日蓮宗新聞

2006年12月20日号

藤井日光上人 本葬儀

 9月21日に遷化された、身延山久遠寺前法主(第91世)で日蓮宗前管長(第49・50代)の藤井日光上人(妙道院日光上人)の本葬儀が12月4日、山梨県身延町の総本山身延山久遠寺本堂で、全国から参列した僧侶檀信徒約1500人が見守る中、しめやかに行われた。

本葬儀に先立ち、本通夜が前日3日の午後6時から久遠寺仏殿で井上瑞雄身延山久遠寺総務を導師に営まれ、遺弟・遺族を中心とした関係者約150人が参列した。
本葬儀は、4日午後1時から日蓮宗管長・大本山池上本門寺貫首の酒井日慈猊下を大導師に、樋口是澄師(覚林坊住職)・貴家是勝師(北之坊住職)・池上玄庸師(山本坊住職)・町田是正師(延寿坊住職)を副導師に、身延山支院僧侶が出仕して営まれた。
 式中、酒井管長猊下がご宝前で歎徳文を読み上げ、「日光上人の人となりは、誠実にして闊達、思慮深く他に接するに慈愛温情溢るるものあり。あたかも雲を呼ぶ龍の如く、その布教活動の行跡は面目躍如たるものあり、上人の行くところ不可無きが如く衆人の瞠目するところとなる」と讃えた。
内野日総身延山久遠寺法主猊下・井上総務・遺弟・親族が焼香し、遺影を前に静かに合掌。読経が続く中、仏教界各代表・宗門関係者はじめ、本堂を埋めつくす参列者と、本堂に入りきれず境内で参列したすべての人々が日光上人を偲んで香を手向けた。
その後、小松浄慎宗務総長、堀龍雄身延山参与(厚木市本山妙純寺貫首)、檀信徒を代表して衆議院議員の堀内光雄身延山参与が弔辞を述べ、安部晋三内閣総理大臣からの弔電が読み上げられた。
堂内に響き渡る唱題と大導師による回向の後、日光上人の遺骨が遺弟・遺族に分骨され、最後に井上総務が挨拶に立った。井上総務は「日光上人の悲願である身延山五重塔再建の円成こそが、上人に対する最大の御報恩であると確信し、全山一丸となって精進して参ります」と参列者に感謝の意を述べた。
法要後、久遠寺境内で「四門三匝之義」が営まれ、晴れ渡った青空の下、ご遺骨の納められた霊龕と井上総務・遺弟・遺族が葬列をなし、この日のために造られた四つの門をゆっくりと3回巡った。
葬列はそのまま西谷へ向かい、日蓮聖人御廟の脇にある歴代廟に到着。ご遺骨が丁重に埋葬されると、一人ひとりが焼香をし、改めて日光上人の増円妙道を祈念した

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2006年12月10日号

御寶蔵落慶法要と御霊寶収蔵式

静岡県富士宮市の大本山北山本門寺(本間日諄貫首)で国庫補助対象事業として進められてきた収蔵庫の建設とその周辺整備が完了した。完成した収蔵庫は、耐震耐火、防水、セキュリティー完備に加え、自然湿度調整のために万全な機能が設備されており、国及び県指定文化財をはじめ宗宝、准宗宝約200余点が収蔵される。この事業は本間貫首の晋山以来の悲願であり、この度安全な収蔵庫の建設事業が見事完遂した。
12月1日に営まれた御寶蔵落慶法要と御霊寶収蔵式では、数ある霊宝のうち宗宝一点、国宝一点、県指定一点の三点が、秋晴れに輝く真新しい収蔵庫に納められた。

 完成した収蔵庫は鉄筋コンクリートの平屋で、銅板葺25・2m。正面上部に本間貫首揮毫の棟札を掲げ、庫内には収納タンスが左右向き合うように並んでる。
本門寺境内には幅約1m強の北山用水が通っているために湿気が多く、その対策として高床式構造にし湿度調整のため板を固定しない「落とし壁」工法が用いられた。また、内部四隅に通気口を設け、特殊な柵や地下構造にも工夫が施されるなど、適正な保存管理を徹底するために万全な機能が整えられた。
本間貫首は平成15年8月、中尾堯立正大学名誉教授指導のもと国庫補助対象事業としての収蔵庫建設を発意。「収蔵庫建設推進委員会」を組織し、設計を進めながら文化庁をはじめ関係機関と協議を重ね、平成16年1月、国庫補助対象として採択されるに到った。

