日蓮宗新聞

2007年5月10日号

世界平和を願う「いのりのメッセージ」

 自死遺児救援・災害支援・国際協力への寄付を目的とした「いのりんぴっく2007~バザー&フリーマーケット~」が5月3日、東京都大田区の池上本門寺朗峰会館駐車場で開かれた。好天に恵まれたゴールデンウィークの中日とあって家族連れなど大勢の来場客でにぎわう中、小松浄慎宗務総長が「いのりのメッセージ」を読み上げた。
この催しは、東京都南部宗務所(石井隆康所長)が自殺で親を亡くした子どもたちの救援や自殺者の減少に取り組んでいる「あしなが育英会」への支援、また、世界各地の大規模な災害支援、紛争や貧困、環境等の諸問題に対応するための国際協力基金への寄付を目的に行っているもので、今年で7回目。
“バザーの売上金で世界の悩み苦しみを少しでも減らすことができたら”と、池上本門寺や日蓮宗宗務院、池上地区商店連合会など多団体の協力を受けて行われた。

 午前10時、石井所長の挨拶で開幕。会場には、南部宗務所管内寺院の檀信徒によるみそ田楽、カレーライス、フランクフルトなどの出店、「アーユス仏教国際協力ネットワーク」「ラオスの子ども」「TM良薬センター」など世界で活動するNPO団体の活動を紹介するブース、また、一般応募のフリーマーケットがびっしりと並び、会場入り口では宗務院職員が寄付を募るティッシュを配布、場内でも募金箱を手に来場者に呼びかけた。
ベビーカーをおす若い夫婦や、年配のグループなど老若男女が次々と訪れる中、小松浄慎宗務総長、伊東隆司伝道局長、梶山寛潮伝道部長も来場。会場を見学した後、“みんなの心が一つになれば大きな力になる”をコンセプトにスタッフや「あしなが心塾レインボーハウス」の若者達の手形が押された布に、小松総長、伊東局長、梶山部長も手に絵の具をつけて参加した。

正午過ぎには、小松宗務総長が世界の平和を願う「いのりのメッセージ」を発信。神奈川県一部青年会と宗務院職員が会場の中をうちわ太鼓を手にお題目をあげながら朗峰会館正面に進むと、小松総長が登壇し「私たちは祈ります。生けるものの全てが生命の大切さを知り、報恩の心を持って、平和に暮らせる日々を。(中略)日蓮宗は、本年4月より宗門運動『立正安国・お題目結縁運動』を実動いたしました。この運動は、縁ある人から未だ縁無き人まで、すべての人々にお題目との縁を結ばしめ、立正安国の実現を目指す『社会をつくり、人をつくる』信仰運動であります。皆さま一人ひとりの祈りを現代社会へ伝え、世界の人々が手を取り合い、共に世界平和の実現を目指しましょう」と読み上げ、来場者とともにお題目を三唱した。
ミニSL乗車コーナーに子ども達が列をなし、「池上太鼓」が軽快なリズムを刻みながら動きのある振り付けを披露。にぎわう会場をよりいっそう盛り上げていた。
毎年出店している常圓寺衾結社(東京都目黒区、古河良晧住職)の檀徒は「準備は大変ですが、世界平和への寄付という目的があるので充実しています」と語っていた。

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日蓮大聖人御入蔵750年宗門法要

日蓮聖人が正嘉2年(1258)に『立正安国論』の構想を練られた岩本實相寺の一切経蔵に入蔵なされてから、今年で750年の慶年を迎える。このたび日蓮宗・山静教区・静岡中部宗務所・本山岩本實相寺主催による「日蓮大聖人御入蔵750年宗門法要」が6月14日(木)、静岡県富士市の本山岩本實相寺で営まれる。
本山岩本實相寺(静岡県富士市・豊田英世貫首)は日蓮聖人が経蔵に籠もられて一切経(大蔵経ともいう)を紐解き、『立正安国論』執筆の構想を練られたといわれる霊跡。
久安年中(1145年頃)に鳥羽上皇の勅願により創建された天台宗の寺院で、寺域は方4キロ、諸堂が甍を並べ、四十九院五百坊を数えたという。高僧円珍によって唐から招来された一切経を挌護しており、日蓮聖人在世当時から有名であった。
正嘉・正元(1256~60)の頃、大地震・大洪水・飢饉・疫病、彗星の出現など不吉な現象が相次ぎ、この事態を大いに憂えた日蓮聖人は、その原因を仏の教え(経典)と照らし合わせ、災いの原因を確認し、解決策を求めるために経蔵に入られた。

