2006年8月10日号
由緒寺院瑞輪寺の貫首に、井上瑞雄師が就任
東京都台東区谷中にある由緒寺院瑞輪寺の新しい貫首に、身延山久遠寺総務の井上瑞雄師(自坊=東京長耀寺)が就任した。今回の貫首交代は、前貫首の内野日総猊下が総本山身延山久遠寺の第92世法主に就任したことを受けたもの。
8月3日、東京大田区の日蓮宗宗務院で井上師への貫首辞令交付式が行われた。
小松浄慎宗務総長は、「身延山総務のお役目もあってご多忙とは存じますが、お体をご自愛なされてご尽力いただきますようお願いします」と述べ、井上新貫首は「歴史と伝統を継承することへの大きな責任を痛感しております。宗門と祖山の発展に努めて参ります」と挨拶した。
【慈雲山瑞輪寺】
天正19年(1591)、身延山久遠寺第17世慈雲院日新上人が親交のあった徳川家康公から江戸馬喰町に百間四面の寺地を拝領し、身延山久遠寺江戸弘通所(触頭)として創建したのがはじまり。
慶安2年(1649)、江戸有数の寺町である谷中に移転し、江戸の十大祖師「除厄・安産しゃもじ(飯匙)の祖師」を奉安して信仰を集めた。
また身延山久遠寺第36世六牙院日潮上人を縁祖とする「潮師法縁」の縁頭寺として、現在も全国潮師法縁600ヵ寺の先頭に立っている。
今年4月に日蓮宗由緒寺院(本山)に昇格し、平成16年には江戸開府400年を記念して本堂・山門・鐘楼・参道・諸堂の大修復を行うなど境内整備が進んでいる。