日蓮宗新聞

2007年1月10日号

モンゴル語の「法華経」奉納

エルデネバットさん「法華経」通じ日本とつなぐ

 蒼い草原の国モンゴルで日蓮聖人を慕い法華経を読誦すること7年。モンゴルの僧侶エルデネバットさん(34)が昨年12月、総本山身延山久遠寺と身延山大学、立正大学を訪問し、モンゴル語に翻訳した法華経を奉納した。
このモンゴル語法華経は、モンゴル文字がソ連圧政時代以降、使用禁止となっているためにキリル文字を刷って表音している。
法華経を通しモンゴルと日本を繋いだのは、エルデネバットさんがモンゴルで知り合った日蓮宗僧侶との出会いだった。

エルデネバットさんが、モンゴルの仏教宗派ウパサカ宗の僧侶となったのは19歳の時。ロシア軍が撤退したことによって宗教が解放され、圧政時代に徹底的に破壊されたモンゴル仏教の勉強をしていた。
出家後、モンゴルラマ教の総本山ガンダン寺で四年間学んだエルデネバットさんは、ブンヤン寺を創建し、古いお経の研究とお経をわかりやすく解読したものを無料で配布する活動を始めた。
『法華経』に出会ったのは27歳の時。破壊破棄され散逸した仏典を収集するうち、偶然、法華経が目に止まり、「今の社会の早さに追いつけるのは法華経の力しかない。現代社会に浄化と対立解決をもたらすのは、まさに末法の世に法華経を広める使命を持った四菩薩ではないか」との天啓を受けた。
研究を進める中で、忍耐強く勇気に満ちた宗教家日蓮聖人と日蓮聖人が開いた日蓮宗の存在を知り、日蓮聖人と迫害を受けたモンゴル仏教者達との姿が重なり、是非とも「日蓮宗の法華経をモンゴルに広めたい」と思うようになった。
日蓮宗との接点を求めて方々にたずねてみたものの、良い結果は得られないままでいた昨年8月。慰霊のためにモンゴルを訪れていた東京都墨田区春慶寺住職、齋藤堯圓師との出会いが、エルデネバットさんに大きな喜びをもたらした。
齋藤師は、モンゴルで開拓団の警備に携わっていたことがある父親から常々「供養に行ってほしい」と言われていたが機会に恵まれず、ようやく父親の悲願を叶えた訪問だった。
お互いの事情を知らず、モンゴルと日本の僧侶として話をしていた時、たまたまエルデネバットさんの手元にあった法華経の本がきっかけとなり、エルデネバットさんが日蓮宗との接点を求めていたこと、齋藤師が日蓮宗の僧侶であることがわかり、お互いが「運命を感じた」という。
昨年12月3日、エルデネバットさんは齋藤師の導きで来日。7日まで齋藤師と共に総本山身延山久遠寺、身延山大学、立正大学を訪れた。
身延山に訪れた4日は御廟所を参拝し、藤井日光前法主の本葬儀に参列した。久遠寺では内野日総法主猊下はじめ小松浄慎宗務総長・日蓮宗國際佛教親交会の持田貫宣理事長(千葉県本山藻原寺貫首)・渡邉一之立正大学前理事長に面会し、身延山大学では池上要靖教授に面会。
6日は東京品川区の立正大学を訪れ、高村弘毅学長・及川周介理事長・北川前肇仏教学部長・坂輪宣敬法華経文化研究所長・則武海源国際交流センター長らの出迎えを受けることができた。
エルデネバットさんは「正しい情報を得ることができなくなった世の中で、仏教徒が一つになることが平和につながるのではないでしょうか。正しい宗教を拝めば世界は良くなります。法華経をモンゴルに広めるため、日蓮宗との関係を深めながら法華経の更なる布教に励みたいと思います」と目を輝かせていた。

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