その後、各方面に勧募を呼びかけ、同年12月10日、本間貫首を導師に地鎮式を行い着工。平成17年3月31日に収蔵庫本体が完成した後は、本門寺単独事業として渡り廊下や玉垣の設置、旧ご宝蔵の改修工事など周辺整備事業を行い、今秋すべての工事を終了した。
一日の御寶蔵落慶法要には、法縁寺院や檀信徒、関係者約80人が参列。ご宝前に霊宝三点を奉安し、井出教道執事長を導師に営まれた。式中、収蔵庫建設の指導にあたった中尾名誉教授と、光建業株式会社(富士宮市)、針谷建築事務所(静岡市)の二社に感謝状と記念品が贈られ、収蔵庫建設推進委員会の事務局長を務めた川名義顕師(富士宮市法華寺住職)が経緯経過報告を行った。
挨拶に立った井出執事長は、「国、県、市、法縁の皆さま、檀信徒の方々、そして司判、由緒家、山林農地部の皆様のご厚意、ご尽力によりまして、本門寺が懸案としていました安全な宝蔵庫を無事建設することができました」と、建設に尽力した各方面の関係者に謝意を表した。
御霊寶収蔵式では、読経のあと参列者に内部が披露され、「日蓮大聖人御曼荼羅(宗宝)」「貞観政要(国重文)」「重須曽我物語(県指定)」が納められた。日蓮大聖人御曼荼羅は別称「鉄砲御本尊」と云われており、徳川家康が武田攻めの際にお守りとして懐中に所持していたところ、相手方の弾が御本尊にあたり難を免れたといわれ、本門寺境内に流れる北山用水は、その報恩の意を込め引かれたもの。
ご宝蔵に収蔵される霊宝は、年に一度4月13日に行われる「御霊宝お風入れ法要」で公開される。

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宗門先師追悼法要 池上本門寺

 布教に尽力しながらも遷化した宗門僧侶を追善供養する「第36回宗門先師追悼法要」が11月21日に大本山池上本門寺の本殿で行われ、230人の遺族・関係者が参列した。 僧侶が亡くなったことを仏教では遷化という。これは、僧侶がこの世での教化を終えて他国土の教化に遷るという意味である。 宗門では、その年の一年間(10月1日から翌年の9月30日の間)で、遷化の届出のあった僧侶に対し、遺族と共に回向を捧げる先師追悼法要を毎年行っており、今回で36回を数える。 平成17年10月1日から本年9月30日までの間に宗務院に遷化の届出があった先師は137師。

法要は午前11時から、酒井日慈日蓮宗管長(大本山池上本門寺貫首)を大導師に、平井照山宗会議長と井出存祐審査会長を副導師に厳修され、全国から参集した161人の遺族をはじめ、宗務役員・宗務所長代表など関係者70人余が参列した。
法要中、小松浄慎宗務総長が追悼文を奉読し、「遷化なされし諸上人、在りし日の化導を偲びみるに、常に妙法蓮華経を広宣流布すること怠らず、時あらば檀信徒に清浄の功徳をもって教化指導し、地域においては社会の浄化に携わり慈愛徳風を広く世に及ぼすところなり。すなわち先師各聖が智慧の光明は現世の闇を照らし、慈悲の念深くして万人の規範となる。ここに、門弟・遺族・有縁の檀越と共に本年遷化せらる先師上人の増円妙道を心より祈念するものなり」と述べた。
続いて副導師により137先師全員の名前が読み上げられると、参列者は合掌し深々と頭を下げていた。
その後、本門寺朗峰会館でお斎の席が設けられ、遺族を代表して石井隆康師(東京都目黒区立源寺住職)が挨拶し、第36回宗門先師追悼法要を終了した。

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新年のご挨拶。

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