日蓮宗新聞

2005年10月20日号

日蓮宗、第2回スタディツアー開催(2)

日蓮宗宗務院(岩間湛正宗務総長)は8月30日から9月8日まで、第2回スタディーツアーを実施。19歳から31歳までの宗門子弟や檀信徒16人が、ラオスでの学校建設を通して現地の人々と触れ合った。
ツアーの団長・伊藤佳通師(静岡市感應寺)が理事長を務めるNGO(非政府組織)・BAC仏教救援センター(以下BAC)は、25年に亘り幅広い国際協力活動を行い、12年前からはラオスでの学校建設に尽力。今回のツアーにもラオス教育省中等教育課のブントム・ケナプム氏が同行するなど、ラオス政府とも連携した活動を行っている。
BACの学校は鮮やかな青のトタン屋根がトレードマーク。鉄筋コンクリート製で、レンガの壁をモルタルで仕上げている。参加者は現地建設会社の職人約10人と共に、コンクリートの床作りやレンガ積みなどを5日間に亘り体験した。
 雨でぬかるんだ校庭に足を取られながらの砂運びやレンガ運びでは、靴をドロドロにして何度も何度も往復した。床作りではコンクリートを流すため、セメントまみれになりながら職人と共にバケツリレー。そして職人の指示をジェスチャーと表情で理解し、慎重にレンガを積み上げ、鉄柱を作った。
何から何までが手仕事の建設作業。ここでは協力し合わなければ何一つ先には進まない。はじめは意志疎通がうまくいかなかった職人とも、時が経つにつれ笑顔を交わす時間が多くなっていた。声を出し合い、助け合う参加者の瞳には活力がみなぎり、笑顔が輝いていた。目標に向け心を一つにすることの尊さを、身をもって感じたに違いない。
レンガ運びを眺めていた一人の子供が、真似をして運び始めた。すると他の子供たちも手伝い始めた。何個ものレンガを板に乗せ、歯を食いしばって運ぶ男の子。小さな手にレンガを持って、何往復もする女の子。「コープチャイ(ありがとう)」と言うと、口元をほころばせて純真な笑顔を向けてくれた。そのはじけるような笑顔が、参加者の疲れを忘れさせた。
子供たちはとても人なつこく、授業が終わると参加者のもとに駆け寄り、遊んでくれるようせがんだ。片言のラオス語を、心で分かってくれているようだった。紙飛行機を教えれば、手を引いて「ねえ、見て!」と得意気に飛ばし続けた。草相撲をして見せると、喜んで真似をした。大汗をかきながら作業する参加者に野の花を手渡し、笑顔で合掌する女の子もいた。
地元の若者とのセパタクロー(籐製のボールを蹴って相手のコートに入れ合う球技)も毎日のように行われた。共にセパタクローを楽しむこと、子供たちと触れ合うこと、建設作業で貢献すること。どれも素晴らしい国際交流、そして国際協力の形ではないだろうか。
また作業中日には、世界遺産、ワット・プーを訪れる日程も組まれていた。元ヒンドゥー寺院で後に仏教の聖地へと変化を遂げたその歴史の重さに、参加者は暫し感慨深い時を過ごした。
 最終日の午後には、全村あげてのお別れ会“バッシー”が行われた。これはラオスの伝統行事で、結婚や新築・歓送迎会などで行われる民族儀式。祈りが捧げられた木綿糸を、村人が次々に「無事に帰れますように」「またラオスに来られますように」と祈りながら、参加者の手首に巻きつけていく。ラオスの人々の包み込むような温かさに触れ、感極まって涙する姿も見られた。
その後、メコン河の魚料理や野菜炒め、もち米など心尽くしの料理の数々と、地酒ラオラオが振る舞われた。村人たちは、まるで親戚のおじちゃんやおばちゃんのように、たくさん食べなさいと勧めてくれる。参加者と職人、村人が身振り手振りで語り合う会場では、笑顔がゆれていた。
そして村人によるダンス「ランボーン」が披露されると、「東京音頭」「炭坑節」でお礼返し。交流の場は大いに盛り上がり、いつまでも踊りが続いた。

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