日蓮宗新聞

2005年10月20日号

宗門行事「いのりんぴっく愛知万博」開催

「環境・平和・いのち」を総合テーマに、一人でも多くの人とお題目との縁を結び深めてもらおうと一昨年より行われている宗門行事「いのりんぴっく」。今年は9月12日に、愛知県の愛地球博(9月25日閉幕)会場内で「いのりんぴっく愛知万博」が開催され、多くの来場者が共にふれあいの一時を過ごした。
今回の「いのりんぴっく」は初めての地方開催ということで、いのりんぴっく名古屋実行委員会が主催となり、日蓮宗と日蓮宗名古屋宗務所(伊藤守温所長)の後援という形となった。
実行委員会が会場の選定に検討を重ねたところ、折しも開かれていた愛知万博内で行う案が浮上。「万博という世界各国の様々な文化を持った人たちが行き交う場所は、お題目を世界に向けて発信する千載一遇のチャンス」という思いから、「いのりんぴっく愛知万博」の開催が実現した。
 イベントスペースについては、当初、多くの来場者にアピール効果が上がるように野外通路や広場での開催を検討したが、宗教的活動への制限や防犯上の理由から万博当局からの許可が下りず、市民団体などに一般に開放しているロータリークラブ運営のロータリー館「友愛の家」を借りて行うことになった。
当日は、万博内の掲示板などにポスターを掲示し、日蓮宗がイベントを行うことを広く宣伝。午後四時頃から、会場に近いグローバルループと呼ばれる大通りに行脚姿の青年僧がプラカード持って立ち始め、来場者への案内を始めた。
午後五時、いよいよ「いのりんぴっく愛知万博」がスタート。ロータリー館は二つに区切られ、一つの部屋で名古屋青年会や日蓮宗布教研修所などの青年僧が法話を行い、もう一つの部屋で折り紙やお茶席などのふれ合いイベントが行われた。
イベントの流れとしては、来場者は始めに法話を聴聞し、続いて隣の部屋に移動して「折り鶴」作りを行う、そして最後にお茶席で抹茶のサービスを受けて終了となる。この流れを一サイクルとし、午後九時までの約3時間で合計10ほど行われた。
青年僧による法話コーナーでは、毎回、別の説法者が壇上に立ち、”私にとってのいのり”について様々なメッセージを述べた。参加者からは、「若いお坊さんの海外布教の話に感心した。こういった活動が、なかなか一般社会に伝わっていないのは残念」といった感想が聞かれた。
隣の部屋のふれ合いスペースでは、参加者がお題目の書かれた折り紙で鶴を折り、完成した鶴をご宝前にお供えして祈りを捧げた。お題目が鶴の羽の部分に来るように折るのはなかなか難しく、スタッフに教わったり、お互いに見せ合ったりと会場は和やかな雰囲気に包まれていた。
参加者の構成は、信徒と未信徒が半々くらいの割合。とある檀信徒の女性は「主人の一周忌が終わり、お寺から参加を勧められました。今日は信仰のふれ合いができてよかったです」と語り、万博内で案内ボランティアをしているという女性は「掲示板のポスターとお茶に惹かれて入りました。お題目の響きがとてもいいなと感じました」と満足そうだった。
会場には若者の姿も多く見られ、名古屋の大学に通うという青年二人は、「入り口に立っていたお坊さんが目に入ったのですが、過度な案内をしていなかったので好感が持てました。イベントを通じて、現代日本人の根底にはやはり宗教があると感じました」と、若者らしくコメント。
 今回の企画・運営を行った実行委員会では、万博の中でやるという意義をまず考え、一人でも多くの人に来てもらえるよう企画したという。そのために入りやすい雰囲気作りに徹したことが功を奏したといえる。
目立つイベントもなく、ただ静かに法話を聞き、鶴を折るという体験が、ふれ合いといのりの心を生む。これが今回の「いのりんぴっく愛知万博」のスタイル。
実行委員の一人は、「打ち上げ花火的なイベントではなく、今後、どこでも出来るふれ合いの場を作りたかった」と語る。これからの檀信徒・未信徒へ向けたイベント活動の一つの形がここにある。
「いのりんぴっく名古屋」11月19日に開催
「いのりんぴっく愛知万博」の成功に続き、「いのりんぴっく名古屋」が名古屋市昭和区の法音寺を会場に開催される。今年は名古屋日蓮宗青年会設立40周年にあたり、参加者同士のふれ合いを重視した内容となる。
「いのりの法要」「日蓮劇」「フリーマーケット」「二胡演奏」「シャンソンコンサート」などが行われる予定。
【日時】11月19日(土)午後2時~午後7時
【会場】法音寺(名古屋市昭和区駒方町313)。地下鉄鶴舞線いりなか駅下車、国道153号線を北西に進み「花見通2」の信号を左折。
【問い合わせ】「いのりんぴっく事務局」TEL052-936-3509(名古屋市東区本覚寺内)まで。

