2006年6月20日号
本山瑞輪寺由緒寺院 顕彰慶讃音楽大法要
今年4月に由緒寺院に昇格した東京都台東区谷中の本山瑞輪寺(内野光徳貫首)で6月12日、昇格を奉告する瑞輪寺由緒寺院顕彰慶讃音楽大法要が行われ、僧侶檀信徒約300人が参列した。式は内野貫首を導師に、橘雅友会による雅楽の調べにのって雅やかに営まれ、法華和讃や舞楽の奉納がいっそうの華を添えた。
小松宗務総長から内野貫首に由緒寺院の認可伝達がなされ開式。内野貫首がご宝前に進み瑞輪寺の歩みを奉告し、続いて千葉県大多喜町妙光寺和讃会による法華和讃と、舞楽『陵王』の優美な舞いが奉納された。
小松宗務総長は、身延山久遠寺江戸弘通所触頭として創建され祖師信仰の霊場として栄えた瑞輪寺が由緒寺院に昇格したことに、「お祖師さまから新たなる飛躍の時と弘通の大任がご下命されたものと感得する次第です」とお祝いの言葉を贈った。また、「やわらかなる物腰の中にも、信念堅く身を持するに厳格」な内野貫首の人柄を讃え、「お祖師さまの慈光をますます輝かせ、この地の利を活かし、枯れたる今の世に慈雲山の山号に相応しい仏祖の潤いを及ぼされますことを強く信じご期待申し上げます」と結んだ。
続いて総本山身延山久遠寺の井上瑞雄総務、大本山誕生寺の石川日命貫首、瑞輪寺筆頭総代の廣野十朗氏が祝辞に立った。井上総務は、「貫首猊下には91世法主藤井日光猊下総務就任のその信頼篤く副総務として、また藤井法主就任よりは祖山常置会常任議員として祖山繁栄常に第一と思し召すお心は、この瑞輪寺と祖山身延山久遠寺が誠深きご縁にて結ばれしことに大いなるご使命をお持ちになられたことと拝察するところです」と内野貫首に心からの敬意を表した。
石川貫首は日蓮聖人の『法華取要抄』から「逆次にこれを読めば滅後の衆生を以て本となす」の一節を取り上げ、「法華経を流通分の心で読み、滅後末法の衆生を救済せんとのお釈迦さまの御心を今の私たちが受け止めるということではないでしょうか。どうぞ法縁の本山としてその陣頭に立たれ、正法流布の本山たらんことを願ってやみません」と力説した。
かわって筆頭総代の廣野氏が挨拶に立ち、「菩提寺が今般本山に昇格できましたことは誠に光栄のことと存じ、檀家を代表し大変喜ばしく感慨無量の思いです。檀家であることを誇りに思い日蓮大聖人の教えを守り、瑞輪寺の護持丹精致すつもりです」と清々しく喜びを語った。
内野貫首は参列した僧侶檀信徒に謝意を表し、「瑞輪寺は今後も皆さまの信仰の拠点として幅広い役割・活用がなされますよう、そのためのさらなる整備計画、多目的大客殿建設計画がございます。その計画実現に向け、檀信徒の皆さまをはじめ関係各位の深いご理解と力強いご協力をご期待申し上げます」と抱負を述べ、由緒寺院の認証を祝う歴史的な法要を締めくくった。
慈雲山瑞輪寺
江戸時代から続く寺町の風情を残す谷中に伽藍を構える。江戸の十大祖師「除厄・安産しゃもじ(飯匙)」として信仰を集め、また、身延山久遠寺第36世六牙院日潮上人を縁祖とする全国潮師法縁の縁頭寺として約600ヵ寺の陣頭をとっている