2005年11月20日号
青少年教化指導者講習会
「寺院は青年や子供たちにどのように接していくのか」をテーマとした青少年教化指導者講習会が、10月3・4日の2日間、東京大田区の日蓮宗宗務院で開催され、僧侶32人が参加した。
開会式では岩間湛正宗務総長が「若者にとって今のお寺は魅力がないと思われるのが現状。寺院が社会に存在感を示すために、この講習会を活動の第一歩としてほしい」と述べ、所管の田端義宏伝道部長が「教化とは多言でも技術でもなく心。今回は各寺院で率先して活動している檀信徒から本音の部分を語っていただきます」と挨拶した。
講習会は、始めに神奈川県横須賀市妙伝寺(楠山泰延住職)檀徒の石高弥江子氏が、万灯を通じたお寺の青年会活動について話した。石高氏は、昭和41年に発足した妙伝寺信徒青年会「愛心会」の活動を紹介し、異世代間の交流の中で、会員一人ひとりが充実感を感じていると述べた。
続いて、青森県鰺ヶ沢町永昌寺(田端義宏住職)檀徒の土岐真也氏が、お寺で行う少年少女修養道場について体験を語った。土岐氏は、永昌寺で毎年夏に行われる「海辺のつどい」の運営に率先して携わり、ボランティアで参加する高校生スタッフにも厳しい指導をするという。そのことが、若者にとっての“やりがい”となり、青年には達成感を持たせる事が大切だと強調した。
最後に、島根県連紹寺(米田宣雄住職)檀徒の江角健治氏が、お寺で開催している夏祭りについて報告。江角氏は、「自分たちで出来ることは何でもする。この手作りの祭りは、スタッフにとっても楽しみの場である」と述べ、“やればできる”の精神を訴えた。
研修2日目は、参加者同士の意見交換会。これから寺院でイベントを立ち上げたいという若手僧侶や、実際に青少年教化活動を行っている住職などが、疑問や課題を話し合った。
その中で「人集めと運営方法」についての質問には、「普段から若い檀信徒がいないか目を光らせ、頼む時は住職が直接お願いする」「住職一人では到底実現できないようなプランを立て、ほとんどの部分を青年たちに委ねることで、若者はやる気を感じる」といったアドバイスがあった。
最後に、「住職の人柄と会の楽しさで人は集まる。それがお寺の魅力。“案ずるより産むが易し”の気持ちで、まずは実行しよう」とまとめられ、2日間の研修会を終了した。