日蓮宗新聞

2007年6月20日号

本山玄妙寺の貫首に渡邉一之師

 静岡県磐田市の本山玄妙寺の貫首に渡邉一之師(神奈川県本長寺住職)が就任し、6月4日、東京大田区の日蓮宗宗務院で辞令交付式が行われた。
辞令伝達にあたり、小松浄慎宗務総長は渡邉貫首を「宗制審議会に身を置かれ、宗門の舵取りを間違えないよう見守ってくださった」と称讃し、「玄妙寺のある静岡県は温暖な土地柄ゆえ、みなさんいい人ばかりです。今後ともますます発展のためにお尽くし頂きますよう宜しくお願い申し上げます」と激励の言葉を述べた。
渡邉貫首は「玄妙寺の復興・隆昌に向かい、老骨に鞭打って精進しなければならないという任の重さを心配しておりましたが、いま温かいお励ましのお言葉を頂き、一生懸命やらなければならないという思いが強まりました」と意気込みを語った。
渡邉貫首は長年宗務院に勤務ののち宗会議員を四期務め、その間財務部長、宗務副総長に就任。また平成13年から同18年まで立正大学学園理事長の任に就くなど、宗内外で要職を歴任してきた。
◇   ◇
◆本立山玄妙寺
顕本法華宗の祖・日什上人が元中2年(1385)に開創した寺院。
日什上人はもと天台宗の学僧だったが、心中の平安を得られず、日蓮聖人の『開目抄』『如説修行鈔』を読んで長年の疑問を解き、66歳で改宗を決意。その後、千葉県の中山法華経寺・真間弘法寺等で宗義の研鑽を重ねた。
日什上人の布教は極めて積極的で、諸国で布教しながら京都を目指し、三度の奏聞を行い、京都妙満寺を開創した。その返路72歳の時に建立されたのが玄妙寺。「日什上人得道の寺」として、「転法輪の寺」京都妙満寺、「涅槃の寺」会津妙國寺とともに什門の三本山と呼ばれる。

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全国日蓮宗青年会 大阪結集

全国日蓮宗青年会(河崎俊宏会長=輪島市妙相寺住職、以下全日青)の「第45回全国日蓮宗青年僧大阪結集」が5月21、22日の両日、大阪市内のホテルで開催され、全国から青年僧約230人が集結した。
今回のテーマは「行動~movement~」。「社会に向かってお題目下種の運動を展開し、仏願成就の化他行を起こすきっかけになれば」と、大阪日蓮宗青年会が中心となって企画された。
開会式で、深川泰宏実行委員長(中央区圓妙寺内)が「この結集で、改めて『立正安国』を全国の青年僧と共に学び、立教開宗、『立正安国論』奏進の苦悶と情熱に想いを馳せ、宗祖の弟子である悦びを共有し、本来あるべき日青会活動を再確認すると共に、祖願を体し、社会に向かってお題目下種の運動を展開し、祖願への報恩行“行動・ムーブメント”を起こす契機となれば」と開会の言葉を述べた。
続いて、河崎会長導師のもと法味を言上。来賓を代表し、奥邨正寛日蓮宗宗務顧問、丸田英宣大阪市宗務所長、中川法政宗会議員が祝辞を述べた。
行学道場では難波宏正師(池田市本養寺住職)を講師に「立正安國管見~理念と実践~」と題した講義が行われた。

難波師は「歩むべき方向や行動をしていくためには宗祖の教えの共通認識を立てなければ」と提案。日蓮聖人のご生涯を「智目行足」「行学の二道」の実践であると解説。諌言の書である『立正安国論』の理念と実践について、『開目抄』『観心本尊抄』など多くのご遺文を参照しながら、「立正安国」の正義を学び、正確にみ心を知る大切さ、本化上行菩薩の流類としての自覚を再確認し正法である法華経を弘め伝えていく使命を話し、『立正安国論』に込められた日蓮聖人の思いを独自の視点から読み解いた。
講義後、6グループに分かれての分散会と、難波師の講義内容を踏まえ、難波師と村尾泰孝師(中央区寳泉寺住職)による対談が行われ、仏願祖願を正確に認識・共有し、化他行へ動いていくことの重要性などが話された。
翌22日は、代表者会議、総会が行われた。会議では水野英修師を議長に選出。担当委員長から昨年度の報告と監査。今年度の活動計画、予算案、20年度結集開催などの議題が審議された。続いて、代表者会議での決定事項を踏まえ、総会が開催された。今年発生した能登半島沖地震、三重県中部地方地震の被災を受け、連絡網を含めた組織の整備が災害救援活動の課題として提案された。
総会後、河崎会長が大阪結集宣言として「立正安国の正義を学び、理解し、互いに意見を交わすことにより、本化上行日蓮大聖人の御弟子である自覚を新たにし、我々の使命は仏願成就も化他行であるお題目下種に邁進することをここに宣言する」と力強く述べた。
来年の全日青結集は熊本で開催される予定。

