蓮聖人の教えの根源であり、ご生涯を決定づけた大事の書であります。本日の法会が、日蓮聖人の御心と私ども宗徒の願業が異体同心する法要となりますことを心から願います」と述べた。
次いで大会委員長の豊田貫首が「人々の幸せ、世界の平和は祈ることでは実現しない。一人一人が人間本来の美しい姿に立ち返り、家庭から地域、国家、民族へと、慈悲と愛情と感謝の御仏の教えを実現することによって仏の国土、世界平和が築かれていくと確信しています。大聖人御入蔵七五○年を迎えるにあたり、このような事柄を念願いたし今後の布教の決意とします」と参列各位に謝辞を述べた。

本山岩本實相寺

日蓮聖人が経蔵に籠もられて一切経(大蔵経ともいう)を紐解き、『立正安国論』執筆の構想を練られたといわれる霊跡。
久安年中(1145年頃)に鳥羽上皇の勅願により創建された天台宗の寺院で、寺域は方4キロ、諸堂が甍を並べ、四十九院五百坊を数えたという。高僧円珍によって唐から招来された一切経を格護しており、日蓮聖人在世当時から有名であった。
正嘉・正元(1257~60)の頃、大地震・大洪水・飢饉・疫病、彗星の出現など不吉な現象が相次ぎ、この事態を大いに憂えた日蓮聖人は、その原因を仏の教え(経典)と照らし合わせ、災いの原因を確認し、解決策を求めるために経蔵に入られた。
一切経を一巻ずつ開き、閲読と思考を重ねて丸二年。災いの原因は人々が誤った教えに帰依し、正しい教えを捨てたことにあり、法華経に帰依することが肝要と結論をまとめたのが『立正安国論』である。日蓮聖人は仏の教えが正しく行われることによって、仏国土の顕現がなされると述べられている。

この感激を伝える行動こそ法要の意義のひとつ
平野譲山会長の記念講演

「右ほとけ 左わたしとあわす手の うちぞゆかしき 南無のひと声」で始まった平野譲山全国布教師会連合会会長の記念講演では、まず實相寺山門の額にある「安国道場」の由来を説明。日蓮聖人が国土の荒廃、人の心の荒廃の原因をもう一度お経の中に尋ねるべく、一切経蔵に籠もられた経緯を解説した。
ことに、日蓮聖人が『立正安国論』を草案された時代背景として、地震・飢饉・戦乱などが多発した大変な時代であったこと、そして安穏な国土現出のために思い悩まれた聖人の心情を語り、「『立正安国』とは正しい教えを立て国を安んじること。今の言葉にするなら世界平和と言い換えられる」とした。
自分が安らかになりたい。自分だけではなく家族にも安らかになってもらいたい。近所の人にも、知らない人も。そして国も安らかになってほしい。お題目の縁に連なる人を広げ、安穏な国土を現出させることが日蓮聖人の願いであり、今年の四月から実動した「立正安国・お題目結縁運動」の精神であると語った。
そして、運動のスタートにあたる「ご入蔵七百五十年宗門法要」に参列した感激や幸せを、参列できなかった人たちに伝えて欲しいと力を込め、「伝える行動こそがこの日の法要の意義のひとつでもある」とした。
「750年前の大聖人の魂の叫びが聞こえますか。聞きたいですよね」と平野師が問いかけると、大きくうなずく参列者も見られた。

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新年のご挨拶。

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    中尾堯著
    日蓮宗新聞社
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  • 日蓮聖人―その生涯と教え―

    日蓮宗新聞社編
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