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2005年10月10日号

伊藤通明師に「大僧正」

静岡市感應寺住職の伊藤通明師が日蓮宗最高位の僧階「大僧正」に昇叙されることが決まり、9月29日、東京・池上の日蓮宗宗務院で叙任式が行われた。
今回の昇叙は、伊藤師の経歴・事跡を鑑みた宗務総長特除として宗務院内局の賛同を得て褒賞審議会に報告、全会一致で承認され決定した。
日蓮宗には12級の僧侶の階位があり、最高位の大僧正は10月5日現在、伊藤師を含めた六人。
伊藤師は昭和56年から4期16年にわたり宗会議員を務め、その間、平成2年4月から平成5年12月までは宗務総長として、特にお題目総弘通運動の充実推進、立教開宗750年慶讃準備体制の確立に心血を注いだ。毎月28日を「いのりの日」と定め、歳末助け合いでは自ら街頭で勧募を呼びかけるなど、お題目による世界平和実現に向け陣頭に立った。退任後は総本山身延山久遠寺総務、日蓮宗綜合財団理事長など宗門の中核にあって法器養成、檀信徒・未信徒教化に大きな寄与を果たしている。
叙任式には、内局、褒賞審議会の山田潮亮副委員長や武田真良静岡県中部宗務所長をはじめ僧侶約五十人が出席。岩間湛正宗務総長から伊藤師に辞令が手渡され、岩間宗務総長は「経歴事跡、お人柄といい大僧正に相応しいお方とご推挙申し上げた次第です。ご法体ご自愛賜り、後進の我々をお導きくださらんことをお願い申し上げます」と挨拶。伊藤師は「身に余る光栄であると同時に、まさに身ひしきまる思いです。“立正安国・お題目結縁運動”がスタートしたよき年にこの褒賞を頂戴し、身に余る光栄であると同時に、まさに身のひきしまる思いです」と喜びを語った。

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今年も「聞香安居の集い」

今年も大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)さまの後援をいただき日蓮宗新聞社(長亮行社長)が主催するお香会「聞香安居(もんこうあんご)の集い」が行われました。
初秋を迎えた大本山池上本門寺で9月5日、26名のご参加をいただきまして行われました。

ご正客に早水執事長を迎えて

香道のお家元、三條西堯水(さんじょうにしぎょうすい)御家(おいえ)流第23代宗家を講師に、ご正客には池上本門寺の早水日秀執事長をお迎えしました。
香木のスペシャリスト麻布十番・香雅堂のご主人・山田眞裕氏の講演も行われました。
清らかな香木を香りを聞くことで、仏・法・僧の三宝給仕の心を学んでいただく貴重な機会としてご好評をいただき、今回も開催の運びとなりました。
香筵の前には早水執事長導師のもと法要が厳かに営まれ、功徳をいただき、気持ちも引き締まります。
法華経の経文で描かれた日蓮聖人波木井の御影が奉安されている松涛の間で香筵は開かれました。
秋は何をおいても月とのことで「名月香」が選ばれました。
また香組のもととなる証歌は紫式部の祖父にあたる藤原雅正の和歌「いつとても月見ぬ秋はなきものを わきて今宵の珍しきかな」(後撰集)が選ばれました。
香木は、月今宵と名付けられた伽羅(キャラ)をはじめ、香名花見月・佐曾羅(サソラ)、風待月・羅国(ラコク)、霜見月・真南蛮(マナバン)が用意され、香筵で聞いていただきました。
正客の早水執事長がすべての香木を聞き分け、最高得点者だけに渡される、香筵の記録が記されている記録用紙を手にされました。
仏事には欠かせないお香。日常無意識に扱ってはいないでしょうか。三宝給仕を通して、お香の奥深さを体験していただきたいと思います。

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新年のご挨拶。

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