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2007年6月10日号

日蓮宗綜合財団賞・奨励賞

綜合財団賞
皆さんのお役に立てたら幸せ 佐古師
全国の保護司が頂いた賞 北村師
後進の育成に努めたい 渡邉師

奨励賞
子どもたちのため頑張ってきたことが花開く
寺尾師「700年伝えていかねば…」

 日蓮宗綜合財団賞(伊藤通明理事長)は5月23日、東京・品川のホテルパシフィックで第24回日蓮宗綜合財団賞・第16回日蓮宗綜合財団奨励賞の授賞伝達式を行い、全国の宗務所長ら約200人が出席した。

今年度の綜合財団賞は、布教伝道部門で佐古亮尊師(長崎県大村市本経寺住職)、社会教化部門で北村日照師(大阪府堺市櫛笥寺住職)、学術研究部門で渡邉宝陽師(東京都足立区法立寺住職)の3人が受賞。綜合財団奨励賞は、社会教化部門で実勝寺夏休みこども道場(北海道芽室町実勝寺・内山智修住職)、学術研究部門で寺尾英智師(東京都台東区妙音寺)の一団体と一人が受賞した。
はじめに伊藤理事長が授賞経過を報告し、受賞者を紹介。小松浄慎宗務総長が宗門の発展のためにご尽力頂きたいと祝辞を述べ、伊藤理事長から受賞者に賞状と副賞の盾が贈られた。
布教伝道部門の佐古師は謝辞の中で、「今までやってきたことに対し反省と同時に、認めて頂いたという喜びを感じます。49年間続けている中で、やめたいと思うことも何度もありましたが、やめてしまえば自分自身が色々な物を読まなくなってしまうのではという心配がありました。布教という純真な動機ではなく、自分自身がダメにならないようにとの思いでやってきたものが皆さんのお役に立てたならば幸せです」と喜びを語った。
社会教化部門の北村師は「保護司という職責は犯罪を犯した人の更生を願い努力をすることで、刑務所から出て困っている人を宗教家がお寺に泊めたのがはじまりです。しかし最近になり、宗教家の比率が少ない現状に心を痛めています。今回の受賞は私個人ではなく、全国の日蓮宗保護司に頂いたと思っています。これを契機に若い方が保護司として育っていき、世界の安全な町作りのために尽力する人が一人でも増えることを期待します」と挨拶した。
また学術研究部門の渡邉師は戦争によって多くの先輩が亡くなり、また寺門復興のために勉強の道を断念した方が多かったために、自らの活躍の場が与えられ、多くの方に導きと励ましを頂いたと話し、「学問の世界は勢いがなくてはなりません。今後は若い諸君の勉強を支え、お手伝いをしていきたいと思います」と後進の育成に努めていくことを誓った。

 奨励賞を受賞した実勝寺夏休みこども道場からは内山住職はじめ青年会員の檀信徒6人も登壇。青年会の歴史を話し、子どもたちのために頑張ってきたことが花開いたことを喜ぶとともに、今は若い世代の第二次青年会づくりに躍起なっていると今後の意欲を見せた。
寺尾師は自身の日蓮聖人ご真蹟の研究は宗門の先師、寺院の理解やご協力がなくては成しえないと、関係各聖に感謝を述べ、「聖人のご真蹟は今日まで七百年伝えられてきました。今後私たちも少なくとも700年は伝えていかなければなりません。そのお手伝いができれば」と謝辞を述べた。
その後、宗務所長会議開催中に当たり、議長を務めた合川天心師(長崎県宗務所長)が代表して祝辞を述べ、終了。祝宴では多くの人々が受賞者に労いの言葉をかけていた。

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新年のご挨拶。

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