日蓮宗新聞

2006年2月20日号

池上本門寺に2万人

立春前日の2月3日、全国各地で福を呼ぶ節分の豆まきが行われた。
東京・大田区の大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)では、裃を身につけた年男と年女が池上町内を練り歩き、大堂に入堂。午後2時からの追儺式法要は、酒井貫首を導師、東京南部修法師会を式衆に営まれた。法要が終わると、酒井貫首の「本年もみなさま幸せな一年でありますように」の声に合わせ、堂内豆まきが行われた。
引き続き午後3時からは境内で豆まきが行われた。大堂前に設置された特別桟敷に年男、年女やプロレスラーの天龍源一郎さん、タレントの大竹まことさんなどゲスト132人がズラリと並んだ。梵鐘の合図と共に豆まきが始まると、テレビで大活躍中のみのもんたさんの前に陣取っていた奥さま方が大声援。境内を埋め尽くした約2万人が、福を求めて一斉に手を伸ばした。用意された豆袋約3万袋はわずか3分のうちに無くなり、参詣者は笑顔で本門寺を後にした。

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佐渡市本行寺 宗門史跡に

日蓮聖人および宗門に由緒ある重要な事跡である“宗門史跡”。こたのたび、「日蓮聖人佐渡御着岸の地」として新潟県佐渡市松ヶ崎の本行寺とその周辺が宗門史跡の認定を受けた。今回の認定は18番目となる。
松ヶ崎本行寺とその周辺は日蓮聖人が佐渡に配流の途上、着岸された記念すべき地。
鎌倉で布教活動を行っていた日蓮聖人は文永8年(1271)9月12日、幕府によって捕らえられ、斬首の危機に直面した龍口法難に遭う。その後、佐渡流罪になり一行は10月22日に寺泊(新潟県長岡市)に到着。数日後に荒れ狂う佐渡の海を渡り、松ヶ崎に着岸。日蓮聖人が佐渡の地に第一歩を踏み入れた記念の地として、弘安2年(1279)に建立されたのが本行寺である。

先代住職の悲願叶う

昨年8月2日に遷化された先代住職の武藤孝輝上人は病床の中、本行寺の宗門史跡認定を切望していた。中尾堯立正大学名誉教授から「宗門史跡認定への実地調査が本格的に始まりますよ」との言葉を受けた翌日、息を引き取ったという。武藤孝臣現住職は、「父も安心していると思います。私自身、この認定を受け、改めてこの地の重要性というものを再確認いたしました。父の遺志を継ぎ、檀信徒と共に護持丹精に精進し、宗門史跡として宗門の中でできることをやっていきたい」と抱負を述べた。
佐渡島は日蓮聖人が『開目抄』や『観心本尊抄』を著し、『大曼茶羅本尊』をはじめて顕された日蓮門下にとって重要な聖地。現在本山が3ヵ寺(根本寺・妙照寺・妙宣寺)あり、宗門史跡はこのたびの認定で2ヵ寺となった(もう一つは實相寺)。また松ヶ崎周辺には日蓮聖人がその下で一夜を過ごされたと伝えられる「おけやき」の大木や小倉峠のお題目宝塔、小倉地区のお梅堂があり、本行寺と合わせて史跡認定を受けている。
 調査に当たった中尾教授は「今回認定された地は、日蓮聖人が龍口法難に遭うなど生命の危機を身に感じながら、佐渡での第一歩を記された場所。そしてそのシンボルとして本行寺が建てられ、聖人の思いが今も伝えられている。また日蓮聖人がご自身の教えを確立し、菩薩の自覚を深められたこの佐渡の地はとても意義深い。今後本行寺を中心として聖人の歩まれた足跡をたどっていくルートを考えたい」と語った。
辞令交付式は1月25日、東京大田区の日蓮宗宗務院で行われ、小松浄慎宗務総長から、本行寺の武藤孝臣住職へ辞令が手渡された。小松総長が激励の言葉を述べると、武藤住職は「認定を受け、恥ずかしくないよう護持丹精してまいります」と挨拶した。

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2006年2月1日号

市民とともに阪神・淡路大震災追悼式

無念の思いを改めてかみしめながら、防寒着に身を包みじっと11年前の地震発生の時刻待つ参列者の眼下には、神戸市街のネオンが輝いていた。
6433人の命を奪った阪神淡路大震災から11年。特定非営利活動法人災害危機管理システムEarth(石原顕正理事長=山梨県立本寺住職)は震災以来、被災者と直接ふれあって課題を共有し、深い信頼関係を築いてきた。1月17日早朝、Earthは今年も神戸市の諏訪山公園でその時を迎えた。

 午前5時46分。早朝追悼集会(主催=阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議)には遺族や元被災者、全国各地からの支援者、報道関係者などが集まった。黙祷に続き、運営協力を行っているEarthの石原理事長が導師の献花を行うと、静寂の中に読経と木鉦の音が響き、参列者全員による献花の列が続いた。
午前10時からは追悼式(主催=被災者ネットワーク)が同市私学会館で行われ、会場は予定より多くの参列者で埋めつくされた。
司会を務めたのは岡部眞紀子さん。自らも被災者で、ボランティアグループすまいるに属し、復興住宅住民の交流の場としてひきこもりがちな高齢者などを対象に「ふれあい喫茶」を週に一度開いている。
黙祷に続き、被災者ネットワーク代表の安田秋成さんが追悼の言葉を次のように述べた。
「神戸では、高速道路や港湾施設が再建され、高層ビルやマンションが立ち並んでいます。亡くなられたあなた方の最期の場所も、探すのが難しくなりました。被災者の多くは高齢になり、孤独死も増加しています。犠牲者の多くは生活を守る住宅に押しつぶされたのです。安全な家があったら、このようなことにならなかったことを忘れてはなりません。犠牲者をはじめ救援活動で亡くなった人、殉職された人、行政で関連死と認められなかった人、特に仮設住宅以降増加している孤独死された人々、長期間放置され人の形が崩れた遺体もありました。無念の死をとげたすべての犠牲者を、私たちの大切な仲間として追悼します」。
引き続き石原理事長を導師に、声明を中心とした法華経読誦施餓鬼法要が営まれた。法要後、挨拶に立った石原理事長は「被災者の多くは高齢化が進み、これから先も厳しい現実と向き合っていくことでしょう。彼らは今後、どこに希望を求めていけばいいのでしょうか。孤独死や自殺に向かうことだけは絶対に避けなければなりません。助かった命を大切に、さらに生き続けることの意味を共に考え、心の支えの在り方を問い直すためにも、アースと神戸とのかかわりは終わることはありません」と述べた。

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新年のご挨拶。

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