 日蓮聖人は一切経を紐解いた理由として、
「予正嘉・文永2ヵ年の大地震と大長星とに驚いて一切経を開き見るに」(強仁状御返事)
「其故は去る正嘉年中の大地震、文永元年の大長星の時、内外の智人其故をうらなひ(占考)しかども、なにのゆへいかなる事の出来すべしと申す事をしらざりしに、日蓮一切経蔵に入り勘へたるに」(中興入道御消息)
と仰っている。
一切経を一巻ずつ開き、閲読と思考を重ねて丸二年。災いの原因は人々が誤った教えに帰依し、正しい教えを捨てたことにあり、法華経に帰依することが肝要と結論をまとめたのが『立正安国論』である。

 日蓮聖人は仏の教えが正しく行われることによって、仏国土の顕現がなされると述べられている。「立正安国・お題目結縁運動」が実動した今、日蓮聖人が立正安国の世を目指した発願の聖地で、私たちもあらためて正法の教えを確認しておきたい。日蓮大聖人御入蔵750年宗門法要は、自身の信仰を見つめ直すよい機会ではないだろうか。

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2007年5月1日号

大本山誕生寺「布教殿堂」完成奉告式

日蓮聖人御降誕800年に向けて建立

立正安国下種結縁の道場として弘く正法流布の発信の地に

 日蓮大聖人ご降誕の霊地・千葉県鴨川市の大本山誕生寺(石川日貫首)が、平成33年2月16日の日蓮大聖人御降誕800年に向けて建立を進めてきた「布教殿堂」が落成を迎え、4月6日、完成奉告式が営まれた。
この日、石川貫首は体調を崩されて出仕できなかったため、奉告式は干与人の静岡県本山佛現寺板垣日祐貫首を導師に営まれ、酒井日慈日蓮宗管長猊下、内野日総総本山身延山久遠寺法主猊下名代・井上瑞雄総務(東京都本山瑞輪寺貫首)、小松浄慎日蓮宗宗務総長をはじめ、全国から僧侶檀信徒約450人が参列した。

板垣本佛寺貫首は奉告文を代読し「常置会の賛同を得、全国有志寺院、檀信徒から寄せられた浄財によりここに無事円成の運びとなる」「立正安国下種結縁の道場として弘く正法流布の発信の地とならんことを熱祷し奉る」と石川貫首の謝意を伝えた。
その後、設計・施工部門で㈱日本設計と清水建設㈱、功労者部門ではアスカ仏商が代表して板垣貫首から感謝状と記念品を受け取った。
酒井管長猊下は挨拶で石川貫首の思いを汲まれ、「石川猊下はお若い頃から布教活動に専念された、宗門を代表する布教の第一人者です。その石川猊下が長年心に留めていたのが布教殿堂の建立でした。完成した今、石川猊下が一日も早くお元気になられ、この布教殿堂で雲を突く龍のごとく布教されることを心から願っております。おめでとうございます」と祝意を表された。続いて井上総務と小松総長が祝辞に立ち、布教殿堂の落慶を祝った。
引き続き布教殿堂前で力強い開眼修法が執り行われ、奉告式が終了した。

快適な研修空間
 “みんなにやさしい建物”を目指して建立された「布教殿堂」は3階建てで、1階は寺務所と多目的研修室、2階と3階は会議室や檀信徒控え室として利用される。障害者用トイレやエレベーターなどバリアフリーが積極的に取り入れられ、床暖房も完備。またデザイン性に富み、屋根や大きな窓からの採光の工夫もなされるなど、光あふれる快適な空間が整えられた。
新宗門運動が実動した今、この新しい殿堂にお題目下種結縁の地としての役割が期待される。

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新年のご挨拶。

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    日蓮宗新聞社
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    日蓮宗新聞社編
    日蓮宗新聞社
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