2005年10月20日号
日蓮宗、第2回スタディツアー開催(1)
明日の宗門を担う若者が、ラオスの強く照りつける太陽の下、小学校建設に汗を流した。
人間と動物が共存し、ともに大自然の恩恵を受けるラオス。その中を裸足で駆けまわる子供たち。日本とは懸け離れた大らかな風土と、現地の純朴な村人や子供たちとの心の交流の中で、若者たちは新たな価値観を育み、それぞれの生き方を模索する貴重な体験をした。(2面に関連記事)
日蓮宗宗務院(岩間湛正宗務総長)は、将来の国際協力活動・海外布教活動を担う人材を発掘することを目的に、8月30日から9月8日まで、第2回スタディーツアーを開催。ラオスに111の小学校を建設しているNGO(非政府組織)・BAC仏教救援センター(以下BAC)の伊藤佳通理事長(静岡市感應寺内)を団長に、10代から30代の宗門子弟や檀信徒16人が建設作業を体験した。
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法華経には、心と心を繋げて敬いの心を持ち、共に向上し、仏の種を育て咲かせようと願う菩薩の精神が説かれている。
日蓮宗ではこの精神を基盤に、全国の寺院や檀信徒から寄せられた浄財「日蓮宗国際協力基金」を、災害や救援活動の支援をはじめ、NGO・NPO(非営利組織)等への協力資金に充て、国際協力活動を推進してきた。その一環として、9年前からはラオス学校建設にも着手。BACが展開する学校建設プロジェクトの提供者となり、資金援助を行ってきた。
BACとして112校目、日蓮宗としては32校目となったシークート小学校は、ラオス南部メコン河沿いのチャンパサック県シークート村にある。今年2月に開催された第1回スタディーツアーで、宗門子弟をはじめとする若者が建築作業を行い、4月に3教室の学校が完成した。今回のツアーでは、第1回に次いで同校に2教室を増築する建設作業の体験となった。
宗務院では来年9月にも引き続き同様のスタディーツアーを開催する予定で、全国の宗門子弟や檀信徒に参加を呼びかけている。