日蓮宗新聞

2007年3月20日号

新潟妙栄寺、新天地で地鎮祭

豪雨・流失から復興へ力強い読経響く 異体同心で寺観整備

 平成16年7月に新潟県と福井県を襲った集中豪雨で境内のほぼすべてを流された新潟県長岡市中之島町妙栄寺(望月是範住職)の移転が決まり、3月3日、新天地である同市中之島古新田の敷地で地鎮祭が行われた。
3年前の7月13日、長岡市中之島町を流れる信濃川水系の刈谷田川の堤防が決壊し、中之島町・長岡市・見附市など広範囲で浸水。中之島町は一千戸以上もの家屋が全壊・浸水し、人命も奪われる大災害となった。
慶長7年(1602)に開創され400年来の歴史を持つ妙栄寺は、祖師銅像を残して本堂や落慶目前の位牌堂、墓地などすべてが流される甚大な被害を被り、力強く凛と立つ日蓮聖人のお像だけが無事だった。

 移転先は、災害にあった寺地から約1キロほどいった長岡市中之島古新田1781-1。ようやく復興のめどがつき、2月25日、本堂・墓地が流された旧地で施餓鬼法要を行い、僧侶檀信徒約50人で先祖供養を行った。
3月3日、春の到来を思わせる暖かな陽気の中、新天地・古新田にテントが立てられ、望月住職を導師に妙栄寺の地鎮祭が行われた。土地を四19画に区切り区画ごとに土の吉凶を定め、凶の部分を清める日蓮宗伝統の「四十九院法」で地割りし、荒縄を張り巡らされ整地した本堂建設地に僧侶檀信徒130人が参列した。

力強い読経の声が響き渡り破魔矢、鍬入れの儀などが行われ、子弟の望月是祥師(新潟市寶泉寺住職)を修法導師に四方を清めた。唱題では、妙栄寺の復興を願っていた檀信徒が、うちわ太鼓を手に喜びのお題目を声高らかに唱えていた。
吉田所長は「災害から2年経ち、今日の移転まで住職・檀信徒の皆さまのご苦労は察するに余りあります。本堂の無事落慶をお祈り申し上げ、この新たな妙栄寺を法華経の道場として発信してください」と労いとお祝いの言葉を述べ、来賓の宮川了篤身延山大学学長は「今日行いました、地鎮祭は、身延山に古くから伝わる“四十九院法”といいまして、仏さまの世界を現しています。前日から修法師の皆さんと準備し、無事に式を執り行うことができました。この地鎮際の意味をご理解いただき、住職・檀信徒の皆さんで復興のためご尽力下さい」と挨拶した。
 続いて、檀信徒を代表して総代の平賀正平氏が「妙栄寺が一気に飲み込まれた時は、言葉も出ませんでした。それを思うと今日の地鎮祭を行うことができたことは、感銘ひとしおです」と喜びを語った。
最後に望月住職が「いろいろありましたが、全国の日蓮宗寺院・檀信徒の皆さまをはじめとするご支援を得まして地鎮式ができました。今日は感激の極みです。仏祖の加護のもと、檀信徒と共に異体同心で寺観整備にあたります。多くの皆さまに御礼申し上げます」と感謝の言葉を述べた。
3月末から祖師像などをはじめ、移転が始まる。これからの本堂落慶を目指し、望月住職をはじめ寺族・檀信徒は新たな一歩を踏み出した。

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新年のご挨拶。

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