2006年3月1日号
第785回宗祖御降誕会
日輪の光を受け浜辺には蓮華が咲き乱れた――日蓮聖人の誕生譚が伝わる千葉県鴨川市大本山誕生寺(石川日貫首)で2月16日、第785回宗祖御降誕会が営まれた。この聖日を日蓮聖人の御降誕の聖地で祝おうと、地元をはじめ山梨や岡山からも多くの檀信徒が参列した。
午前11時、小雨の降る中、日蓮聖人のご幼像を乗せた御神輿と共に、僧侶檀信徒が妙蓮寺(上村貞雄住職)から誕生寺までをお題目を唱えながら練り行列。誕生寺祖師堂前で法味言上を行い、ご幼像が遷座された。
午後1時、誕生寺祖師堂で第七八五回宗祖宗祖御降誕会が石川貫首を導師に営まれ、約30人の僧侶が出仕。法要中、石川貫首が慶讃文を読み上げ、読経の中、焼香が行われた。
小松浄慎宗務総長が挨拶に立ち、「石川貫首猊下がご入山以来、晨朝法話を第一に取組み、有縁の人々の真心を受けて布教殿堂の建立を推し進められていますが、それは日蓮聖人御降誕の聖地から蘇生の願いが強く発せられると感じます。すべての人々の心にお題目の仏種を植え、仏祖の慈光を受けて等しく開花する時、社会の中に立正安国の果実が結ばれると信じ、菩薩の浄行に精進することを誓います」と述べた。
最後に石川貫首が、建築中の布教殿堂が順調に進んでいること、平成33年の御降誕800年に向けて熱意を述べると共に、「今、社会や秩序そして人間の心が乱れています。この世界をもう一度蘇らせるのは、お題目を唱える私たちです。御降誕会は宗門の出発点です。日蓮聖人のお誕生日と言うだけでなく、お題目そして法華経の誕生日と理解し、一緒に世界にお題目を弘めるためにお力を頂きたい」と挨拶を行った。
法要終了後、千葉南部和讃会27ヵ寺、193人の寺庭婦人と檀信徒が和讃の奉詠を行い、美しい声を響かせた。続いて、修法師会出仕による特別祈祷が行われた。